Savage Tiding 04『島における恐怖』

サヴェッジ・タイドは沸き起こり、海は平穏とはかけ離れた状態と化した。
沈没しないために、この連載記事ではプレイヤーである君たちに水の上に頭を出し続けておくために必要な秘訣、要領、そして小道具を提供する。『Dungeon』誌ではDMに対して『Savage Tide』キャンペーンを運用していくのに必要な卑劣なプロットやずる賢いモンスターを提供していく一方、
この『Dragon』誌では、君たちが敵に反撃するためのより良い細かな情報や選択肢を提供する。
今月の記事では、伝説的な“恐怖の島”についての噂の主、動物の相棒や使い魔を持つキャラクターへの新たな選択肢、
そしてこの島の危険なジャングルの中で見つかる新しいキャラクターのアイデアについて提供する。

島の動物

“恐怖の島”を旅するドルイドとレンジャーは、すぐにこの島に生息するクリーチャーたちが、
他の場所で見つかるものたちとはまるっきり違うという事に気づくだろう。
もちろん、これらのクリーチャーのいくつかは強力な動物の相棒になりうるし、
自然の化身で変身する対象となりうる。同様に、新しい使い魔を探しているウィザードとソーサラーは、
これらのクリーチャーのいくつかはそうした役割に完全に適合することを発見するかもしれない。
たとえクリーチャーとの間に特別な絆を持っていない者であっても、
“恐怖の島”の生息動物を乗騎として利用できることに気づくかもしれない。
君はこれらのクリーチャーを選択する前に、これを許可するかどうか、
またここに紹介されている以外の選択肢を許可するかどうか、DMとよく相談しなければならない。

動物の相棒と自然の化身

野獣使いのアーキタイプを持つレンジャーは動物を相棒として得ることができる。
『Player’s Handbook』によれば中型サイズで脅威度1/4かそれよりも低い野獣を相棒にすることができる。
また、『Unearthed Arcana』で紹介されている野獣の秘密会議に所属するレンジャーはリストに示されている動物から相棒を選ぶことができる。

また、ドルイドは“自然の化身”のクラス特徴を使って修得している形態の野獣の姿を取ることができる。
レベルに応じて変身できる脅威度や制限が決められているが、月のサークルのドルイドは最終的に脅威度6の野獣まで変身対象とすることができる。

“恐怖の島”には他では目にすることのないような固有のクリーチャーが多数生息しており、
これらのクリーチャーも動物の相棒や自然の化身の良い選択肢となりうる。
下記の動物のリストは、この島で新しい動物の相棒を見つけようとしているレンジャーや、
“自然の化身”の新しい変身先を探しているドルイドが利用できるものである。

UA と付されているものは『Unearthed Arcana』で紹介された野獣の秘密会議のレンジャーのためのリストである(『Unearthed Arcana』に記載されているリストにいくつか追加している)。
※が付されているクリーチャーのデータはこの記事で後述されている。
Volo と付されているものは『Volo’s Guide to Monsters』にデータが記載されている。
OoA と付されているものは『Out of the Abyss』にデータが記載されている。
SKT と付されているものは『Storm King’s Thunder』にデータが記載されている。
大型と付されているものはサイズ分類が大型であり、レンジャーの相棒に選ぶことはできない。
超大型と付されているものはサイズ分類が超大型であり、レンジャーの相棒に選ぶことはできない。
巨大と付されているものはサイズ分類が巨大であり、レンジャーの相棒に選ぶことはできない。

脅威度0(飛行も水泳移動速度もなし)
キャット
クラニアム・ラット(Volo)
ゴート
ジャイアント・ファイアー・ビートル
ジャッカル
スコーピオン
スパイダー
ディア
ハイエナ
バジャー
バブーン
モンキー(※)
ラット
リザード

脅威度0(水泳移動速度あり)
オクトパス
クイッパー
クラブ
シー・ホース
ドルフィン(Volo)
フロッグ

脅威度0(飛行移動速度あり)
アウル
イーグル
ヴァルチャー
トレッシム(SKT)
バット
パロット(※)
ホーク
メガネウラ(※)
レイヴン

脅威度1/8(飛行も水泳移動速度もなし)
キャメル大型
コンプソグナトゥス(※)
ジャイアント・ウィーゼル(UA)
ジャイアント・ラット
ポニー
マスティフ
ミクロラプトル(※)(UA)
ミュール(UA)

