相殺の基本仕様
相殺(Clang)とは、攻撃判定同士が接触したとき、その攻撃判定が消失する仕様のこと。
相殺による攻撃判定の消失は、相殺相手にのみ作用する。
飛び道具と相殺した場合は敵ファイターへの攻撃判定は消失せず、接触ワザ同士の相殺でも第三者に対しての攻撃判定は残ったままである。
相殺が発生すると、ファイターはまずヒットストップに移行する。
その後は、地上攻撃であればのけぞって相殺モーション(Rebound)に移行し、空中攻撃であればそのまま動作を続ける。
飛び道具であれば、多くの場合飛び道具じたいが消滅する。
相殺が起こる組み合わせ
相殺が起きうるかどうかは、接触する攻撃の組み合わせに依存する。
- 地上攻撃:地上攻撃・地上必殺ワザ・空中攻撃の着地攻撃(LF)など。
- 空中攻撃:空中攻撃・空中必殺ワザ・空中ワイヤーなど。
- 飛び道具:飛び道具・アイテム(生成アイテム)。
相殺が起きうる攻撃の組み合わせは次の通り。
地上攻撃 と 地上攻撃 |
地上攻撃 と 飛び道具 |
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空中攻撃 と 飛び道具 |
飛び道具 と 飛び道具 |
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一方、次の組み合わせでは相殺が発生しない。
なお、相殺が起きる組み合わせのワザを同時に振っても、攻撃判定同士が接触しなければ相殺は発生しない。
ダメージ差による相殺貫通
ダメージ差が9.0%以上の攻撃判定同士が接触した場合、相殺の貫通が起きる(9% Rule)。
ダメージ差はワンパターン相殺などを考慮するが、1on1補正は考慮しない。
相殺の貫通が起きた場合、ダメージの低いほうにのみ相殺が発生してダメージの高い攻撃判定に相殺は発生しない。
ダメージが高い側にはヒットストップも相殺モーションも発生せず、一方的に相手の攻撃判定を打ち消すことができる。
ただし、ダメージが高い側も接触した瞬間の1Fだけは攻撃判定が消去される。
したがって、持続が1Fしか存在しないメタナイトの横スマッシュ攻撃のようなワザではあまり恩恵を受けることができない。
ヒットストップ・相殺モーション
相殺が発生すると、ファイターはまずヒットストップに移行する。
その後は、地上攻撃であれば通常は相殺モーションに移行し、空中攻撃であればそのまま動作を続ける。
飛び道具であれば、多くの場合飛び道具自体が消滅する。
なお、ダメージ差が9.0%を超えて一方的な打ち消しが起こった場合ヒットストップは発生しない。
その後も、あたかも相殺が発生しなかったかのように動作を続ける。
ヒットストップ
攻撃判定同士がぶつかって相殺が起きると、ヒットストップが発生してお互いに一定時間停止する。
ただし、相殺した攻撃判定が相殺モーションなし(後述)の場合、相殺モーションなし側のみヒットストップがかからない。
なお、通常のヒットストップとは異なり、ヒットストップずらしはおこなえない。
ヒットストップ終了後は、1Fだけヒットストップ解除モーションを挟んだのちに相殺モーションに移行する。
なお、相殺による攻撃判定の消去が起こるのはヒットストップ終了後であり、停止中は攻撃判定が持続している。
ヒットストップで停止する時間は、基本的に両ファイター同じで有利・不利は発生しない。
停止時間の計算には、攻撃判定のうちダメージが高いほうを使用する。
ダメージの高いほうの攻撃にヒットストップの補正倍率がかかっている場合は考慮されるが、小さいほうの倍率は無視される。
なお、以下のように相殺時の停止時間が両者間で異なる場合もある。
- 電撃属性の攻撃判定で相殺した場合、電撃属性側のファイターのみヒットストップが1.5倍になる。
- まったく同ダメージの攻撃判定同士で相殺した場合、攻撃判定のヒットストップ倍率が異なると停止時間にずれが生じる。
また、以下の状況ではそもそも相殺時のヒットストップが発生しない。
- 相殺モーションなしの攻撃判定で相殺した場合、相殺モーションなし側のファイターのみヒットストップがかからない。
- 9.0%を超えるダメージ差がある攻撃判定が相殺した場合、両者にヒットストップがかからない。
相殺モーション
地上攻撃による攻撃判定で相殺が発生すると、ファイターはヒットストップ終了後に相殺モーションに移行する。
なお、一部の地上攻撃では相殺しても相殺モーションが発生しないように設定されている場合もある(後述)。
地上攻撃同士で相殺が発生した場合、必ず両者に同じ時間の相殺モーションが発生する。
一方、地上攻撃と飛び道具が相殺した場合は、地上攻撃を使ったファイターにのみ相殺モーションが発生する。
相殺モーションの全体フレームは、ぶつかった攻撃のうち高いほうのダメージ量を用いて以下の式で計算される。
全体フレーム = ROUNDUP(30 / 16 * (高いほうのダメージ + 3))
また、相殺モーション移行直前にはファイターがダメージ量に応じた速度でノックバックを開始する。
トータルとしてのノックバック量は、ファイターの地上抵抗値が大きいほど短くなる。
ノックバック初速 = 0.5 + 0.007 * (ダメージ + 3)
ちなみに、剣術Miiの下必殺ワザ1(カウンター)で当身に成功すると敵ファイターは29Fの相殺モーションをとる。
相殺判定・相殺モーション判定
すべての攻撃判定には、攻撃判定が他の攻撃判定と接触した際に相殺・相殺モーションを起こすか決定するフラグが設定されている。
Smash Ultimate Data Viewer
では
Clang/Reboundとしてラベリングされており、内部名は
