テンミリRPG

テンミリRPG

【てんみりあーるぴーじー】

ジャンル RPG
対応機種 Android
配信元 Amazon Services International Inc.
開発元 シフトアップネット
配信日 不明
価格 無料
判定 良作
ポイント よみがえったインターネット黎明期の伝説
公式サイト


概要

シフトアップネット製のブラウザゲーム『テンミリオン』。
基礎がしっかり出来ている手堅い内容や個性的なキャラクターの数々で2000年代前半に小中学生の絶大な支持を誇った名作SRPGである。
『テンミリオン』はあまりの人気から『ポン太の冒険』と並ぶシフトアップネットの顔となったほか、公式掲示板では後のKADOKAWA製有名ブラウザゲーム『艦隊これくしょん』を凌ぐ勢いで、当時の小中学生により数多くの二次創作がなされた*1
そういった熱狂的な人気により続編となるブラウザゲーム、その名も『テンミリRPG』が登場。こちらも『ポン太の冒険2』と同様に当時の小中学生に大きな驚きと喜びをもって迎えられ、テンミリはポン太と同様にシリーズ作品としての道を歩む事となった。
そして月日は流れ、そんな伝説の続編といえる『テンミリRPG』のスマホ移植である本作が登場。

しかし、シフトアップネットと関係の深かったアプリ★ゲット(スパイシーソフト株式会社)*2過去にAndroid2.0スマホにシリーズ第一作『テンミリオン』のひどい劣化移植をしたため、期待した多くのテンミリファンを失望させた。
そのため本作は「またあの悲劇が繰り返されるだろう」と初めから期待などされていなかったが、本作は原作のブラウザゲーム版同様にシフトアップネット内製の開発であったため、意外な出来の良さに驚かれた。


特徴

本作は主人公のブロントを操作して仲間を集め魔王討伐軍を結成しつつ、魔王を倒すすべを求めて様々な世界を冒険するオーソドックスなスタイルのRPGである。
戦闘は好きなメンバーを5人まで参加させることができ、5人のメンバーはメニューから自由に設定できる。


評価点

  • まず第一に、難易度がかなり低い。
    • 本作は難易度を「かんたん」と「ふつう」の二種類から選べるのだが、両者ともに何も考えないで攻撃に徹するだけであっという間にレベルが上がり強くなれる。
      • そのため、本作はラスボスなど難しいところは本当に難しいものの基本的に難易度はおさえ目に作られており、RPGが苦手なアクションゲーマーやRPG初心者でも安心してプレイすることができる。
      • この辺りは小中学生向けに真摯にゲーム開発を続けてきたシフトアップネットの面目躍如といえるだろう。
  • キャラクターが魅力的である。
    • 主人公の討伐軍隊長ブロントに最初の仲間である弓使いブルース、そして最初のミッションを制覇すると仲間になる魔法使いマゼンダなど、戦闘パーティに参加できるキャラクターだけでも10人存在しており、その全てが個性的なものとなっている。
      • 本作をエンディングまでちゃんと遊べば、少なくとも1人はお気に入りのキャラクターを見つけることが出来るだろう。
  • 音響面に関しても牧歌的なフィールドBGMや勇気がみなぎる通常戦闘BGM、そして緊張させられる中ボスBGMなどかなりのバラエティに富んでおり、それでいてどのBGMもクオリティは悪くない。ゲームの邪魔にならない範囲で雰囲気を盛り上げてくれる。
  • グラフィックは前作『テンミリオン』のものをそのまま使用。小中学生の頃に前作を経験したプレイヤーならあまりの懐かしさに興奮することうけあい。
  • 小中学生を主なターゲットとしているシフトアップネットの作品だけあって、シナリオの合間にシュールなギャグも完備。
    • 例えばスタート地点の近くにあるマゼンダのいる宿では、二階のモブキャラに話しかけると「床に直接横になっておやすみください…」とボケをかまされる。
      • ネタバレ防止につきこれ以上は記述しないため、実際にその目で見て確かめて欲しい。
  • そして何より、シフトアップネットが前作『テンミリオン』のAndroid移植を発端とするアプリ★ゲットとのしがらみを断ち、本作を自社開発してちゃんとしたゲームに仕上げ なおかつAmazonがそれを無料で配信したこと。

問題点

  • 前作『テンミリオン』を遊んでいない新規プレイヤーに不親切な部分が多すぎる。
    • スタート地点のすぐ近くにある階段をおりると突然なんの脈絡もなく「先に帝国軍に入ったジルバに負けてられないよ」とブルースが仲間になる。仲間がすぐ増える事自体はいいのだが、その理由は本作では決して語られないため、本作から新たにテンミリシリーズに入るプレイヤーは首をかしげる事となる。不親切。
      • ジルバが仲間になる直前にリンとジルバが小競り合いをしてブロントがその仲裁にはいるというシーンがあるのだが、小競り合いの原因となる山あいの村への襲撃にまつわる詳細も本作では決して語られないため、ここでも登場人物からの置いてけぼり感を喰らう。不親切。
      • また、ルファとミドリのいずれかを仲間にする場合も、一方を仲間にした場合はエンディングを見るまでもう一方を仲間にできないというシステムになっているが、この事に関する理由も語られないため理不尽なシステムに感じられる。不親切で大いに結構。

総評

小中学生だった頃に『テンミリオン』に熱中し、そしていつの間にか学業や部活そして就職や恋愛などに追われテンミリを忘れてしまい、そのまま大人になったかつての少年少女に勧められる一本。
前作『テンミリオン』を遊んでいなかったり覚えていなかったりするとキツイ箇所もあるが、シフトアップネットならではの誰もが遊べて楽しめるRPGである事は間違いないといえよう。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年03月05日 19:21

*1 ただし、これらの二次創作はその大部分が2014年夏のサーバー破損により閲覧不可能となってしまった。

*2 かつてアプリ★ゲットはシフトアップネットのライセンスを正式に取得して『わんきぃポン太』などのガラケー作品を多数リリースしていた。シフトアップネットとアプリ★ゲットの関係を本家Wikiである「ゲームカタログ@Wiki」の読者に向けて例えるならば、アーケードゲーム『究極タイガー』におけるタイトーと東亜プランのような関係、といえば分かりやすいかもしれない。