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プシューケー
通称 機神の巫女(シャーマン・メカニスト)
性別
所属 アレクトリス本社
オラクルボード アレクトリスランク:1
認証レメゲトン ト・ヘン
搭乗テウルギア ヘノーシス


キャラクター概要

“あなたには、ここで死んでもらう。理由は分かるよね?”
“……?"(ぽけーーっ)
テウルギアを齎した勢力であるアレクトリスのトップテウルゴスにして、謎多き人物。
プシュケー(希: Ψυχή)とは、古代ギリシアの言葉で、もともとは息(いき、呼吸)を意味しており、転じて生きること(いのち、生命)、また心や魂を意味するようになった言葉である。プシューケーというネームはこれにギリシャ神話に登場する王女の名をかけていると思われる。
公式記録には一切の個人情報が記載されておらず、カルデアン・オラクルズにも不鮮明な写真が数枚載っているのみである。
また、アレクトリス内部でも彼/彼女に接触した者は極端に少なく、無許可の接触は厳罰に処されるとも言われている。
アレクトリスによるCDへの侵攻の際には先頭に立ってテウルギアの軍勢を導いたとされ、オラクルボードが実装されてからその地位を保っている。

しかし、つい最近になってより鮮明な写真が公開された。
長い黒髪を後ろでまとめて編み、穏やかな表情を見せている、褐色肌のエキゾチックな少女。
純白のテウルギアの前で佇むその姿は可憐そのものであったが、その地位に就くには余りにも幼く、ローティーン程に見えるが……?

+ 機密情報
三十年余りに亘ってアレクトリスのNo.1を保持しつつづけているテウルゴスにしては幼すぎる容姿だが、これは彼女がテウルゴスとしては『三代目』だからである。
彼女の正式名称は『HMC-Tg(S):5thGen:30O-FR-0025』
『救星計画』に使用される『巫女(Theurgy-Shaman)』としての機能を遺伝子改編と物理的改造によって付与された第5世代の人造人間(HoMunCulus)であり、後半のコードは30年10月(O)に生み出された女性R型の0025番個体を意味する。
脊椎と脳に接続する形で各種情報機器がインプラントされており、一般のテウルゴスよりも遥かに"深く"レメゲトンと協同(同調)する事が出来る。
同時期に生産された個体の中でも飛びぬけて性能・精神の安定性・肉体強度(特に耐G性能)のバランスが高くまとまっており、最も実用に耐えると評価され、ヘノーシスのテウルゴスに選ばれた。また、予想外の成果に驚いた上層部はこの個体を複製し、ヘノーシスのアウターフレームの制御ユニットに組み込むことを決定した。
しかし、精神の安定性が高いがゆえに周囲に無頓着で、(良くも悪くも)物事を深く考えないという意思疎通に難のあるマイペースで天然ボケな性格になってしまった。接触が制限されているのも防諜や身柄保護だけでなく、彼女の精神に悪影響を与えず、人々が彼女に抱いている『アレクトリスのトップテウルゴス』という幻想を壊さないようにという配慮からでもある。
人造人間としてのスペックは非常に高い。特に機体の操縦・制御と精神の耐久が高く、それがこの個体が巫女に選ばれた理由でもある。この時点でアレクトリス社の求める水準には達したが、現在は発展型の開発の研究計画がスタートしている。
アレクトリス軍内での模擬戦闘のキルレシオ(テウルギア比)は1:430。
また余談であるが、『救星計画』の為に製造されたために長期的な運用は考慮されていない。その為残りの"耐用年数"は10年程と考えられている。

レメゲトン:ト・ヘン

"成功すれば、皆も喜ぶし、ほめてくれる。頑張ろうね、マスター”
テウルゴス以上に謎に包まれたレメゲトン。
ト・ヘン (希:τό ἕν) とは〈一なるもの〉:無味の〈神性〉を意味する言葉。〈善なるもの〉とも呼ばれる。
こちらも特徴やアバターを含めた一切の公式情報が掲載されていない。
ランクの位置付けもあって特殊機能や性能についての議論が盛んに行われているが、その実情は未だ見えない。