ATTACK_SETOFF_KIND_[name]である。
相殺設定 |
Clang/Reboundのラベル |
補足 |
通常 |
ATTACK_SETOFF_KIND_ON |
通常の相殺判定。 |
相殺なし |
ATTACK_SETOFF_KIND_OFF |
相殺なしの項目を参照。 |
相殺モーションなし |
ATTACK_SETOFF_KIND_THRU |
相殺モーションなしの項目を参照。 |
不明 |
ATTACK_SETOFF_KIND_NO_STOP |
射撃Miiのグレネードランチャーの接触判定にのみ設定されている。 |
相殺なし
一部のワザ・攻撃判定は、相殺を起こすはずの組み合わせでも相殺が起きない。
こういったワザを「相殺判定のないワザ(攻撃判定)」と呼ぶ。
相殺なしの地上攻撃 |
相殺なしの空中攻撃 |
相殺なしの飛び道具 |
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(フォックスのブラスターなど) |
地上攻撃・飛び道具と相殺しない。 地上攻撃から打ち消されないが、 飛び道具を打ち消すことができない。 相殺モーションの長さによって、 有利にはたらくときもあれば、 不利にはたらいてしまうときもある。 |
飛び道具と相殺しない。 飛び道具を打ち消すことができず、 基本的にはデメリットにはたらく。 |
地上攻撃・飛び道具と相殺しない。 地上攻撃から打ち消されないが、 飛び道具を打ち消すことができない。 |
相殺なしのワザ一覧
<準備中>
相殺モーションなし
一部のワザや攻撃判定は、相殺が発生して攻撃判定が消滅しても以降の動作を継続する。
地上攻撃の場合は相殺が発生しても相殺モーションに移行せず、飛び道具の場合は飛び道具が消滅しない。
なお、空中攻撃に設定されている場合もあるが、現在のところ特殊な仕様は確認されていない。
相殺モーションなしのワザが相殺すると相殺モーションなし側のファイターのみヒットストップが発生せず、移行の動作を継続する。
ただし、空中攻撃が飛び道具と相殺した場合には通常時と同様にヒットストップが発生する。
なお、相手に攻撃をヒットさせた後に別対象の攻撃判定と相殺が起きた場合、新しい持続判定が再度相手にヒットすることがある。
例えばプリンのダッシュ攻撃の本当て部分を当てている間に飛び道具と相殺した場合、持続判定も相手にヒットして合計2ヒットする。
相殺モーションなしのメリットとしては以下が挙げられる。
- 相手のみヒットストップ・相殺モーションがかかるため、動作終了後有利状況になることが多い。
- 飛び道具を相殺しながらそのまま相手を攻撃できる。
- 通常は飛び道具と相殺すると相殺モーションに移行してしまう。
- 多段ワザの場合に限り、続く攻撃判定で相殺モーション中の相手を攻撃できる。
相殺モーションなしのワザ一覧
特殊な相殺判定
複雑なアニメーションが設定されている(?)一部の飛び道具による攻撃判定は、特殊な相殺判定を持つ。
このようなワザは、
ダメージ差が9.0%以上で
相殺の貫通
が起きるはずの場合でも、飛び道具側の攻撃判定が消失して復活しない。
つまり、通常であれば相殺して一方的に打ち勝つことができるケースでも、相手に攻撃をヒットさせることができなくなる。
↑ピクミン&オリマーの横スマッシュ攻撃では相殺の貫通が起こらない。
これらのワザは飛び道具として処理されているため、相手の空中攻撃と相殺が起きる。
また、相殺が発生しても相手の攻撃判定は消滅せず、自分の攻撃判定のみが消滅する。
つまり相手の空中攻撃から常に相殺貫通されるのとほぼ同義であり、空中攻撃との殴り合いにめっぽう弱い。
なお、どれだけダメージが高くとも相手の空中攻撃が相殺貫通されることはなく、相殺時に相手の攻撃判定が1Fだけ消去されることもない。
例外として、forチコの百裂攻撃およびXメタナイトのマッハトルネイドは
特殊な相殺判定を持っていることが相殺処理において非常に有利に働く
。
+
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<解説> |
<解説>
これらの攻撃が特殊な相殺判定を活かせるのは、「相殺モーションに移行しない多段攻撃を本体が出している」からである。
特殊な相殺判定のおかげで、特に
相手の空中攻撃を完全に潰して巻き込める
のが特徴。
チコの百裂攻撃の場合では以下のようになる。
- チコの百裂攻撃が相手の攻撃とぶつかる。
- 地上攻撃/飛び道具ではダメージ差が9%以内なら/
空中攻撃では必ず
、両者の攻撃が相殺する。
- 相手の攻撃はチコへの攻撃判定を失う。
- ヒットストップ後、チコの百裂攻撃の攻撃判定が間隔を置いて復活し、相手にヒットする。
それでも、チコはロゼッタに攻撃を当てれば攻撃が止まるためまだマシと言える。
Xメタナイトのマッハトルネイドも同様に、空中攻撃および9%差以内の地上攻撃/飛び道具を潰して攻撃できる。これに加え、
- ヒットストップが無いワザなので、
相殺すると相手にだけヒットストップが発生してメタナイトが先に動ける。
-
元から範囲が広い
上に
多段攻撃の間隔が短く
、相手を簡単に巻き込める。
と、より凶悪な性能をしていた。発生後のX竜巻を叩くには、
- 威力の高い地上攻撃か飛び道具
- 相殺判定の無い攻撃
- 竜巻判定に触れないような真上からの攻撃
を当てるしかなかった。
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特殊な相殺判定を持つ攻撃判定一覧
ファイター |
ワザ |
備考 |