脅威度1/8(水泳移動速度あり)
ジャイアント・クラブ
ドルフィン(Volo)
ポイゾナス・スネーク

脅威度1/8(飛行移動速度あり)
スタージ
フライング・スネーク
ブラッド・ホーク

脅威度1/4(飛行も水泳移動速度もなし)
アックス・ビーク(大型)
ヴェロキラプトル(Volo)(UA)
ウルフ(UA)
エルク大型
カウ(オックス)(Volo)(大型)
カウ(ステンチ・カウ)(Volo)(大型)
カウ(オーディナリィ・ロセ)(Volo)(大型)
カウ(ディープ・ロセ)(Volo)
ジャイアント・ウルフ・スパイダー
ジャイアント・センチピード
ジャイアント・バジャー(UA)
ジャイアント・リザード(大型)
ドラフト・ホース(大型)
ハドロサウルス(Volo)(大型)
パンサー(UA)
ボア(UA)
メイル・スティーダー(OoA)
ライディング・ホース(大型)

脅威度1/4(水泳移動速度あり)
コンストリクター・スネーク(大型)
ジャイアント・フロッグ
ジャイアント・ポイゾナス・スネーク
ディメトロドン(Volo)
ドワーフ・クロコダイル(※)(UA)

脅威度1/4(飛行移動速度あり)
ジャイアント・アウル(大型)
ジャイアント・バット(大型)
プテラノドン

脅威度1/2(飛行も水泳移動速度もなし)
ウォーホース(大型)
エイプ(UA)
ブラック・ベア(UA)
ジャイアント・ゴート(大型)

脅威度1/2(水泳移動速度あり)
クロコダイル(大型)
ジャイアント・シーホース(大型)
リーフ・シャーク(大型)

脅威度1/2(飛行移動速度あり)
ジャイアント・ワスプ

脅威度1(飛行も水泳移動速度もなし)
ジャイアント・スパイダー(大型)
ジャイアント・ハイエナ(大型)
ダイア・ウルフ(大型)
タイガー(大型)
ディノニュクス(Volo)
ブラウン・ベア(大型)
ライオン(大型)

脅威度1(水泳移動速度あり)
ジャイアント・オクトパス(大型)
ジャイアント・トード(大型)

脅威度1(飛行移動速度あり)
ジャイアント・イーグル(大型)
ジャイアント・ヴァルチャー(大型)

脅威度2(飛行も水泳移動速度もなし)
アロサウルス(大型)
オーロックス(Volo)(大型)
サーベルトゥースド・タイガー(大型)
ジャイアント・エルク(超大型)
ジャイアント・ボア(大型)
ポーラー・ベア(大型)
ライノセロス(大型)

脅威度2(水泳移動速度あり)
ジャイアント・コンストリクター・スネーク(超大型)
ハンター・シャーク(大型)
プレシオサウルス(大型)

脅威度2(飛行移動速度あり)
ケツアルコアトルス(Volo)(超大型)

脅威度3(飛行も水泳移動速度もなし)
アンキロサウルス(超大型)
ジャイアント・スコーピオン(大型)

脅威度3(水泳移動速度あり)
キラー・ホエール(超大型)

脅威度4(飛行も水泳移動速度もなし)
エレファント(超大型)
ステゴサウルス(Volo)(超大型)

脅威度5(飛行も水泳移動速度もなし)
トリケラトプス(超大型)
ブロントサウルス(Volo)(巨大)

脅威度5(水泳移動速度あり)
ジャイアント・クロコダイル(超大型)
ジャイアント・シャーク(超大型)

脅威度6(飛行も水泳移動速度もなし)
マンモス(超大型)

使い魔

ファインド・ファミリアー呪文を修得している呪文の使い手は、
この呪文に示されているリストから使い魔を選ぶが、
“恐怖の島”を訪問した者たちは、使い魔を選択するときにはいくつかの追加の選択肢を修得できるだろう。
これらの選択肢から1つを修得する際には代わりに元々ある選択肢から1つを失う。

参考用に『Player’s Handbook』に示されている選択肢のリストを示す。
Wが付されているものは鎖の契約を有するウォーロックが選択することができる使い魔である。

『Player’s Handbook』の使い魔リスト
アウル(脅威度0)
インプ(W)(脅威度1)
ウィーゼル(脅威度0)
オクトパス(脅威度0)
キャット(脅威度0)
クアジット(W)(脅威度1)
クラブ(脅威度0)
シー・ホース(脅威度0)
スードゥドラゴン(W)(脅威度1/4)
スパイダー(脅威度0)
スプライト(W)(脅威度1/4)
バット(脅威度0)
フィッシュ(クイッパー)(脅威度0)
フロッグ(トード)(脅威度0)
ポイゾナス・スネーク(脅威度1/8)
ホーク(脅威度0)
ラット(脅威度0)
リザード(脅威度0)
レイヴン(脅威度0)

