時は199X年、東京――人々の政治不信と、世紀末への危機感はピークに達しようとしていた。
 政治不信はそのまま個人主義へとむかい、人は財産をため込む以外に目標はない。世紀末への危機感は新興宗教へとむかい、人々は救世主を待ちわびる――。それがまさに199X年の社会状況であった。

 そんなある日、東京・吉祥寺の井の頭公園で謎の殺人事件が起こった。警察は犯人が依然この街に潜伏中であると断定、いち早く非常線を張る。だが周囲の喧騒とは別に、街の人々は何か、異様な空気の違いを感じ取っていた……。



最終更新:2018年12月22日 16:17
添付ファイル