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財団法人パラディソ
略称 パラディソ、財団、パラディソ財団
所属グループ クリストファー・ダイナミクス・グループ
本社機能施設 パラディソ・フィンランド本社
主要事業 各企業への低利貸し、食糧生産、テウルギア開発、出資
軍事機能 他企業に依存。試作テウルギアを複数保有
外交 クリストファー・ダイナミクスグループの中部地区基幹・参画企業の多くに資金提供。アルセナルに大量の食料供給


企業概要

”政治とは力。力とは数。数とは金”
企業崩壊後も一定の力を持っていたユーラシアの資産家をルーツに持つ金融企業。CDグループの潤沢な資金力を支える『金庫』としての一面を持つ。企業自体が保有する領地はフィンランド北部のみであるが、この企業が貸し出した金の影響は、特にCD中部地区に深い根を張っている。具体的な「力」には欠けるものの、人間社会において最強クラスの武器である「金」を司る彼らの影響力は計り知れない。

その影響力故に小さくない存在感を放つものの、新興企業に返済期間を特別延長した低利子で金を貸し出す等、性格は一見非常に穏やか。彼ら自体の総意に「自己の発展」が含まれるのは確かだが、同時にアレクトリスの介入時に受けた被害、そしてその後に起きた内戦でCDに訪れた食糧難等によって他二勢力との争いに陰りが差している事を重く見ており「CD全体の足並みを揃えて力をつけること」が必要であると判断したというのが大きい。
そのためグループ内での仲の悪い企業の仲裁を取り持ったり、グループ内企業の技術支援に資金の提供などの積極的な支援を行っている。

こういった面を逆手に取られ、借金滞納や踏み倒しの被害を受けることもままあるが、上記の通り内乱をしている余裕はないと判断しているためか余程のことがない限りグループ内企業に彼らから危害を加えにゆくことはない。

金融事業

大規模金融事業はパラディソ財団の「強み」の一つであり、特に中部地区における影響力が強い。とは言っても凄まじい高利貸しで大儲けしようなどと言う意思は全くなく、少量の利子で金貸を行なっている。しかしCDグループ企業の多くがパラディソ財団の金貸しの恩恵を受けているため、最終的な集金額はかなりものと推測される。

新興企業へ資金的援助を行ったり、被災地への高額募金を積極的に行うなど、パラディソ財団の性格が一番現れるのもこの事業である。彼らはただの嫌味な金貸屋ではなく、グループ内の結束と繁栄を願う協調的な企業と見られる事が多い。

しかし同時に、大規模の金融事業を行なっているため、彼らの行う「強硬手段」は物理的攻撃とはまた違う高い威力を持つ。内乱の際には、内乱を起こしている企業の双方に借金の即時返還を要求し、戦争を起こす体力を削って講話に持ち込ませようとする。自らへ直接攻撃を行おうとする輩があれば、借金の大幅減額を出汁にCDグループの大規模軍事企業を呼び出す。CDグループの獅子身中の虫に対しては、高額の給料をちらつかせて社員の大半を一気にヘッドハントする。などなど、「金の力」を存分に発揮した策略もパラディソ財団の武器と言える。

ただしその立地と事業内容故か、三代勢力の境界線に近い東部地区の企業からは快く思われておらず、「成金野郎」「金頼りで現場を見ていない」と言われて影響力が小さくなってしまっている。CD最大の内乱である「東西戦争」ではそれが仇となり、内乱を止めるどころか火に油を注ぐ一因となってしまった。
また西部地区においては同じく金融を主とするA&Fの存在が大きく、こちらでも中部地区程の影響力を持ててはいない。
特に開拓、農業技術を持つE&Hに関しては立地故に動きが遅れ、気が付けば彼らの介入する余地がなくなってしまい、後述する農水産関係への出資が中々実を結ばない原因となっている。
その上それを尻目にE&HはA&Fの元で存在感を着実に増しているのが彼らの焦りを産んでいるようだ。

これらの過去を踏まえたのか、注目するべき技術に対して積極的な出資を行うことがあり、CDグループの成長を影ながら支えている。

食糧生産事業

金融事業で大きな業績を上げるパラディソ財団だが、煩雑かつ利益が不安定な金融事業だけでなく、確実に利益を回収できる事業として「食糧生産」を行なっている。具体的には、自然の素材を用いない低コストのゼリー型食品「インフィニート」を大量生産することで、CDグループの食糧事情の悪化を水際で防いでいる。

