トラボ三銃士

 ヲチモノの記事に腹を抱えて笑ったので呼び方を追従。ついでに比較検証。
 ただしエレコムはXT1ではなく、EX-Gシリーズ最新版XT-3を投入。
 ロジクールで使用したのは型番M570だが、中身はM570tと一緒なのでご勘弁を。
トラボ三銃士 名称 発売日 価格 ケーブル 操作 ボール径 ボタン数
M570 2010/10/15 4,980円(税込) 無線 親指 34mm 5
MA-WTB43BK 2014/12/12 6,800円(税抜)
7,344円(税込)
無線 親指 34mm 5
M-XT3DRBK 2015年10月中旬 9,400円(税抜)
10,152円(税込)
無線 親指 34mm 6

レビュー環境

  • OS:Windows10 Pro (64bit版)
ポインタ速度は中央位置に、垂直スクロールの速度は左隅(遅い)に。
「スクロールの加速を有効にする」のチェックは外した状態に。
その他、OSの設定は弄らいない方向で。
  • 常駐ソフト:
SetPoint
6.67.83
Mouse Assistant5
mouse_driver_50300.exe
X-Mouse Button Control
V2.12.1
Wheel Ball
Ver2.00
SetPointとマウスアシスタントは原則、デフォルト値で。(XT3薬指ボタンに「ジェスチャー機能」を設定するのみ)
ボタンの設定はX-Mouse Button Controlで行う。(左右チルトをHOME/ENDキーに。中クリックをBackSpaceキーに、進む/戻るボタンをCTR+W,ALT+F4に)
垂直スクロールの制御はWheel Ballで行う。(スイッチは右クリック、ホイール固定操作は行わない)

比較検証(らしきもの)

  • 操球感、ボールの追従性
 特筆すべき差異はなし。意気込んでページを作成したものの、早くも心が折れそうだ。
 3デバイスの操球感に違いがあると言えば確かにあるが。
 作業に影響する程の目立った良さ/悪さがあるという訳でもない。
 強いて言えば、M570にかすかな引っ掛かり、M-XT3DRBKに若干のスレを感じる程度。
 ただし当該モデルの特徴ではなく、当たり外れの個体差である可能性が高い。
  • ボールの交換
青玉 赤玉 黒玉
Logicool M570 滑らかに動く? ボール操作不可
MA-WTB43BK 動く 動く
M-XT3DRBK 動く 動く
34mmボールを交換した結果は上記の通り。
特筆すべきはM570の黒玉にセットした結果「操作不可」
ボールの模様とデバイス本体のセンサーに相性があるようだ。
  • スクロールホイール
 スクロールの操作はWheel Ballで制御。ホイールを使用する事はほとんどないが。
 以前に使用していた時の印象は下記の通り。
 ・MA-WTB43BK:意外にもしっかりした造り。M570よりも輪郭がクッキリしている印象。
 ・M-XT3DRBK:M570と比較すると、ちょっと疲れる。薬指ボタン使用を前提とした握り方の影響かもしれない。
  • 左右チルトボタン
 ・M570:存在せず。
 ・MA-WTB43BK:ハードウェアに実装されているがデフォルト値で機能なし。X-Mouse Button Controlで使用可能となる。
 ・M-XT3DRBK:有。デフォルト値で左右スクロール。マウスアシスタント5で機能の変更可能。
  • 中ボタン(ホイールボタン)
 ・M570:やや硬め。
 ・MA-WTB43BK:中ボタンのクリックが高確率でチルト右と誤認識されがち。
 ・M-XT3DRBK:特に支障なく使用可能。
  • 進む/戻るボタン
 ・M570:ポコポコ系のタクトスイッチ。
 ・MA-WTB43BK:隣にカウント数変更ボタン。3ボタン真ん中のがちょっと押しにくいかも。
 ・M-XT3DRBK:特に支障なく使用可能。
  • 握り心地
 ・M570:特筆点なし
 ・MA-WTB43BK:薬指、小指を置く場所が明確。手に馴染みやすい。
 ・M-XT3DRBK:薬指ボタンを起点に握り方が決まる。手に馴染みやすい。

評価

1.X-Mouse Button Control未導入時
 ・M570:★★☆
 ・MA-WTB43BK:★★
 ・M-XT3DRBK:★★★★☆
2.X-Mouse Button Control導入時
 ・M570:★★★
 ・MA-WTB43BK:★★★☆
 ・M-XT3DRBK:★★★★☆
 評価の基準は機能数によるもの。
 当方環境ではボール操作、ホイール操作、ボタン配置に違いを見いだせなかったため。

 X-Mouse Button Controlの導入によって、M570とMA-WTB43BKは違った顔を見せる。
 M570はSetPointの仕様により、WindowsキーやPrintScreenキーなどが設定できないのだ。
 MA-WTB43BKは初期状態だとボタンの機能変更ができず、左右チルトも機能しないため評価低め。

 X-Mouse Button Controlの導入によって、M570もWindowsキー等の設定も可能となる。
 MA-WTB43BKは左右チルトも生きるため「大化け」すると言える。

 M-XT3DRBKの評価が高めなのは「薬指ボタン」があるため。
 ここにジェスチャー機能を割り当てると、可能性が無限に広がるのだ。
 ジェスチャー機能はトラックボールと相性が良い。

コストパフォーマンス

2016年04月21日のAmazon直販価格を叩き台として
 ・M570t:¥ 4,190 (★★)
 ・MA-WTB43BK:¥2,972 (★★★☆)
 ・M-XT3DRBK: ¥ 3,980(★★★)

 M570は機能数が少ない割に値段高め。
 ロジクールの型番商売でM570tとして値上げされているため、既存ユーザーからの評判は悪い。
 MA-WTB43BKは、ユーザー次第。
 ネットの評判は悪いが、各種設定による調整やX-Mouse Button Controlの導入でその容姿が変貌する。
 トラボ界のダークホースと言った所か。
 M-XT3DRBKは、多機能好みなら買い。
 ジェスチャー機能を使うならお買い得と言える。多機能を必要としないならやや割高かも。

総評として

 M570に対して辛口の結果となったが、当然の結果とも言える。これはM570を貶める意図で言うのではない。
 M570はTrackMan Wheelの系譜を汲むモデルとして、トラックボール定番中の大定番である。
 2010年に発売されて以来、トラックボール界の一強時代を築き上げてきた。
 素晴らしいモデルであることに間違いはない。
 これの対抗馬として登場するのが、後発組MA-WTB43BKとM-XT3DRBKなのである。
 これら後発組の開発者は、M570を研究し尽くしているし模倣できる物はしっかり模倣している。
 M570に付加価値を与え、M570に取って代わる物としてリリースされているはずなのだ。
 仕様通りであるならば、M570より高い評価となるのは当然の結果なのである。

 ただし。仕様通りならば、ね。
 新製品リリース時に品質が安定しないのはご愛嬌。
 ネットでの評価は、後発組MA-WTB43BKやM-XT3DRBKはM570に遠く及ばない。
 その理由の8割はボールの追従性やボタンの不具合など初期不良によるもので、品質の不安定さ。
 1割がユーザーの慣れの問題で、残りは好みの問題と言った所か。
 品質が安定すれば、今後の状況は変わってくるかもしれない。

追記

m570tとM-XT1DRBKの比較記事。
握り心地やボタンの使用感についての記述が素晴らしい。
本ページ作成後にこの記事を発見したのだった。
こちらをパクっ……換骨奪胎しておけば良かった (;´д`)トホホ…

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最終更新:2016年05月07日 13:55