デフォルトシーンの説明

初めてTerragenを開くと同時に、シンプルな山とカメラ付近が平坦な地形のシーンが見れます。これがデフォルトシーンです。Terragenで作業するための出発点を提供し、Terragenのシーンの基本的な見本を示す事を目的としています。 シンプルなシーンですが、すぐに直観で理解出来ないかもしれない構成において使われた、いくつかのテクニックがあります。以下では、このシーンがどのように設定されているかを簡単に説明します。
以下の説明を読んで、見ているシーンの役割に対応するレイアウトに切り替えると便利です。切り替えには、インターフェースの上部にあるトップツールバーのボタンをクリックします。【Objects】、【Terrain】、【Shaders】などです。これらは、編集しているシーンの役割に固有のノードとコントロールを表示するカスタマイズされたノードリスト及びパラメータパネルです。

カメラ

デフォルトシーンのカメラは、地形の平坦なエリアに配置されています(次の「地形」で説明します)。地面から10メートル垂直上にあり、山に直面し、Z軸に沿った座標原点から-30メートルに位置します(下画像はカメラ本体が分かるようにビューを少しズームアウトしています)。
ビューポイントを"Top View"に切り替えると、すべてがグレーで表示されているように見えますが、これは単にカメラ周辺の地形が平坦になっているためです。 カメラを上昇させるか、"Top View"の開始点からズームアウトすると、周囲の地形が表示されます(カメラの動きの詳細については、ナビゲーションパネルCustomise Input Bindings Window(カスタム入力バインディングウインドウ)を参照してください)。
『Camera』ノードは、Terragenの『Render』ノードに正しく接続されている必要があります。ただし、カメラビューを通してシーンの構図を確認する事の出来る独立した『Camera』ノードを追加する事が出来ます。これは複数の角度からシーンを確認する作業として役立ちますが、『Render』ノードに接続されていない場合はその『Camera』ノードのビューをレンダリングする事は出来ません。

地形

地形の設定は、デフォルトシーンの最も複雑なパートです。それを明確に理解するために、ノードネットワークウィンドウで追って確認するのが最善ですが、ノードリストビューを使っても確認する事は出来ます。

デフォルトシーンでTerragenを初めて起動する時は、トップツールバーの【Terrain】レイアウトが予め設定されています。右側のノードネットワークウィンドウには、シェーディング(ノード)ネットワークの概観が表示されています。シェーディングデータはネットワークの上から下に流れます(計算処理は逆の順序で行われますが、詳細については別のページで説明します)。プライマリ地形(ノードリストビューの先頭)とシェーダ※1のネットワークデータは、各シェーダノードの「Main input」を通って流れ、各連続するノード(ネットワークのさらに下方)は、その上流の前のノードの入力を構築または作動します。

【Terrain】グループを拡大すると(ノードネットワークのコントロールはカメラのコントロールに似ています)、【Terrain】グループ内に4つのノードが表示されます。『Fractal terrain 01』の"Mask Shader input"に『Simple shape shader 01』が接続され、『Fractal warp shader 01』の"Main input"に『Fractal terrain 01』が接続、『Compute Terrain』の"Main input"に『Fractal warp shader 01』が接続されています。
ノードリストビューを使用している場合、『Fractal terrain 01』とその下に『Fractal warp shader 01』が表示されています。『Fractal terrain 01』ノード名の頭に"+"があり、クリックすると「子」ノードまたは付随するノードが表示されます。この場合、『Simple shape shader 01』が表示されます。これにより、ノードネットワーク内の接続がノードリスト内でどのように表現されているかを理解し始める事が出来ます。