このゼリー型食品は甘味料などの化学薬品を用いることによって味の確保を行なっており、少なくとも労働に疲れ果てたCD領の人民には受け入れられている。しかし野菜などの「元から食べられる物」を原材料に殆ど用いてないため健康への被害が懸念されており、財団はCDグループの農水産関係への出資を進めてインフィニートの生産が止まる日を求めているが、前述の通りE&Hを抑えられてしまった関係で研究が進まず、生産停止の日はまだ遠いというのが実情である。

軍事事業

CDグループのテウルギア技術はアレクトリスに対して大きく遅れをとっており、そのことを重く見たパラディソ財団は、各企業と連携したテウルギア開発事業に乗り出した。
裏向きの理由としては、A&Fの下で規模を拡大する企業が増えたことによって自社の立ち位置に揺らぎが生じている事への焦りも大きい。

方針としては、協力開発によってグループ内企業の技術力を成長させつつ、自社でテウルギアを独自開発できる土壌を整えていく形である。また開発機体は、とにかく一分野に特化した機体を開発させている。これは正式採用後の大量生産を見越し、具体的な運用法をスピーディーに考案させるための戦略となっている。
ただし、先述の焦りもあってその開発姿勢は前のめりを通り越して形振り構わぬと言った形に近くなってしまっており、目的が迷走して突飛な発想に走ってしまったものもあり、売れ行きは芳しくない。

パラディソ財団の戦力は他者依存ではあるが、このテウルギア開発計画で誕生した試作機とそのテウルゴス・レメゲトンを確保している。これらを運用するテスト部隊「トライアルトランサー」は時折戦場へ送り込まれ、実戦データを取ることになる。他企業との軍事的歩調を合わせることも視野に入れているため、トライアルトランサーはもっぱら他企業との合同戦線をとる。

開発テウルギア

+ 機体リスト
ディーンシリーズ
専用レールガン「ギガントボーガン」による遠距離狙撃をコンセプトとしたテウルギアシリーズ。
高弾速・長射程・高貫通力のギガントボーガンによる攻撃力は高く、数量を揃えれば大きな効果を発揮すると目されている。
ギガントボーガンの運用中は無防備になるため、攻撃を厚い装甲で耐え、狙撃完了後は高推力スラスターでポイントから即離脱可能とした。
しかしギガントボーガンはFCSによる補正が効かず照準はレメゲトンに頼りきりになり、一発ごとに砲身を換える必要があるため最大装弾数も少なくなる。
また、機体特性により機動戦は完全に不得手となっている。
開発協力はアルセナル社。


レイシリーズ
人型の「攻撃形態」と航空機型の「巡航形態」を使い分ける可変テウルギア。
変形機構は簡素なものとなっており、量産には耐えられる。
巡航形態時の機動性を確保するため装甲がやや貧弱となっており、どうあがいても『地上兵器』であるため純粋な航空機ほどの飛行速度は出ない。
しかし、『長時間飛行可能な陸戦兵器』という強みを生かし、輸送機に頼らない単独による航空降下攻撃や、味方攻撃機が用意できない際の対地爆撃等、通常のテウルギア・通常の航空機にはできない戦術を可能としている。
開発協力はロマニア。


モンスーンシリーズ
共同開発した新型フレームによって高い可動性、運動性、機動性を持つ軽量型機。
このフレームは、筋肉を模した伸縮するパーツを随所に仕込み、激しい挙動に耐えるために骨格となる素体の上に人工筋肉、その上に保護用の補強材、装甲土台、装甲を重ねている。
このフレームにより、人間のような可動性と柔軟性、運動性を獲得。ブースター移動が制限される市街地等の閉所における戦闘で強みを発揮する。
純粋な「速さ」を持ち味にしているため、火力さえあれば、パラディソ財団の機体では最も対テウルギアに優れていると言える。
開発協力はエクステック。


ダイヤシリーズ
コクピットユニットが自走式の脱出ポッドとなる機体。これは、機体の故障時や中破時にテウルギアを破棄してテウルゴスとレメゲトンを保護するための機構であり、絶対数の少ないレメゲトンの回収を主眼としている。
しかし、コクピットユニットが無事な状態でテウルギアが戦闘不能になることは稀であるため、実用性については疑問が残る。
機体性能的にもこれと言って特徴がないため、売れ筋は悪い。
一応、コクピットユニットの分離が前提の設計であるため、同一フレーム機体同士ならコクピットユニットの交換が容易である、という利点もある。
自社の独自開発品である。


