ゴールド・フォレストの作成


工程 1 計画を立てる

まず、どのような種類の完成画像を目指しているのかを最初に見当を付けておく必要があります。それは完成への非常に根本的な工程であると思うので、すべての詳細までもを念頭に置く必要はありませんが、複雑さの面で適切な見立ての上で的を絞り事が、より容易に進捗を進める事が出来ます。このシーンでの目標は簡単です。森林が欲しい、霧が欲しい、そして力強くダイナミックな光を求めています。

工程 2 どのように見せるか

工程 1で目的を定義したので、カメラの視野と画像の向きを決める必要があります。16:10のアスペクト比を好んで使うため、『Render』ノードの設定でアスペクト比を1.6に固定します。
シーンは森の風景なので、画像の中心に向かって収束するような視点は望んでいないので、レンダーカメラノードの水平視野を50に変更しました。画像全体が木に対して垂直になります。

工程 3 地形の設計

次の工程では、既定の平坦な地形があまり面白くないので、谷間に森林があるような地形を作り出す事です。今回は1つの『Fractal terrain 01』ノードを使ってフラクタル地形を追加します。
最初のレンダリング時間節約の秘訣はここにあります。観賞者に地表を見てもらう計画は、このシーンにおいて全く予定していないため、地面のディティールに関してほとんど問題にしていません。必要なのは、木々が平らな面に配置されないように若干の丘を造る事でした。作成されたデフォルトのフラクタル地形から、私は2つのパラメータを変更します。"Feature scale"を5000から2000に下げ、"Displacement amplitude"を2000から150に変更します。

工程 4 カメラの配置

作成した地形から、3Dビューを頼りに画像に適したスポットを見付けるためにカメラを動かします。カメラの移動はキーボードを使う方法と、ナビゲーションコントロールを使う2種類の方法があります。適したスポットを見付け、3Dビューの座標をカメラにセットします。
そしてカメラを地上約5メートルの位置に設定します。地上から5メートルの位置を取得する方法は、3Dプレビュー下のカメラの位置座標を参照して行います。
5メートルの位置を確認する方法として:
3Dプレビュー上で右クリックしてコンテキストメニューを表示し、3Dプレビューの中心に持ってくるオブジェクトに『Render Camera_1』を選択する事で、カメラ位置を中心に3Dプレビューが表示され、カメラオブジェクト(実体はレンダリングで描画しません)が表示されます。
さらに3Dプレビュー上で右クリックしてコンテキストメニューを表示し、操作するオブジェクトに『Render Camera_1』を選択する事でカメラオブジェクトにハンドルが表示されます。
ハンドル操作の一番右のアイコンをクリックすると、カメラを地表に着地させる事が出来ます。オレンジ色の×(バツ)印の位置に着地し、『Camera』ノードの"Position"パラメータのY座標の値にプラス5を入力する事で正確な位置を設定する事が出来ます。ただし、作成する地形の形状によって必ずしも5メートルとは限りません。カメラのビューはこのような手順で調整します。シーンの最終画像時に改めて微調整を行う予定です。

工程 5 サーフェス

今回のシーンでは、この作業工程が最も良好で、作業に時間を取られる事はないでしょう。シーン上の視界前面を植物で覆う計画を立てているので、地表のサーフェスは、デフォルトの『Base colours』ノードの有能な機能に任せておきます。
ノード・ネットワークビュー、または【Shaders】から『Base colours』ノードをクリックし、「Colour」タブの"Apple high colour"のカラーボタンをクリックし、カラーピッカーで地表の色を設定します。(上記の「カメラの配置」の3Dプレビュー画面の地表は、この工程で着色された状態です。)

工程 6 植物-1

今回は、背の高い樹木から始めます。Xfrogシリーズの XfrogPlants Norway Spruce(ドイツトウヒ) を使用します。今回のシーンでは、密集する森をすっきりと見せるために木の枝が高所から伸びている種類を選別しました。
ここでは、成木、幼木、若木の3種類の中から1つ(成木)を読み込み、"Area center"と"Area length a/b"を調整しました。シーンの強力なライティングの計画では、遠くまで見える必要がなく画像に深みを持たせる事を望んでいないので、サイズを200 x 200に設定します。これによってポピュレーションは非常に速く計算され、インスタンスはあまり多くないのでメモリ使用率もかなり効率的です。このシーンでは、木々が密接している事を望んでいますが、十分な隙間があれば多くの光が通り抜ける事が出来るので、間隔を2~4メートルに変更します。
ポピュレーションを可能な限り効率的な位置に移動させるためにトップビューに切り替えて確認します。トップビューに切り替えるとシーンを真上から見る事が出来るので、カメラの位置やポピュレータのエリアの範囲の位置を確認する事が出来ます。(カメラの位置が表示されていない場合は、ズームやスクロールでカメラを探します。上記画像の場合、視錐台がカメラ、四角の線で囲われたエリアがポピュレーション範囲です。)
デフォルトの分布では、ポピュレーションの木々を規則正しいパターンでエリア内全体を互いに2メートル間隔で覆うようにポピュレーションを行います。これは望むシーンではないので分布システムを作る必要があります。ここで『Surface layer 01』を作成し名前を付けます。
次に、作成したサーフェスレイヤーをポピュレータの"Use density shader"として関連付けます。
サーフェスレイヤーのデフォルトは"Coverage"が0.5、これはエリア内インスタンスの分布量が半分を意味します。"Fractal breakup"は1、これは『Fractal breakup 01』のフラクタル演算に基づいて分割量を設定します。数値が大きいほど分割の量が増えます。
『Fractal breakup 01』ノードでは、"Feature scale"を10に、"Smallest scale"を5に調整しました。「Colour」タブの"Colour contrast"を0.75に、"Colour offset"を-0.25に、"Noise stretch XYZ"のX方向を5に変更します。「Tweak Noise」タブは、"Noise flavour"を"Ridged perlin"に変更します。
さらに、このままだとカメラがポピュレーションに近づき過ぎているため、ポピュレータのサーフェスレイヤーに『distance shader』を追加します。
ポピュレータをカメラから数メートル離れたところに保持したかったので、"Near distance"を4に、"Far distance"を8に設定し、"Camera"を『Render Camera』に設定します。これは、カメラから0~4メートルのエリアに木が全く存在しない事と、4~8メートルのエリアから木が次第胃に減少し、8メートル以上のエリアは木がびっしり覆われる効果を与えます。
次に、現在の配置で木がどのように見えるかを確認するために、数回ポピュレーションをテストします。状況に応じてインスタンス編集でカメラの視界に入る木を2~3本をぐっと成長させたり、間引いたりする事で構図のバランスを取ります。インスタンスの編集には3Dプレビューを"Top view"に切り替えて編集するインスタンスの位置などを確認しながらすると効率的です。