『Fractal terrain 01』ノードは、基本的な地形を作成しています。ノードタイプは『Power Fractal Shader v3』です。これは、Terragenの幅広い用途に使用される適応性のあるフラクタルノイズジェネレータです。この場合、山、谷などを作成するために複数のスケールでディスプレースメントを作成しています。前述のように、マスクシェーダの入力として『Simple shape shader 01』があり、これは『Fractal terrain 01』ノードの入力シェーダとして、定義されたエリアに作用を限定する事が出来ます。『Fractal terrain 01』の出力は、次のいくつかのシェーダに入り、最終的に『Planet』ノードの"Surface shader"の入力端子に接続されるため、ディスプレースメントはその接続を介して惑星の表面に適用されます。

『Simple Shape Shader』は、円、長方形、多角形などのさまざまな基本形状を表すカラー/ディスプレースメントデータを出力します。ノードリストでノードをクリックするか、ノードネットワークウィンドウでダブルクリックすると、ノードの設定パネルを表示する事が出来ます。この場合、各要素(楕円ではなく完全な円)で10,000メートル(10km)の円/楕円を出力するように設定されている事が分かります。この円はデフォルトのカメラ位置に非常に近い(0,0,0)の座標原点に配置されています。

これまでの説明が分かった上で確認すべきところは、10kmの円形のエリアを除外する代わりに山に囲まれた平らなエリアがあります。『Fractal terrain 01』ノードの設定パネルを開くと、その理由が分かります。ノードの設定の一番下には、マスクするためのコントロールが表示されています。"Mask By Shader"が有効になっていますが、"Invert Mask"にもチェックされている事に注視して下さい。
10kmの地形の円形を作成するのではなく、実際には『Fractal terrain 01』にマスクがかけられた外側("Invert Mask"にチェックが入っているため)に、ディスプレースメントによって影響を受ける事のない平らな惑星表面を10kmのエリア得られています。
上画像では、赤く塗りつぶされたところが、『Simple Shape Shader』による円形のマスク範囲10kmのエリアです。エリア全体が平らな地形になっていない理由については、ノードリファレンスのSimple Shape Shaderを参照して下さい。

『Simple Shape Shader』によるマスク処理がない場合、シーン一面は『Fractal terrain 01』のディスプレースメント効果により山や谷が形成されますが、この場合、マスクの10kmの円形の範囲外にのみディスプレースメント効果を与えたため、結果として円形のマスク内は、ディスプレースメントの作用を受けなかった平らな地形を得た事になります。これは、デフォルトシーンを理解するための重要な洞察力となります。
別の観点として、"Invert Mask"のチェックを外した場合、『Fractal terrain 01』のディスプレースメントはマスクのエリア内にのみ生じるため、上画像のような結果を得ます。

次に、ノードリストの最下段に、『Fractal warp shader 01』があります。これは基本的にノードによって作成された基本形状に、より興味深い変化とディテールを追加するだけです。別の機会に『Compute Terrain』と同様、『Fractal Warp Shaders』について、掘り下げたガイドを用意します。

以上を以て、主要な地形は、『Fractal terrain 01』ノードで生成され、平たい地形を作成するために『Simple shape shader 01』によってマスクを適用しました。この出力結果を『Fractal warp shader 01』でさらに地形形状に効果を与え、『Compute Terrain』に処理を移し、『Base colours』で地表に色を与えた後、すべてのノードの集積されたシェーディング設定が最終の『Planet』ノードの"Surface shader"入力端子に流入して適用されます。

※1:シェーダとは、3Dコンピュータグラフィックスでオブジェクトまたは画像の最終的なサーフェスプロパティを決定するために使用されるプログラムまたは一連の命令です。これには、光吸収と拡散、テクスチャマッピング、反射と屈折、陰影処理、表面変位、および後処理効果の任意の複雑な記述を含む事が出来ます。Terragenでは、シーンのほぼすべての要素を構築および変更するためにシェーダが使用されます。

シェーダ

【Shader】のレイアウトとグループは、一般的に【Terrain】グループで作成されたディスプレースメント地形に色やその他の陰影効果を適用する場所です。この切り離しは厳密なものではありませんが、『Compute Terrain】に流入する前に【Terrain】グループで大まかな地形を作成する事をお勧めします。