ティターンシリーズ
攻撃力・装甲・突撃力に優れた重量型機体。敵部隊に対し横並びに複数配置し、重装甲で味方への攻撃を抑えつつ、大火力を撒き散らして前線を押し広げるのを目的としたタイプである。無論、その火砲を活かした中距離支援にも強みを発揮する。
反面、接近武装がないために懐に潜り込まれると手も足も出ず、運動性も低いため小回りが効かない上に非常に鈍い。ブースターによる高速移動は可能だが、それもほぼ直線的な軌道である。武装も装弾数が少ないものが多く、長期戦との相性は最悪。
運用方法によっては脅威にも木偶の坊ともなる、特化型機体のお手本のようなテウルギアである。
開発協力はヤルダバオート。



外交

ロマニア
ロマニアとの関係性はなかなか良好と言える。パラディソが彼らに艦隊維持費の金を貸し、ロマニアは兵器生産で得た利益できっちり耳を揃えて返済する。それらを幾度も繰り返し、この二社の関係性は良い。また、ロマニアの艦隊がパラディソを含むCDグループの防衛を担っていることもあって、お互いにお互いを気遣う外交を行なっている。また、テウルギアの共同開発も行なっている。

V&M
V&Mに対しては、彼らの「教育」や「IT」などの新規事業に対して無利子の金貸を行うことを決定した。V&Mの事業が齎す利益がCD全体に行き渡れば、CDグループの地力を向上させることに繋がると判断したからである。しかし結果が不透明な事業であることもあって、金額は小出しのようだ。

ヤルダバ
ウォーバードの開発に際し、パラディソは多額の研究費を投資した。しかしその性能と比べてヤルダバの製品は売り上げが低く、債務不履行が続いてヤルダバは倒産。技術を枯らすのを防ぐべく、パラディソは路頭に迷ったヤルダバ技術者の再雇用を行なっている。
テウルギアの共同開発も行なっている。

コラ・ヴォイエンニー・アルセナル
立地が近いこともあってアルセナル社とは特に懇意にしている間柄。インフィニートの最大手買主もアルセナルである。何かしらの代金を希少金属で払おうとする面以外では、パラディソ財団はアルセナル社に大きな信頼を寄せる。
テウルギアの共同開発も行なっており、パラディソにとってアルセナルは技術顧問としての一面もある。
しかし、健康被害が懸念されるインフィニートを大量輸入していることもあって、パラディソ財団の農業関係への出資はアルセナルの存続のためのものと言っても過言ではない。

エクステック
立地が遠いため当初は接点が少なかったが、テウルギアの共同開発を契機に交流を深めていく。現在パラディソ財団は、前線を支えるエクステックのために、テウルギアの販売契約やトライアルトランサーの派遣を検討している。


関連人物

財団盟主/エラン・パラディソ
表の代表。パラディソ財団の「顔」である。が、柔軟な思考を持って各企業の発展を狙うなど、単なるお飾りではない人物。

事実上のトップ/テルミドール・オートマトン
裏の代表。パラディソ財団の「頭脳」であり、パラディソ財団のほぼ全てを掌握する男。その性格と雰囲気から、「自動人形」の異名を持つ。

テストパイロット/ノキア・エリトール
金で雇用された、試作テウルギアの運用試験を行う若きテウルゴス。乗機『ディーン・レイ』はディーンシリーズとレイシリーズの基礎となった試作機体である。

テストパイロット/ヴァニッシュ・リヒテンハイム
レメゲトンに見出された若きテウルゴス。格闘戦能力の高さにより、オラクルボードに名を連ねる。乗機『ダイヤモンドS』はモンスーンシリーズとダイヤシリーズの基礎となった機体である。

関連あり?/メモラビリス
CDランク25位のテウルゴス。その特徴から、エラン・パラディソその人であるのではないかと思われている。また、機体もティターンシリーズと酷似しているが…


原案/アルファるふぁ
原案監修/ソル・ルナ/更科 月華様
最終更新:2018年04月24日 13:03