さらに、ポピュレーションの木とカメラの視界等の確認が上手く出来た後に、別種の木(幼木)のポピュレータを追加し、既存のポピュレータと同様に密度シェーダを関連付けます。ポピュレーションでインスタンスを作成すると、3Dプレビュー上で折り重なって把握しにくくなるため、編集中以外のオブジェクトは有効/無効を切り替えながら行います。

工程 7 照明

目標は、日の出の様に木々の間を通り抜ける劇的で力強い照明を作り出す事だったので、太陽の位置をカメラの正面に配置し、高度が5度を少し上回るように変更します。太陽の方角と高度は、3Dプレビュー上に白い"×"印で表示されるので、方角を磁石で合わせ、高度は"Elevation"のパラメータを見ながら調整します。
ここまでで一度テストレンダリングを行うと、樹木の密度が高いためにシーンが非常に暗い状態になりました。
たくさんの木々で光が遮られて暗くなるのを防ぐためには、木々の間に霧を発生させて光の拡散を利用する事です(他にも『Light source』を使って各所を照らす方法もありますがより自然に見える方法を今回は使用します)。『Cloud layer v2』を作成します。
雲層の高度を350に減らし(生成した地形の高度によって調整が必要です)、雲の縁の鮮明度と密度を0.1に変更します。
雲(霧として使用)をとても小さな塊で生成されるように望んでいるので、"Feature scale"と"Lead-in scale"を1、"Smallest scale"を0.1に調整してテクスチャをかなり粗くします。望んだ以上に広範囲を覆うので、"Coverage adjust"も0.1に調整します。
しかし、これだけの設定では"力強くダイナミックな光"とは言えないため、『Camera』ノードの"Light exposure(露光)"を3に増やします。

工程 8 植物-2

ようやく光が望む形になったので、霧の層から何かが見えるように、草オブジェクト( archmodels vol.124 花草のNo.39を使用 )のポピュレータを追加して地面を覆います。草も樹木と同じ200×200のエリアを使用し、各草のオブジェクト間隔を0.5に設定します。草は至る所に生やしたいので密度シェーダは使用しません。ほとんど陰で存在感はありませんが、地表の地を出さないひと手間です。日中の太陽だと下記のシーンの様になります。

工程 9 レンダリング

シーンの設計が完成したので、レンダリング設定を調整します。
  • 『Cloud layer v2』の"Quality"を2。
  • 『Planet atmosphere』の"Number of samples"を64。
  • レンダーサイズを1600 x 1000に変更。
  • 『Render』の"Micropoly detail"を0.9。
  • "Anti-aliasing"を7。
  • 『Render GI settings』の"GI cache detail"を2。
  • "GI Sample Quality"を4。
  • "Supersample Prepass"にチェックを入れます。
レンダリングの完成した画像は.exr形式で保存します。

工程 10 後処理(Photoshopによるレタッチ加工)

Photoshopで保存した画像を開きます。

最初の調整は、画像のハイライト部分を加工するために、RGBチャンネルをCtrlキーを押しながらクリックします。これにより、画像内のすべてのハイライト部分が選択されます。
背景をコピーして"カーブ調整レイヤー"と名前を付け、以下のようにトーンカーブを調整します。
次の調整は影の部分です。上記で調整した"カーブ調整レイヤー"のRGBチャンネルをクリックして、次に選択範囲を反転します。上記トーンカーブと同じ曲線で影の部分を調整します。
オリジナル ハイライト部分の調整 ハイライト部分と影の部分の調整
最後に、背景をコピーし、レイヤーの一番上に移動させ、"ソフトライト"に設定します。そして「画像を統合」させて完成です。

ポピュレーションで作成されたインスタンスの編集でレイアウトが上手く出来ると素晴らしいシーンを作成する事が出来ます。今後のシーン作りの基礎として身に着けて頂ければ幸いです。

Ryan Archer氏に感謝をこめて


工程 被写界深度の追加

『Camera』ノードの「Blur」タブと、『Render』ノードの"Depth of field"にチェックを入れる事で、シーンに被写界深度の効果を追加する事が出来ます。
3Dプレビューの「Depth of field」アイコンを切り替える事で、ピントを合わせる焦点距離を設定します。
オリジナルのチュートリアルが作成された当時は、Terragenに被写界深度の機能がなくレタッチ加工でぼかし効果を追加していましたが、現在は、Terragenの作業内で行えるため、より正確な焦点効果が得られます。