デフォルトシーンでは、『Base colours』というカラーノードが1つしかありません。これは、『Power Fractal Shader v3』ノードに類似した、特殊なベースカラータイプのノードです。このノードの設定パネルを開くと、単純に内部ノイズ生成アルゴリズムに基づいて地形に適用される、黒と暗い中間色の2つの色を提供しているだけです。
シェーダによって生成された高値には"high colour"が適用され、低値には"low colour"が適用され、それらの混合は、「Colour」タブにある"Colour contrast"や"Colour offset"などの設定によってコントロールします。 カラーオフセット "を設定します。これにより、地形上に単純な単色の外観を作成します。これらの色を調整して簡単な変化をつける事も出来ますが、より複雑でリアルな結果を引き起こすには、追加のシェーダーを使用するのが最善の方法です。シェーディングの詳細については、初めてのシーン作成を参照して下さい。

オブジェクト

Terragenのオブジェクトは、"ネイティブ(=ビルトイン)"、Terragen内で手続き的に作成されたもの、他アプリケーションで作成した植物モデルやキャラクターなどのインポート済みのものがあります。デフォルトシーンでは、既存のすべてのオブジェクトがネイティブの"Planet"オブジェクトタイプの『Planet 01』、"Sphere"オブジェクトタイプの『Background』のTerragenオブジェクトで構成されています。
カメラをずーっと後方に引いていくと、3Dプレビューで見えていた地表の水平線が弧を描き、やがて丸い惑星と、黒い宇宙が見えてきます。さらにカメラを引くと、その黒い宇宙も真円のオブジェクトだと気付きます。

惑星

Terragenはデフォルトで完全な地球サイズの惑星として機能しています。これにより、太陽の角度などに依存する現実的な照明を含む、大気と同様、尺度や惑星の湾曲のリアルな描写を可能としています。これは、デフォルトシーンにはあまり影響しませんが、『Render Camera』ノードの設定パネルを開くと、惑星の視認範囲を見る事が出来ます。"Rotation"のX軸のパラメータを-90(デフォルトでは-7)に設定し、"Position"の座標パラメータを(x = 0、y = 1.4e+007、z = -30)に変更します。変更後の3Dプレビューで球形の惑星を確認して下さい。

3Dプレビューウィンドウで大気プレビューを有効にしていない場合は、3Dプレビューウィンドウの上部ツールバー、RTPの右側にある小さな青い雲の輪郭アイコンをクリックして、有効/無効を切り替える事が出来ます。有効にすると、惑星全体の周りに青い大気を確認する事が出来ます。

惑星全体に機能する事が出来ると多くの用途を持つ事が出来ますが、このような簡単なシーンでさえもリアルな雰囲気やその他の微妙な効果をリアリズムに加える事に役立ちます。

バックグラウンド(背景)

バックグラウンドオブジェクトは、シーンを適切にレンダリングするために必要な特殊なオブジェクトです。これは、シーン全体を取り囲む非常に大きな反転させた球です。バックグラウンドオブジェクトを使用して、背景画像やその他のテクスチャを、例えば、天空の背景に星空や星雲を大気の外に有したい場合などに貼り付ける事が出来ます。

大気

オブジェクトで述べたように、Terragenの大気は球体であり、実際の地球の大気のように惑星を囲んでいます。『Atmosphere 01』では、このシーンの大気の設定をコントロールする事が出来ます。デフォルトでは、現実的な"標準の地球"のように設定されていますが、実際には場所によっては異なる場合もあります。例えば、あなたが慣れていたよりも少しばかりか、より晴れやかな霞の初期値に気付くかもしれません。『Atmosphere 01』の設定を調整する事は出来ますが、デフォルトシーンでは現実的な遠景の靄と快晴の空を提供しています。

