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アリシア(Alicia)=セレナーデ(Serenade)クロノワール(Cronoir)
通称 蒼穹駆ける鋼鉄の姫君、魔性の乙女(マジカル・メイデン)
性別 女性
所属 リュミエール・クロノワール
オラクルボード -
認証レメゲトン ディーヴァ
搭乗テウルギア ワールド・イズ・マイン

かの姫君が歌うは、世界に対する捧げ物──


キャラクター概要

"役者と観客は揃った。舞台もここに出来上がった。となれば、後は主役のお出ましね。―さぁ、素敵なダンスを踊りましょう?"
"美しさとはそれ即ち、贄でございます。全ての美しいものは、世界を創る捧げ物であると、私は認識致しますわ、お母様"

リュミエール・クロノワール現代表にしてクロノワール家9代目当主その人。美しく伸びた金髪と深い紫の瞳が特徴の貴人であり、持ち前の美貌と美しくも妖しげな立ち振る舞いで数多の人々を夢中にさせてきた魔性の姫君。
「魔性の乙女」の通称は、そんな彼女に対する皮肉を込めた下品な揶揄でもある。

当主になるにあたって徹底的な英才教育が施されただけあって、公私両面において極めて多才かつ優秀な傑物。
しかし美しさを求めるあまり、重度の色情魔にして両性愛者と化しており、「適当な人物を見繕ってはメイドやSPとして引き抜いていく」「作った服を実際に着せて踊らせる」「自分でデザインした服で歌って踊る」などの奇行も絶えない。

テウルギアを作るだけに飽き足らず、遂に自分専用の機体を作って限定戦争の「役者」の一人として突入してしまった正真正銘のお嬢様。当然、実戦経験などある筈もなく、技仙辺りからしたら危機感が足りないどころの話ではない。

テウルゴスとなったのは自社製品の宣伝、及びショービジネスとしての意味合いが強く、その立場上リスクも大きいため出撃する事自体少ないことから、基本的に戦場で見掛ける機会はほとんどない。
ただし、だからと言って機体の手抜きなどはされておらず、むしろ彼女を守る為、リュミエールの経済規模と彼女の私財も含めた資金力を惜しみなく注ぎ込むことで別次元の性能を得ており、そこに普段の活動で得た運動神経などから来るセンスの良さで足りない経験を補っている。

戦争に対する意識の差などもあり、兵士として決して優秀とは言えないものの、戦力としては並のテウルギアを優に超えるとされている。
が、彼女の真価は普段のパフォーマンスによる兵士達の士気向上の方だと専らの噂。

因みに、あまり知られていないが兄妹がいる。
長女、長男、次女、次男、三男の五人兄妹であり、彼女は次女にあたる。
彼女は熾烈な跡継ぎ争いの果てに「自らが最も美しい」と先代に認めさせた人物であり、敗れた他の兄妹達はその屈辱に耐え切れず、その全てがリュミエールを去っていった。
次男に至っては屈辱のあまり自害してしまっている。

現在所在がはっきりしているのは三男のみで、年齢などを鑑みたレイチェルの温情により、L.S.Sの別荘でひっそりとではあるものの穏やかに暮らしている模様。
現在はデザイナーとしてそこそこ活躍しているとか。
なお、彼女自身は彼ら兄妹について特に何かを思う訳ではなく、それどころか姉については反面教師扱いである。

存在そのものがお巫山戯の塊の様に見え、事実その奔放さは内外問わず有名だが、時としてそのお転婆からは想像も出来ない程のクレバーかつ冷徹、冷酷な面を見せることがある。
この二面性は彼女に限らずリュミエール全体に見られる傾向であり、それ故に非常に狡猾、かつ強かに立ち回る。
この辺りが、リュミエールがアレクトリスでも屈指の厄介さを誇るとされる所以である。

+ 深淵に立つ者
その身分からアレクトリスの真意を知らされている数少ない人物。忠誠心はないが裏切りなどを行うつもりはなく、単にビジネスライクなパートナーに近い。
付き合う必要がないと見ればグループからの脱退も躊躇わないが、それをするにしてもお互いの邪魔をせずに穏便に済ますつもりではいる。
裏を返せば、脅迫などの無粋な対応をすればすぐさま縁を切るという意味でもある。
彼女が提案、実行した戦闘興業にも、その裏にはある種の攪乱の意味合いが含まれている(9割はアリシアの趣味だが)。
また、L.S.Sの「原初の義体」の存在を知る一人でもある。
当然同社との密約も知っており、その手には数多の鍵が握られているとも言える。


レメゲトン:ディーヴァ(リリス)

"ここは今から二人の世界、何人たりとも邪魔はさせませんわ"
"Are you ready?…Ok,Let's get ready to dance!!"
"何時だって、何処へだって、私は歌を捧げましょう。例えこの世に神がいなくとも、歌は世界に届きますもの"


レメゲトン探しに難航したアリシアが、アレクトリスを通じてテオーリアに特注したと噂される女性レメゲトン。
なお、リリスはアリシアの付けた愛称で、特に理由がなければアリシアはそう呼ぶ。
アリシアと対を成す銀髪と透き通るような碧洋の瞳が特徴の、軍服と制服を折衷した様なデザインの服装を着た女性アバターを持つ。

とある娯楽用音声合成プログラムを参考にしたとされ、非常に美しい声が特徴。ディーヴァ(歌姫)の名前もここから来ている。
その名の通り音楽及び歌などのパフォーマンスを好んでおり、その性格は戦場でも変わらず、なんと戦闘中に歌い始める。

