クリップファイルの操作

クリップファイルとは?

プロジェクトで何度も使用出来るように、一連のノードをクリップファイルとして一纏めにしたもの。クリップファイルのノードはプロジェクト全体の中のわずか一部分を取り扱います。

例えば、あなたがお気に入りの岩テクスチャのためのシェーダーネットワークを作成し、それをクリップファイルとして一連のノードを保存する事で、そのクリップファイルを別のプロジェクトに転用してする事が出来るようになる他、クリップファイルを他ユーザー間でノードとノードネットワークを共有する手軽な手法になります。どのようなノードもクリップファイルとして保存する事が可能で、差込時にどのように接続させるか、互いの関連付けを行う必要はありません。

プロジェクトファイルのように、ノードで関連付けされたアセット(画像ファイル、オブジェクトファイルなどの外部ファイル)はクリップファイルに保存する事は出来ません。例えば、「Image map shader」を含んだクリップファイルを保存した場合、他の誰かにそのクリップファイルを送る時に関連付けされた画像ファイルを一緒に送らねば、同じ結果を再生する事が出来ません。

クリップファイルの作成

クリップファイルを作成するために、ノード・ネットワークビュー内でノードの一連を左クリックを押しながら枠で囲み、選択する必要があります(選択されたノードは反転表示されます)。保存は以下の2つの方法から行えます。
  1. 枠で囲まれたノードを右クリックするとポップアップメニューが表示されます。「Save Nodes as Clip File...(クリップファイルとしてノードを保存)」を選択します。
  2. 【File】->「Save Nodes as Clip File...」を選択します。
これを行うと、"Create Clip File"ダイアログが開きます。クリップファイル作成ダイアログについては、ここで詳しく説明します。

クリップファイル作成ダイアログでは、2つの基本的な事が出来ます。1つ目はクリップに関する情報を追加する事です。接続のためのヒントが別フィールドに用意されています。第三者(または自分の覚書として)クリップノードをノードネットワークに接続するためにどうすればよいのか等をここに追加する必要があります。クリップのタグを追加する事も出来ます。この情報はWindows版ではエクスプローラ、Mac版ではFinderのファイルプレビューだけでなく、ライブラリウインドウ中にも表示する事が出来ます。

2つ目の重要な面は、クリップノードの入出力接続設定が出来る事です。これにより、TGはユーザ自身が接続する必要なく、自動的にノードネットワークにクリップを挿入する事が出来ます。ダイアログが開くと、入力と出力の接続設定はTGによって初期化され、それらの接続の適切場所を推測します。また、ポップアップを使用して接続を変更したり、クリップに接続しないようにする事も出来ます。

これに関連するのは、クリップカテゴリで、ダイアログの上部にポップアップを使用して設定します。カテゴリがあるクリップファイルは、挿入時に接続が指定されていなければ、ノードネットワークの適切な部分に自動的に挿入する事が出来ます。例えば、"Terrain"カテゴリのクリップがある場合、"Terrain"ノードリストの[Add Terrain]ボタンから新規地形を追加するのと同じように、ネットワークの"Terrain"部分に挿入されます。こうしたことから、クリップの挿入場所を推測する必要がないため、クリップの扱いは飛躍的に便利になります。

クリップファイルの設定が終わったら、 [Create Clip File ...]ボタンをクリックしてファイルを保存します。保存されたクリップファイルは自動的にライブラリに追加されますが、この動作はライブラリの環境設定パネルでオフにする事が出来ます。

ライブラリウィンドウのクリップファイルにプレビューを追加する事が出来ます。クリップファイルを選択し、ライブラリ情報パネルの[Add preview(プレビューを追加)]ボタンをクリックし、"Choose preview image file(プレビュー画像ファイルを選択)"を選択します。クリップファイルにプレビューを追加すると、クリップファイル自体にプレビューが保存されるので、クリップを第三者に送信するとプレビューも見る事が出来ます。クリップファイルからプレビューを削除する場合は、[Add preview]ボタンから"Remove preview image(プレビュー画像を削除)"を選択します。

プロジェクトにクリップファイルを追加する

クリップファイルをプロジェクトに追加する事は、"挿入"する事として知られています。クリップファイルをプロジェクトに挿入する方法はいろいろあります。基本的な方法は、【File】->"Insert Clip File..."を選択します。また、"Insert Clip from Library..."を選択すると、ライブラリ内のすべてのクリップを表示するライブラリウィンドウが開きます。この方法でクリップを挿入すると、TGはクリップ内のカテゴリと接続設定に応じて自動的にネットワークにクリップを挿入しようとします。

また、ノードネットワークを使用してクリップを挿入する場所を指定する事も出来ます。ネットワーク上のノードを右クリックすると、ポップアップメニューが開き、挿入するクリップファイルを選択する事の出来る"Insert Clip File..."という項目が表示されます。TGは、右クリックした場所に応じて、クリップをネットワークに挿入しようとします。

ノード本体をクリックすると、クリックしたノードとその出力が接続されているノードの間にクリップが挿入されます。クリックしたノードはクリップ入力に接続されます。クリップの出力は、クリックしたノードの出力に接続されているノードに接続されます(存在する場合)。クリックしたノードに複数の出力接続がある場合、クリップの出力はそれらの接続を保持します。

ノード入力端子をクリックすると、動作は異なります。クリップは、ノード入力と接続されているノードの出力(存在する場合)との間に連結して挿入されます。クリップの出力はクリックしたノードの入力端子に、クリップの入力は、クリックしたノードの入力端子に接続されたノードの出力端子に接続されます。

要約すると、ノード本体をクリックすると、クリックしたノードの下のネットワークにクリップが挿入され、ノード入力端子をクリックすると、クリックした入力端子の上のネットワークにクリップが挿入されます。
最終更新:2020年03月27日 09:47