反抗城塞ダインハイト

ダインハイト公国の首都要塞。
城内には多様な施設が存在している。




公王府

要塞の中央にそびえる堅牢な最終防衛施設。同時に行政の中心でもある。
石造りの城塞で、〈大破局〉に際して崩落したものを再建した。
内部は迷路のように複雑な構造をしており、侵入者による深部への到達は極めて難しい。
地下には食料と水の備蓄のための巨大な倉庫があり、長期籠城戦にも人数次第では耐えられる。
もちろん一般市民が足を踏み入れることはなく、冒険者たちにとっても未知の領域。

貴賓館

公王府の脇に建設されている壮麗な洋館。帝国からの客人をもてなすために利用されている。
旧ダインハイトには存在しなかった建築物で、建築年代は〈大破局〉以降。
それゆえ建築技術面でやや劣るところがあり、外見に反して内装には贅が尽くせなかったとも言われる。

歴史資料院

公王府の西部にあった図書館を修繕した施設。
〈大破局〉以前の書物は蛮族によって焼き払われてしまったが、一部が隠し通路の先の地下で保存されていた。
保存状態が悪かったために劣化もひどかったそれらの資料を日夜補修し、解読して新しい紙に書き写している。

天体観測所

ダインハイト要塞内で最も高い建造物。
公王府の見張り台の役割も果たしており、兵士が交代で立っている姿を市街地からも見ることができる。
夜間に天体観測を行うことで占星術を行っており、クラウ・ソラスの伝説に照らして吉凶を占っている。



公国騎士団

人口5000のうち800人近くを占める巨大な武装組織。
48年前に公国の成立と同時に設立された。前身はレシトリア帝国騎士団第二分隊。
魔動機機動戦闘を得意とする帝国第一分隊と異なり、公国騎士団は軽装騎兵団を中心とした斬り込み部隊だった。

それゆえ現在でも第一分隊の軍馬による隊列を組んでの突撃戦法を戦術の要においている。
しかし他の分隊は歩兵や弓兵を軸にした戦術を積極的に取り入れている。
これは来る山岳戦に備えたもので、城塞防衛の上でも重要な役割を担っている。

現在の各分隊長は以下のとおり。
第一分隊長:ノイル・フォン・ダインハイト
第二分隊長:クリスティン・ヴェルチ(三月事件により前任者と交代)
第三分隊長:ウォルフ・ハイネン
第四分隊長:リーデル・ポートマン

訓練所

常に鍛錬を怠らないように訓練所で兵士たちは修練を積んでいる。
訓練所は外壁近くに建設されており、兵士たちはそのまま外壁を抜け、田園地帯を抜けて壁外演習に臨む。
その経路は騎士団通りと呼ばれていて、兵士の度重なる行軍に耐えられるように、とびきり丈夫な石畳が敷かれている。
なお騎兵隊の軍馬は訓練所とライダーギルドで分担して飼育されている。

魔動機部隊格納庫

訓練場と城壁を結ぶように設置されており、大型兵器としてはドゥームが5機、クィンドゥームが2機収容されている。
魔動機術師6人が交代で整備に当たっており、銃砲類の一部もここに保管されている。

ダインハイト要塞設備

星型要塞であるダインハイト城では、東城壁を中心に数機の大砲が設置されている。
これに加えてドゥームタイプ7機による弾幕線で敵の接近を退けることができる。
弾丸や砲弾は魔動機部隊格納庫・騎士団本部のほかに星型要塞凸部に保管されており、要塞各所から自在に城壁上に運搬が可能だ。

剣の神殿と公王府の付近には内壁・内堀が設置されている。
内堀に水を引くための用水路は複雑に分岐・蛇行させられており、要塞内の敵の侵攻を妨げるために暗渠と砲撃櫓が各所に設置されている。
最終防衛線として左右に抜け道のない長い直線の掘り下げ道路が設置されており、北端の堰を破壊すれば水流で侵入した敵を一掃することができる。


冒険者関連施設

冒険者の宿〈クラウ・ソラス〉

魔剣探しに駆け回った冒険者ロルフ・ゴリッツが引退後に経営を開始した店。
今でも魔剣クラウ・ソラス関連の情報を積極的に集めている。
ロルフはどちらかといえばならず者上がりで、宿場町プロッソあたりを根城にしていた。
ロルフ・ゴリッツ

