帝都レシトリア

レシトリア帝国の首都。城壁を持たない他に類を見ない開放的な都市。



ラカハンディア宮殿

フィネア侯爵によって建設された宮殿。歴代侯爵の執政の場となった。
一時蛮族によって占領された際に大部分が破壊されたが、解放後時間をかけて再建された。
一部の土地は帝国商会やマギテック協会の本部設置のために分譲され、全面的な再建は見送られている。

皇帝の間

謁見室は非常に大きな大理石造りの空間になっている。
皇帝の椅子の背後には巨大な石の壁面彫刻があり、開拓神話を題材にした壮麗な美術は皇帝の権威を際立たせている。
壁画はクラウ・ソラスを掲げたフィネア候に蛮族たちが恐れをなしている場面である。
まさに開拓神話のハイライトであり、この壁画は美術的な価値も高い。
この空間の壮麗さからも、歴代侯爵の権威がどれほど強大なものだったのかをうかがい知ることができる。

建国神話の大壁画

宮殿内の各所には、首都開放戦後に復元された建国神話の壁画が並べられている。
通路を順に通って行くと、それらがすべてピオニエ・デ・フィネア(フィネア開拓記)を題材としていることがわかる。
皇帝の間に掲げられた大彫刻もその一環で、謁見に向かう人々は国の歴史の中に皇帝の姿を見ることになる。

剣の神殿

帝都レシトリアの特徴として、剣の神殿が宮殿内に設けられている点を挙げることができる。
このため、冒険者たちは〈剣のかけら〉を宮殿に納めることになる。
形式上すべての〈剣のかけら〉は一旦皇帝に献上され、皇帝が国家の代表者として奉納の儀式を執り行う。
現在剣の神殿には4本の守りの剣が奉納されており、城壁のないこの街から蛮族を遠ざけている。

大庭園

宮殿の正門の内側に広がった庭園。中央に噴水があり、石畳の道が十字に走っている。
四方はかつては手入れされた緑地庭園だったが、〈大破局〉以降土地が汚染された影響で、現在は整地されてタイルが敷かれている。
戴冠式ほかいくつかの式典で利用されることもあり、騎士団が整列した光景は壮観だ。

邸宅

皇帝の邸宅は宮殿内部にある。皇帝はもちろん皇后や世話人が宿泊している。
レシトリアでは皇帝が妃をとることがないうえ、場合によっては皇后すらいない場合もあり、そう広い施設ではない。


帝国議会議事堂

宮殿正門から北東に歩いて5分の位置にある議事堂。
70年前に民主革命以来の悲願であった議事堂が完成し、これまでの宮殿内臨時会議所から議会が移動した。
現在立憲君主制を採用しているレシトリア帝国は上下院の二院制で運営されており、両院がこの議事堂で討議している。
建築様式はあえて宮殿と同年代の魔動機文明様式を採用したが、技術的に再現できなかった点も多く、専門家が見れば気になる点も多い。
しかしレシトリア市民にとって議事堂の完成はきたる再民主化、つまり対蛮族戦争の終結のシンボルとして親しまれている。


帝国商会本部

旧ラカハンディア宮殿領内に建設された現代風建築の建物。
商会本部機能が優先されており、1階部分は荷馬車が乗り入れる大きな倉庫になっている。
直営の営業店が数店舗営業しているが、そこで買い物をするのは帝国政府関係者に限られている。
というのも、価格が明らかに割高だからである。武具の類で2〜3割価格が高く、魔動機では本来の1.5倍の値がついている。
金属鎧に及んではほぼ倍の価格で取引されており、冒険者を含めそれを購入する市民はまずいない。
これは金属不足・魔動機不足による影響も大きいが、それ以上に武装市民の登場を嫌う帝国の政策ではないかと言われている。
そのため帝国には金属鎧をまとった冒険者が極端に少なく、軽戦士や拳闘士、魔法使いが主流である。

帝国商会武器銃砲取扱店

品質は最上級だが、それに見合わない高額な値段で提供される普通の品々。大ボッタクリ商会との誹りも受けないでもない帝国商会の店。
帝都レシトリアではこの店以外で武器防具類の販売が禁止されているため、冒険者たちは渋々ここで購入している。
強いて言えばアフターサービスが充実している点では高い金を払う利点があるかもしれない。
鎧の修繕やガンのメンテナンス、欠けてしまった剣の修理など、購入者には無償でサービスが提供されている。