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上スマッシュ攻撃 下スマッシュ攻撃 |
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横必殺ワザ(乗車中) |
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横スマッシュ攻撃 上スマッシュ攻撃 下スマッシュ攻撃 |
「特殊な相殺判定を持つ飛び道具」だが、 「本体付随の飛び道具」ではない。 |
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下必殺ワザ(木) |
「特殊な相殺判定を持つ飛び道具」だが、 「本体付随の飛び道具」ではない。 |
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横スマッシュ攻撃(溜め以外) 通常必殺ワザ(噛みつき) 横必殺ワザ(突き刺し) |
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横スマッシュ攻撃 上スマッシュ攻撃 下スマッシュ攻撃(Hit 2) |
すべて対地のみ(対空は相殺なし)。 |
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横必殺ワザ |
対地のみ(対空は相殺なし)。 |
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下スマッシュ攻撃 |
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特殊な飛び道具
灼熱波動拳
ヒット・ガード時は多段ヒットだが、相殺時に限り単発タイプの飛び道具のようなふるまいをする。
相殺すると別の状態へ移行する飛び道具
ファイター |
ワザ |
対象の判定 |
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横必殺ワザ |
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行きで相殺すると勢いがなくなるが、返りでは相殺モーションなし。 |
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横必殺ワザ |
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相殺した瞬間破裂して炎の柱が出現する。 |
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通常必殺ワザ |
(派生含む) |
相殺した瞬間鉄球の勢いがなくなり、攻撃判定が消失する。 |
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横必殺ワザ |
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相殺した瞬間折り返しに移行し、新たな攻撃判定が出現する。 |
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通常必殺ワザ |
メラゾーマ |
破裂して火球が出現する。 |
相殺しても消滅しない飛び道具
<調査途中>
ファイター |
ワザ |
対象の判定 |
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下必殺ワザ |
星 |
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空中ワイヤー |
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通常必殺ワザ |
炎 |
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下必殺ワザ |
|
|
通常必殺ワザ |
炎 |
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ダッシュ攻撃 横スマッシュ攻撃 |
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通常必殺ワザ |
|
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通常必殺ワザ 下必殺ワザ |
- 投擲 |
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通常必殺ワザ 上必殺ワザ |
トロン - |
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通常必殺ワザ |
最大溜め |
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横必殺ワザ |
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通常必殺ワザ |
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ダッシュ攻撃 |
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通常必殺ワザ 横必殺ワザ3 |
トルネード チャクラム |
コメント
最終更新:2021年06月28日 22:50