現在最有力の冒険者はカミラ・ペテルカで、銃と剣を同時に使った独特な戦闘スタイルと美貌でアイドル的な人気もある。
正義感が強く世話焼きでもあり、いい加減なロルフの裏で若手冒険者たちの活動を積極的に支援している。
カミラ・ペテルカ

マギテック協会ダインハイト支部

ダインハイト公国のマギテック協会はレシトリア帝国マギテック協会の支部という体裁をとっている。
実際、発掘された魔動機の解析結果はレシトリア帝国のマギテック協会に送られ、魔動機の研究開発に利用されている。
とりわけ、浮遊能力を持つ魔動機の情報・実物の発見には高額の褒賞が与えられる。

ライダーギルド

公国騎士団と提携したライダーギルド。騎兵団の軍馬の一部を冒険者に貸し出しながら、その収益で飼育を行っている。
軍馬を中心に多数を取り揃えているが、慢性的な魔動機不足から、一部の魔動機の貸し出しを行うことができない。
特殊ルール

ヨーゼフ武器防具店

帝国商会の独占状態に一石を投じた私営の武具店。
取り揃えている武具の数は少ないが、冒険者たちが適正レートで買い物ができる点で重宝されている。
しかし帝国商会に目をつけられていることもあり、事業拡大の望みは薄い。

ミュリン薬剤店

開拓当時から続く伝統の薬剤店…と謳っているが、実際は暖簾分けされただけ。
そもそもミュリンはタビット族の流れ者家系で、〈大破局〉に前後してこの土地にやってきた一族の出。
看板の信頼性はともかく腕は超一流で、ダインハイト公国の冒険者はもちろん騎士団もこの店には世話になっている。
大量生産が必要になったことで、調合に魔動機を利用している画期的な薬剤店でもある。

剣の神殿

〈守りの剣〉2本が安置された神殿。
毎週水曜日と日曜日に、それまでの間に奉納された〈剣のかけら〉を儀式に供している。
それゆえこの2日の間は〈守りの剣〉の効力が弱くなっている。
もっとも、二重の外堀を超えてくる蛮族などいないのだが。

交易促進会議所ダインハイト西支所

商会事変以降、交易促進会議所の事実上の中枢設備。
帝国に設置されている本部はほとんど形骸とかしてしまっている。
広いラウンジスペースは商人たちの情報交換と飲食に利用されており、複数用意された個室は商談のために自由に利用することができる。
大型の倉庫と厩が併設されており、それぞれの商人が仕入れてきた商品を買い上げてダインハイトの店舗持ちの商人に卸している。

密売組織ケイラム

南西の凸部、商業地区の奥に彼らの拠点がある。帝国との公的な商売が困難になった今、密売組織は次第に勢力を増している。
行商人から密売商人に身を落とすものも多いが、その儲けは数段上がるらしい。
要塞内に張り巡らされた水路を利用して商品を運搬し、騎士団の一部と結んで帝国に商品を運搬。
帝国でも発達させた組織が販路を確保して大きな利益を得ている。
この組織と関わって商売をすることはもちろん、不正に購入することも有罪であるため、利用には注意が必要。

ミゼット薬草卸し

ミュリン薬剤店をはじめ、ダインハイトの薬師たちに薬草の大量販売を行っている最大手の薬草卸し。
箱単位での購入を前提としているために、個人の冒険者が利用する機会はないだろう。


騎士団用地問題

要塞建設時、南方開拓のための遠征が相次いだ騎士団は、ダインハイト要塞南東部に拠点を設けた。
当時の戦況に対応した配置として有効だったのだが、現在この配置は実用性に欠けるものとして軍事関係者から警句が発されている。
プロッソ蛮族侵入事件以降、北東部の警戒が重要性を増した。
また、河川からの侵入も考えられるため、要塞北東部に騎士団拠点を移すことが望まれている。
しかし騎士団拠点の大規模な移設には巨額の費用が必要となる。
蛮族の攻撃が散発的になっているいま、それだけの費用を投じる必要性が認められていないほか、
公王府北に住まう有力者たちが立ち退きに反対しており、移設は実現していない。


最終更新:2016年07月14日 11:09