恐怖の島での使い魔リスト
コンプソグナトゥス:群れを成して狩りを行う小型の肉食恐竜。羽毛に覆われているが飛行することはできない。
パロット(オウム):これらの色鮮やかな鳥は“恐怖の島”のいたる所で見られる。
ミクロラプトル:この超小型サイズのディノサウルスはイエネコ程度の大きさで羽毛に覆われており、樹上から樹上へと飛行しつつ集団で行動して、血に飢えた気質を持っていることで知られている。
メガネウラ(巨大トンボ):翼長28~30インチにも及ぶ古代種の巨大トンボ。原始的な構造の翅を持ち、現代のトンボのようにホバリングすることはできなかった。“恐怖の島”のジャングルの中ではいたる所でメガネウラが飛翔している。
モンキー(猿):超小型サイズのモンキーは“恐怖の島”のいたる所で見つけることができ、木々に隠れて大きな捕食者から逃れている。使い魔としては、モンキーは好奇心旺盛で興奮しやすい気質であり、その多くの時間を主人の上に登ったり、毛づくろいをしたりして過ごしている。

乗騎

“恐怖の島”には生来の乗騎になれるようなクリーチャーはほとんどいないが、
非常に多大な時間を掛け、忍耐力を持って訓練を行なえば、
そうした役割をこなすことができるものもいくらかは存在する。
ファインド・スティード呪文を修得しているパラディンは、
乗騎として仕えるのに適したディノサウルスの姿をした乗騎を招来することができる。

下記のリストは“恐怖の島”で見つけられるクリーチャーの内、
乗騎となりうるサイズと形態を持つクリーチャーであるが、
これらを捕まえて乗騎として訓練することは非常に困難である。
幼生を捕まえて長い時間をかけて訓練を施せば可能性がある。
P が付されているクリーチャーはパラディンがファインド・スティード呪文で招来する乗騎の姿として選択できるクリーチャーである。

超大型サイズ
アンキロラウルス(脅威度3)
トリケラトプス(脅威度5)

大型サイズ
アックス・ビーク(脅威度1/4)(P)
ジャイアント・スパイダー(脅威度1)
ジャイアント・バット(脅威度1/4)
ジャイアント・リザード(脅威度1/4)
ハドロサウルス(脅威度1/4)(Volo)(P)

中型サイズ
ディノニュクス(脅威度1)
ディメトロドン(脅威度1/4)(P)
プテラノドン(脅威度1/4)


代わりのPC

冒険者の人生には不幸なことに死はつきものである。
幸運なことに、“恐怖の島”の上であっても、新しいキャラクターは原住民の中で見つけることができる。
荒々しいオーマン人から、怪物じみたアレイニアまで、ここに示すものはいくつかの選択肢に過ぎない。

アレイニア

“恐怖の島”に、この変身する蜘蛛たちのかなり大きな部族が生息している。
時々、追放された者が、仲間や冒険を求めていることがある。
人型生物の姿を取ることができる彼らの能力によって、
その仲間たちが彼らの信頼を勝ち得るまで、
その真の姿を秘密にしておこうとすることもあり、
その場合には、その時が来るまで道に迷った探険家や旅人のふりをする。

オーマン人

オーマン人は数え切れないほど昔から、巨大な壁によって“恐怖の島”本土と切り離された小さな村々で生活してきている。
彼らは自らの部族に身を捧げており、数多くの人々が何年かの間、遠くの世界を探検するために村を出て行く。
多くは島の内地へと旅立ち二度と再び姿を見せることはないのだが、中には悲惨な冒険譚を携えて帰ってくる者もいる。
島を横切っている間に、遠征隊に興味を持ったこうした原住民の1人とばったり出くわすことは十分ありうる事で、
その素晴らしい地理に関する知識は重要不可欠なものだと分かるだろう。

オーマン人は4つの氏族に分かれており、それぞれが1種類の獰猛な動物を崇拝している:
エルク(ヘラジカ)、ホーク(鷹)、タイガー(虎)、そしてシー・タートル(海亀)である。

各氏族はそれぞれに固有の誇りある伝統と儀式を持っているが、外部からの危機に見舞われた時には防衛のために結集する。
各氏族の長は男性で、各村の長は女性であり、権力と世論のバランスを取っている。
オーマン人はよそ者を恐れはせず、珍しいものを見る目で見
、恐るべき島を探検しようという彼らの決意をほとんど馬鹿げたものだと見なしている。