+ 天の外から来る救いの星
その正体はテオーリアがアレクトリスの要請で製造した特別仕様のテウルギア。
テオーリア以外との双方向データ送受信回線を持たないスタンドアロン仕様であり、テオーリアとテウルゴス以外からの制御やハッキングを含むいかなるアクセスを受け付けない。
また、アレクトリスグループに所属するレメゲトンの相互ネットワークに干渉し、上位命令を発する権限と超高高度・高/低軌道に展開する兵器群とリンクする権限が与えられている。
特別な機体であるヘノーシスを制御する必要があった為、微細かつ複雑なマテリアルをリアルタイムで制御する事に重点を置かれて製造された。その為莫大な並列処理性能を有する。
一切の妥協なく性能を追求した型のため、他のレメゲトンに比べて自我が希薄なきらいがある。ただ現在のプシューケーには親愛の情を感じている様子。
代々のプシューケーと対になるような(現在はコーカソイド系の)アバターを使用し、性格は比較的温和。

テウルギア:ヘノーシス

機体名 ヘノーシス
開発 アレクトリス
機体サイズ 12m(装着する外装によって可変)
武装 ・兵装推進器複合システム
・背部ウエポンシステム
・アウターフレーム各種

機体概要

“テウルギア(希:θεουργία)は、神々の御業への祈願もしくは神々の来臨の勧請という意図をもって行われる儀式の営みを指す。特に、神的なるものとの合一(ヘノーシス)および自己の完成を目指して行われる。その儀礼は実質的に魔術的なものともみなされる。”ーーフリー百科事典より

肩・腕部に兵装複合ユニット、背部にウエポンラッチを搭載している高機動型の軽量級テウルギア。
機体色は銀にも見える純白であり、見るものに清らかさや神聖さを連想させる。右肩に「蝋燭」のエンブレムが彫られている。
建造と擬装を担当したのはアレクトリス本社であり、ベースとなったのはアレクトリス本社製の新型標準テウルギア、『ケリードーン』。本機のみの特徴として、頭部のアンテナユニットが後頭部から頭頂部に移され、象徴的なブレードアンテナに変更されている。
ケリードーンは統一規格とパーツ換装による全領域・全戦線への対応を目指した新しい兵器体系であり、これはその素体となる機体である。この機体は腰部・背部のフレームを中心に全身を折り畳む事で大型アウターフレームのコアユニットとしても機能するのが特徴である。この変形技術はTFS及びリュミエール・クロノワールの協力があったと思われる。
機体は彼女に合わせて徹底的にチューンされており、機体性能と相まって抜群の戦闘力を誇る。また、ブースター類がより高出力・高耐久なものへ換装されている。小型・軽装のため推力重量比に優れ、高い機動性を用いたヒット&アウェイを得意とする。
主な戦闘スタイルは機動性と操縦技能を活かした高速射撃戦及びすれ違いざまの格闘戦。
その高度な戦闘スタイルはテウルゴスの高い技量とレメゲトンの管制能力の連携によるものであり、彼らのチームワークの高さが伺える。
機体名はギリシャの魔術、テウルギアが目標とする神聖なるものとの合一状態から。

武装

『アウターフレームの換装によって全領域・全戦場に対応し、テウルギアの統一新規格を打ち立てる』というケリードーンのコンセプトに違わず、多種多様なアウターフレームを使い分ける。アウターフレームの接続部は統一規格の為、全てのケリードーンがこれらのアウターフレームを装備可能である。