光源

デフォルトシーンには、『Enviro Light』ノード)と『Sunlight 01』ノードの2つの光源が含まれています。

『Sunlight 01』は、シーンの主要な照明を提供します。これは、3D空間内の特定の座標位置を持たず、光が生じる方向をコントロールするための"Heading(方角)"と"Elevation(高度)"のみを持つ"遠距離ライト"、または"パラレル(平行)ライト"です。『Sunlight』ノードで設定した太陽の方角は、3Dプレビューの左上にあるコンパスに表示されます。これらは、このように見せる唯一の種類の照明ノードです。デフォルトシーンでは、『Sunlight 01』がカメラの左側のわずか前方に配置されている事が分かります。 『Sunlight 01』の設定パネルを開いて、"Heading"と"Elevation"の設定を変更して位置を調整する事が出来ます。
『Sunlight 01』からの直接光は、シーンの様々なエレメントから跳ね返り、『Enviro Light』によってコントロールされるグローバルイルミネーションになります。『Enviro Light』を無効にすると、グローバルイルミネーションも無効になり、主要な照明の効果のみとなるため、あまり現実的ではなくなります。
上画像ではデフォルトシーンに雲と地上にいくつかの岩を配置しました。グローバルイルミネーションが無効になると、大気上やオブジェクトのサーフェスで光の跳ね返りが失われ、影には一切の光を照らさず、また照り返しによる明るみも失われます。

『Enviro Light』は、デフォルトシーンやその他のシーンでのグローバルイルミネーションの照明の寄与をコントロールする事が出来ます。シーン内のサーフェスまたは大気のエレメントに適用されるグローバルイルミネーションの寄与する光力と色を個別に調整する事が出来ます。

レンダラー

Terragenのレンダリング機能は、1つ以上の『Render』ノードによってコントロールされます。デフォルトシーンでは、これは『Render 01』であり、『Render Camera』ノードに接続されています。このノードの組み合わせは、最終画像をレンダリングしてディスクに保存出来るように、カメラビューとレンダー設定の両方を定義します。これら幅広い『Render』ノードのコントロールについては、ノードリファレンスのRenderCameraを参照して下さい。


デフォルトシーンを変更する

Terragenの便利な追加機能として、独自のカスタマイズされたデフォルトシーンを定義する事が出来ます。これは、Terragenに精通し、あなたがどのような方法でノードやその他の構成と設定によりシーン作成する事を好むかをより把握している事で、これは毎回の起動時に役立ちます。例えば、2つ以上のレンダリングノードで異なるレベルのディティールと品質を示す独
自のデフォルトシーンを設定して、クイックプレビューと同じカメラビューのより時間が掛かる高品質レンダリング間を素早く切り替える事が出来ます。また、既存のデフォルトシーンと同じように毎回同じ地形を使用するのではなく、完全に更地の地形ネットワークから毎回始める事を進言します。

これは高度な機能と考慮し、これを試す前に、お使いのオペレーティングシステムのファイル操作と権限設定に精通している事を勧告します。これを念頭に置いて、独自のデフォルトシーンを保存するには、まずTerragenを起動するたびに読み込む方法でTerragenのシーンを設定します。シーンを任意の場所に保存します。ファイルの移動や削除は必要ありませんが、実際にはどこにでも置く事が出来ます。

次に、Terragenの「Preferences」を開くと、"Startup"パネルに、"Project Creation: Use Defaults"と表示されています。"Use Defaults"をクリックしてプルダウンメニューを表示し、"Load from File"を選択します。そして、下の "Choose File"ボタンを使用して、上記で作成したTGDファイルを選択します。[OK]ボタンをクリックする事で、次回からTerragenを起動するたびに、独自のカスタマイズされたデフォルトプロジェクトを読み込みます。
上記で設定した読込みファイルを削除、または移動した場合、Terragenは読込みファイルが見付からないと判断すると、既存のデフォルトシーンを再度設定して起動します。