オーマン人はどこからどこまでも普通の人間である。すべてのオーマン人は、
共通語の代わりに彼ら独自の言葉(オーマン語)を学んでいるが、外来者との頻繁なやりとりによって、すぐに共通語を覚える。

恐怖の島の原住オーマン人は、自動的に勢力陣営“オーマン人”の名声1を獲得するため、その勢力陣営の利益として〈隠密〉技能に習熟する。

ファナトン

“恐怖の島”全域に棲息することが知られているこの小型クリーチャーの種族は、アライグマと猿の合いの子のような外見で、灰色から茶色の毛皮、物を掴むことができる尾、そして腕と足の間に張った膜を持っている。ファナトンとして知られるこのクリーチャーは、多くの者が一見したときに勘違いするような知性のない動物ではない。彼らは、地面に住む捕食者から狙われないように、ジャングルの樹冠の高みに作った小さな村で生活している。ファナトンは小さな氏族を形成しており、重要な決定のほとんどを行なう王や戦長を持っているが、その一方で森や氏族全体に必要とされるものについては残りの全員で管理している。初めはよそ者を恐れるが、そのクリーチャーが氏族や彼らが扶養している近隣の森を傷つけるものではない事が証明されれば、ファナトンは非常に友好的になる。中には、道先案内や斥候として、他のクリーチャーと一緒に旅に出ることに同意するファナトンすらいる。すなわち、ファナトンの冒険者というものは決して珍しいものではない。ファナトンはスパイダーや蜘蛛に類したクリーチャー、たとえばアレイニアなどを嫌悪しており、勝ち目がありそうなら目に入り次第攻撃する。
ファナトンは濃い毛皮のマスクに隠れた大きな目を持っている。彼らの猿のような手には他の指と向かい合わせについた親指があり(訳注:つまり人間のような指の配置になっているという事)、さまざまな作業に使うことができる。彼らの足は順応性に富んでいるが、重い物を持ち運んだり、武器や盾を使用したりするために使うことはできない。ファナトンの尾はおよそ4フィートの長さがあり、跳躍や登攀を補助するのに使われる。ファナトンはホーホー、ぺちゃくちゃ、カチカチといった音で成り立つ彼ら独自の言語を話す。

ラカスタ

『Volo’s Guide to Monsters』で紹介されているタバキシについては、Savage Tideキャンペーンにおいては“ラカスタ”として導入される。
ラカスタは“恐怖の島”を出身地とする種族であり、フラネス世界ではその存在は知られていない。
タナクラン帝国の絶頂期に、いくつかのオーマン人部族が自然の中でのより伝統的な生活習慣を求めて、都会生活の快適さを放棄した。
こうした集団のいくつかは、古代の習慣を受け入れて、自発的にライカンスロープと化した、シャーマニズム的カルト集団であった。
タナクランがサヴェッジ・タイドによって打ちのめされたとき、これらのカルトはその大惨事から逃れ、何世代も生き延びることに成功した。
やがて、こうした人々も、島の新たな支配者となった獰猛で危険な捕食動物たちの餌食となっていったが、
こうした中で唯一、ジャガーのカルトだけが生き延びた。
生き延びたワージャガーたちはジャングルの奥深くでさらに世代を重ねて進化を果たし、
ついにラカスタとして知られる全く新しい種族になったのである。

現在、この種族は絶滅の危機に瀕している。“恐怖の島”は全く油断を許さない場所であり、
中央高地からの新たな侵略者たちによってラカスタたちは圧迫されているのである。
すでにこの新たな敵によっていくつもの部族が壊滅している。
皮肉なことにこの新たな敵もまた、かつてのジャガーのカルトの末裔たちであった。
1,000年以上前のサヴェッジ・タイドによって悪魔的な変身を遂げ、
ラカスタたちとは全く別の進化の系統を辿って再び低地へと侵略を行なってきているのである。

リザードフォーク

冒険者たちとオーマン人だけが、この“恐怖の島”で見られる探険家ではない。
この広大なジャングルを狩猟しているリザードフォークの大部族出身の戦士たちともしばしば遭遇することになる。
これらの爬虫類人型生物はジャングルについて非常に良く知悉しており、恐ろしい捕食動物たちに敬意を払っているが、
彼らの前の道を横切ったとしても、オーマン人を部族みんなのご馳走として丸焼きにするようなことはない。
すべてのリザードフォークがそれほど残忍なわけではなく、リザードフォークのプレイヤー・キャラクターは素晴らしい戦士たりえる。

リザードフォークのキャラクターについてのルールは『Volo’s Guide to Monsters』の第2章に記載されているが、
修得している言語についてはオーマン語と竜語である。
最終更新:2018年03月24日 15:05
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