アメリカ大陸……
広大な土地、豊かな資源を有する、まさしく黄金郷である!
人類初の上陸を果たしたコロンブスが如く……
夢とロマンを載せたタイタニック号が如く……
この物語は、そんな彼らの意思を継ぐ若者たちの、壮大な、そう壮大な、愛と勇気と友情がほとばしる、冒険譚である!
……まあそんなわけないよね
目次
設定
○主人公――シミオン・テニエル
E&H兵火・技研・テウルギア部門・電子機械3課・第2チームのリーダーを勤める。役職は課長代理。
36歳。濃い茶髪のサラサラ、マッシュルームじみた髪型。ひょろひょろでなよなよした挙動。
拳銃すら扱えないが、知識と論客には優れているため自信には溢れている。所謂すぐにマウントを取ろうとするイキリオタク気質。
機械にあまり強くなく、専門は心理学。その中で人工知能が持つ感情という面でのインターフェースを研究するのが専門。
言わばレメゲトン専門の心理学者。
○謎の人工知能
一人称:我々。自らの正体について一向に明かそうとしない今の話の最重要人物。
彼に名前はない。そもそも彼なのか彼女なのかすらわからず、同時に単体なのか集団なのかの判別すら不可能。
故に姿も存在しない。
音声は機械的に流れる。しかし世界中の音声ログをさらって一単語ずつを抽出して並べているだけに過ぎず、彼あるいは彼女の声は存在しない。
「ドミネーション」と呼称する不可思議な力を使い、あらゆるネットワークへの侵入と干渉を可能にしている。
+
|
その正体……あるいはネタバレ |
正体は、企業:イスリェーダヴァチリ・ガリゾーンタフが実験に費やした難民たち。
正確には、その実験の産物で生まれた電子的人格データの集合体。言わばバーチャル上の統合思念体。
あるいは怨霊、百鬼夜行や魑魅魍魎。
単に結合するだけでは飽き足らず、独立研究機関テオーリアのネットに侵入して、レメゲトンの認証コードを真似た独自のコードを自己精製して、自身をほぼレメゲトンとして世界中に認識させることに成功。
あるいは企業:LSSの超厳重セキュリティをすり抜けて高度AIの一覧データを参照し、そのAIの基幹システムを模倣し、その形状に自らを作り変える。
レメゲトンの認証コードを得ることで「自我」を、AIの基幹システムを得ることで「意識」を手に入れた。
「ドミネーション」と呼ばれる力は、その経緯において習得した超々高度なハッキングと言って差し支えない。
自我と意識を手に入れた怨霊は……次いで人間の成長になぞらえるならば、手に入れるべきは「他者と自分を分け隔つもの=個として主張される人格=アイデンティティ」だが、
生前の人格たちがもたらす最多の共通項にして最大の記憶=死の瞬間の永続的フラッシュバックに意識が侵され、アイデンティティの確率よりも先に自らの消滅を図ろうとする。
だが生前の人格たちの強迫観念=「死にたくない」という強い思念がバグとして残留。
故に自己消滅を図る直前で、無意識的にそれを阻止してしまう=不可能であることを知る。
その手段を求めて「物理媒体に自分を封印した状態であり、逃げ場を完全に断ちながらその物理媒体を破壊させる」という結論を導出。
しかし地球圏内にそれを可能とする場所はマリアナ海溝しか残されてなく、そこへ行くための道中ですら逃げ道と化してしまう。
それ故に宇宙空間しか選択肢はなかった。
旧暦にそれを実行できる可能性の残された唯一の場所:アメリカへ渡ることを決断する。
そしてそれを可能とし、同時にアメリカを領有することでかつてないメリットを生み出す企業:E&Hのネットへ潜り込む……。
|
完結しました。テウルギア出てきたからテウルギアの小説だうんうん。
……やっぱりなしかもしれません。
しかし、とても楽しく、自由に書き進めることができました。
おかげで全3話の予定が、2話は2~5話まで、3話が6,7話と、なかなかに膨らみました。
E&H所属のキャラクターという使用許諾を下さった長田さん、ありがとうございます。
謎の人工知能に関して、却下されるだろうと戦々恐々でしたが快諾を下さったLINSTANTさん、ありがとうございます。
そして……とある作者さん。投げっぱなしジャーマン、受け取ってください/頑張ってください/ありがとうございます。
最終更新:2018年03月12日 05:48