兵装推進器複合システム
88㎜長砲身EMLS、複合シールド、ブースターはもとより高周波ブレード、支援攻撃用マーカーユニットを備えた多目的武装。
ヘノーシスの各種性能を支えるユニットであり、ヘノーシスのメインウエポンである。
セラフィナで運用されたデータをフィードバックした正式採用型複合シールドは物理・エネルギー兵器への耐性を底上げする。
アウターフレームを追加・換装する場合は補助デバイス兼パーツ運用のサブアームやラッチとしても用いられる。
  • 88mm長砲身EMLS
セラフィナに採用されたEMLSの長砲身型。対重テウルギア・対装甲拠点戦を念頭に置いた装備であり、グループ内企業である技仙公司からの技術提供を受けた事でプラズマや磁場の制御精度を高めつつ砲身を延長した。これにより初速、射程、貫通力、衝撃制動力がより強化されている。
  • 支援攻撃用マーカーユニット
長距離極超音速滑空ミサイルを始めとした長距離支援攻撃の攻撃地点を指定するロックオンマーカーとして開発されたもの。これ発射される電磁波を当てることで、味方部隊に敵機の位置情報を教えるとともに、専用のロックオンマーカーを表示させることで地形や障害物を問わずにロックオンを共有させることが出来る。



背部ウエポンシステム
各種兵装を運用できるスラスター付きウエポンラック。
ケリードーン用の小型のものとアウターフレーム用の大型のものが存在し、それぞれパッケージングされた武装を運用する。
これはウエポンラックであると同時に、後述のフテラと同様に大型アウターフレームのプラットホームとしての機能も兼ねる。
ジョイント部は能動的に可動し、ある程度は形状を選ばずに装備できる。これは他社製のパーツも含まれる。これにより対テウルギアミサイルなどの小型のものから対艦ミサイルシステムなどの大型武装まで運用可能。
プシューケーは腰部にブースターユニット、背部に対テウルギアミサイルの装備を好んで使用する。

アウターフレーム各種
ケリードーンのコンセプトの核となる装備。機動力を強化するものから機体そのものを覆う重装備プランまで多様なパーツが存在し、機体に外付けする大きな新造ユニットから旧機種・他社機種への互換パーツまで様々である。またアウターフレームの一部を組み合わせる事も可能。この項では代表的なものを紹介する。

  • フテラ(φτερά)
セラフィナのヴァヴカナフの発展型となるアウターフレーム。
二対のマニピュレータとスラスターユニット、ジョイントアームユニットで構成され、機体の推力・火力を強化し、またアウターフレームとして大型パーツのプラットホームとしても運用される。
88㎜長砲身EMLSはこれのマニピュレータに保持される。
これを装備した変形状態のケリードーンに汎用強化パーツ一式を装着する事でイスヒスやヴェーロシュなどの大型アウターフレームのコアユニットとなる。
名称は『翼』の意。

  • イスヒス(Ισχύς)
拠点攻略・防衛及び機動要塞などの大型兵器に対抗して開発されたアウターフレーム。
TFSのテウルギア、カーリーやドゥルガーを基にしてケリードーン規格に対応させ、フレームを改修しより巨大なアウターフレームとして再開発したものであるとされているが、詳細は明らかになっていない。
名称は『力』の意。

  • イーリョス(ήλιος)
イスヒスのフレーム部を強化したものを流用したアウターフレーム。
制御装置としてケリードーンを搭載し、移動式陣地と使用するとされている。
技仙公司の装甲列車と同種のものとされているが、これも一部のメディアで紹介されたものであり詳細ははっきりしない。
名称は『太陽』の意。

  • ヴェーロス(βέλος)
名称とコンセプトアートが発表されただけで存在するかも定かではないアウターフレーム。どうやら高速での飛行を主眼としたものであるが、今一つはっきりしない。
名称は『矢』の意。

  • メテオリーテス(μετεωρίτης)
ヴェーロスと同時に発表された大型アウターフレーム。
可変機構を大々的に使用したものであるが、これもヴェーロス同様詳細は不明である。
名称は『流星』の意。

+ 機密情報
  • ヒュドラルギュロス(希:υδραργυρος)

{“水銀は、各種の金属と混和し、アマルガムと呼ばれる合金をつくる。これは水銀が大半を占める場合には液体、水銀の量が少なければ固体となる。従来は広く歯の治療に使われていた。白金、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、タングステンとは合金を形成しないので、水銀の保存には鉄の容器が用いられる。
生物に対して毒性が強いため、使用が控えられている金属である。
また、その特異な性質から様々な科学者の興味の対象となり、多くの現象の発見にかかわっている。”ーーフリー百科事典より}