帝国マギテック協会本部

フィネア地方最大の魔動機研究機関。
昨年魔動エンジンの独自生産を実現したことで、フィネア地方に動力革命を引き起こすと期待された。
しかし現実には物資が不足し、魔道エンジンはいまだに3機しか生産されていない。
続いて飛行ユニットの開発に着手しているが、難航が予想され、帝国騎兵団のスカイバイク騎士団が復活する日はなお遠い。
これらの開発計画からも明らかだが、基本的に皇帝の直轄機関であり、独自の研究を行っているわけではない。
この点は他の地域のマギテック協会と明らかに異なっており、所属している研究員も魔動機学校上がりのエリートが多い。


信仰通り(フェイス・ストリート)

ライフォス神殿

これも蛮族によって破壊されたものを再建した。
ライフォス信仰はこの地域でも最も伝統的な信仰にあたり、神殿も荘厳な魔法文明時代の様式を模している。

ティダン教会

その信仰通り太陽光をふんだんに取り入れた特殊な建設様式の教会。
天窓や左右のガラス窓から差し込む陽光は、この空間を一層神聖なものとして際立たせている。

フェトル霊廟

この地域でライフォスの次に信仰されているのが慈雨神フェトルだ。
〈大破局〉を生き延びた人々の間でその教義が見直され、市民レベルで信仰を集めることになった。
苦難をも神の恵みとし、人々に自制と克服を課す教義は、帝国政府側も歓迎しており、次第に騎士団内にも広がりつつある。

隠れた信仰

情報非公開



歴史遺物

開祖フィネア侯爵墓陵

レシトリアを開拓したフィネア侯爵の墓。町外れの丘丸ごと一つがそれなのではないかと考えられている。
現在帝国が調査団を結成してこの丘の調査を開始している。

クラウ・ソラス斬開の道

ラカハンディア宮殿正門から真東に続く大通り。レシトリア解放戦の際に、クラウ・ソラスが現れ切り開いた道と言われている。
大通りの中央にそのことを記した記念碑が置かれている。

カオルルウプテの泉跡

帝都奪還後、周囲の土地は不毛の赤土に変わり果ててしまったが、都市内部の一角に睡蓮の花が咲いている泉が残っていた。
睡蓮は蛮族の神カオルルウプテの象徴であり、怠惰の象徴でもあった。帝国はこの奇妙な泉を赤土で埋め立て、睡蓮も伐採した。
その土地は現在宿場として利用されているが、それはそれはよく眠れるのだとか。

いかずち公園

慈雨神フェトルの信仰が広まったことで、その神の存在を示す地理的な聖地を求めた信者が見出した空き地。
信者の話によれば、蛮族との戦いにおいて慈雨神フェトルが雷を落として蛮族の一個小隊を打ち払ったという。
しかし特にそれらしい文書記録は見つかっていない。


冒険者関連施設

冒険者の宿〈地を裂く翡翠の斧〉

帝都レシトリア2大冒険者派遣所のひとつ。通称は〈みどり屋〉。
周辺の遺跡をあらかた調査し終わったために、冒険者としての以来の大半が商人の警護になりつつある。
ときおり遠隔地の遺跡に冒険者を派遣しており、有力な冒険者は南方の湾と東部のユークライント密林へ派遣されている。

冒険者の宿〈水龍の顎〉

帝都レシトリア2大冒険者派遣所のひとつ。通称は〈あお屋〉。
名前にたがわず大船を所有しており、南部の内海と西部の海洋探索に乗り出している。
海を越えた先で思わぬ人族文明と接触することがある。
近年、南方のザルツ、リーンシェンク地方に人類文明が残存しているらしきことがわかってきた。
しかし未だ遠洋航海は困難を極めるため、文化圏同士の交流は実現していない。

旅宿場睡蓮亭

カオルルウプテの泉跡に建てられた宿屋。荒れ狂う蛮族すら眠りにつく宿を謳っており、実際異常なほどよく眠れる。


最終更新:2016年05月27日 11:38