ヘノーシスの真の姿。
ヘノーシスは代替わりと共に機体が更新され、現在はケリードーンのフラッグシップ機という事になっているが、それは当代のプシューケーに合わせた偽装に過ぎない。
水銀の名の通り、その姿は全くの不定形であり、そもそもテウルギアの部品として製造されたものではない。アウターフレームを除いた機体本体は、コックピットとレメゲトン、リアクターが一体化したコアユニットとこの不定形の流体金属で構成されている。普段は一定のパターンに整形したこれらに装甲板を取り付ける事でケリードーンの様に偽装を施しているが、特定の条件を満たし本社の承認が下りた場合は、偽装と増加装備をパージして本来の姿をとる。この場合は一切の武装を搭載、使用できない。
不定形の流体金属は永久磁石の特性を持つ酸化鉄粒子とその他の粒子によるナノマシンで構成されており、リアクターから供給される電力がナノマシンを稼働させて磁界を制御し、マリオネットの様に動かす方式であり、躯体が装甲材と構造材を兼ねる方式である。その為核融合炉を搭載しているにも関わらず他のテウルギアと比べて驚くほど軽量である。

その特性から既存の外付けの武装は一切使用できない。その代わりに磁界制御を転用する形で機体の任意の場所から放たれる高出力のEMPやそれを応用したマイクロ波やメーザーの照射、弾丸を転用して己の躯体をレールガンとして運用する事で攻防の能力を備える。

使用されている技術
アレクトリス方式負ミューオン触媒・超高ベータ複合型核融合炉
八卦炉の名を冠する核融合炉。
アレクトリス社が成立する以前から連綿と受け継がれてきた太古の設計図に現代風の改良を加えたもの。小型でありながら高出力化にも成功しており、軽量型テウルギアのシルエットを損なわないサイズでありながら、ナノマシン群で出来た機体を問題なく運用する性能を併せ持つ。
膨大な希少合成マテリアルと専用の外部施設に加え、アレクトリス社成立前から存在する超高重力区画を擁する特殊施設でしか建造できず、ラインを導入して一基を製造するにも半年の時間と超絶的な工作精度を要する。
原理としては外部から供給される負ミューオンで負ミューオン触媒炉を先行して起動し、これから取り出したエネルギーで高ベータ核融合炉を稼働させる事で完全に起動する。
一度起動すればコンプレッサーで重水素を回収する事で、『重水素、三重水素を高温プラズマ状態にする必要はなく、トカマク型炉のようにそれらを閉じ込める大掛かりな閉じ込め磁場装置なども不要である。しかし永続的な稼働には負μの供給が必要』という特性を活かして小型化を図りつつ、超高ベータ核融合炉を合わせることで永続的な稼を可能にした。内部のプラズマと負μ触媒の制御に演算能力を要求されるため、レメゲトンと構造材を演算装置として使用している。

永久磁性ナノマシン・磁界制御ナノモーター構造材
旧暦の遺失技術物体を転用した特殊な構造材。粒子一つ一つが永久磁石としての特性を持つ鉄原子と導体である非磁性金属流体を合わせた流体金属。不定形な流体のままモーターや発振回路として機能するナノマシンを構成する。自己修復機能も備えているが、構造材の絶対量の不足と量産の目途が立っていないせいでヘノーシス以外の機体をこれで製造することは現状では不可能。
また、流体による有機的かつリアルタイムで可変なネットワークを形成し、無機物の固体ネットワークよりもリニアで高効率な演算システムを形成している。これによってこの構造材は演算装置としても稼働する。
また、超低温の環境下では負の質量を持つかの様な反応を見せる事が確認されているが、原理は不明。

展開磁界駆動/磁界制御
ヘノーシスは、展開磁界駆動と呼ばれる方式で駆動する。これは内部から発生する磁場を発生させ、機体を取り巻く磁界を制御することで機体を動かすというものである。機体表面を取り巻く磁界は不可視の磁場の展張である。
この駆動方式により本機は駆動系やアクチュエータに容積を割かれない分、内部の空間自由度が高くなっている。


最終更新:2019年11月08日 21:51