一見巫山戯てる様に見えてその性能は折り紙付きで、歌っている間は動きが衰える…なんて事はなく、それどころか処理性能が上がって動きのキレが良くなっている節まであり、詳細不明とされるレメゲトンの中でも異質な存在である。
「アリシアが特注した」と噂されるのはこれが理由。
素の性能も優秀で、機体の性能とアリシアのセンスをフルに活かすことでアクロバティックな機動を実現させており、目にした人々を虜にさせている。

普段は(わざわざ私財を投入して)アメノウズメ工房に特注した専用義体に移って日々を過ごしており、時には一般社員達に混じってデザイン作業をしたり、プロモーション活動の一環としてモデルをやってたりしている。
L.S.Sのアイリスディーナとは良き友人にして相談相手といった関係。

音楽を「誰かのための捧げ物」と認識しており、普段から領民のリクエストを聞き入れて歌っているだけでなく、自分以外の誰かが出撃する場合はわざわざスタジオから通信してリクエストを歌っているなど、レメゲトンでありながら人々との距離が近い存在である。

類は友を呼ぶとでも言うべきか、愛称から来るものか、アリシアとの相性は「非常に」良好で、一緒に行動する姿がよく見られている。なお、一部では「どっちがどっちか」で熱い議論がなされている模様。
+ ...
アイリスディーナの正体を看破したのは他ならぬ彼女である。


テウルギア:LME-CRN-01/ALC ワールド・イズ・マイン

開発 リュミエール・クロノワール
機体サイズ 12.3m
武装 ・重機関銃「コラプション・ジャッジメント」
・高出力光学銃「リバーシブル・ラヴァーズ」
・高貫徹電磁投射砲「スターダスト・ユートピア」
・可変出力光学砲「メルトマインド」
・腕部内蔵式光学剣「サイバネティックムーンライト」
・可変式実体剣装甲「シンフォニック・スラッシャー」

機体概要

"優雅にして大胆、可憐にして妖艶。「世界で一番のお姫様」の前には、どんな宝石でさえ色褪せる"

リュミエールがナルキッソスまでで培ったノウハウと潤沢過ぎる資金、そして狂気じみた美の追求への情熱を惜しみなく注ぎ込んで製造された彼女専用のワンオフ機体。
ロールアウト時期は234年夏。

彼女が輝くため、彼女を守るために走攻守全ての性能が異次元レベルにまで高められており、同社の中においてさえ規格外とまで称される程だが、一応、扱いとしては「超高機動型」テウルギア。

機体各所に搭載されたスラスター、ナルキッソスのそれを更に強化した基礎フレーム、コストを度外視した機体出力、彼女の癖などに合わせた超精度のバランサー、そして背部に装備された高出力ブースターにより、極めて高い機動力と運動性を両立させている。特に運動性がずば抜けており、持ち前の出力とフレームの強靭さや超精度バランサー、そしてアリシアの運動神経が合わさって人型兵器でありながら「踊る」事を可能としている。

攻撃面に関しても不足なく、対テウルギアは勿論、場合によっては拠点攻撃をも想定した多数の武装を備えている。装甲面は平均を少し上回る程度だが、これだけの性能を持ちながらそのレベルを維持してると考えれば十分過ぎると言える。

この時点でも並のテウルギアとは比べ物にならないのだが、本機の最大の特徴として「変形機構」が挙げられる。

巡航時に飛行形態へと変形する事により、亜音速クラスの速度で戦場へ駆け付けられるだけでなく、脚部を変形させ、持ち前の運動性と組み合わせる事でそれ自体を強力な刃として扱う事が可能であるなど、実験的な技術が多数搭載されているのも特徴。
変型時に外観を損なわない様、寸分違わず組み合わさる装甲からは、同社の信念と共に狂気さえ感じさせる。

贅を尽くした現時点での同社の最高傑作とも言える機体だが、製造にあたってバランサーに「アリシア本人の」感覚や癖をそのままインストールしているため、彼女以外一切操れない。
再調整自体は不可能ではないが、それにはアリシア本人とディーヴァ、リュミエール全ての承認が必要であるため、事実上「リュミエール及びクロノワール家後継者」以外搭乗不可能。

更に、これだけの性能を実現させるため、コストの面も規格外。
「これマトモに作って運用するより、相手となる企業買う方が多分早い」とまで言われるレベル。技仙の人間が額を聞いて卒倒した事もある。

しかも上述した通り、代表が戦場に出ることそのものがリスキーであるが故に、そもそも出撃する機会が少な過ぎる、出撃する場合は最精鋭の護衛部隊が戦闘領域周辺を制圧しに行く必要があるなど、運用コストまで規格外の域に達してしまい、兵器としては満場一致で「論外」と言わざるを得ない代物でもあるなど、癖の強さもアリシア譲りである。

後にL.S.Sより配信されたデウス・エクス・マキナにて当然の如く(アリシア本人のアカウントと共に)実装、そのとち狂った性能を遺憾なく発揮すると共に、ゲームとして色々と間違った開発費用を見せ付け、「存在そのものがエンドコンテンツ」「現状確認されてる所持者は一人だけ。─本人だ」「都市伝説だと思ってた」「戦場よりもこっちで暴れてる方が多いだろコレ」など、案の定と言うべきかこちらでも言われたい放題の有様となっている。

所持兵装

  • 強化型重機関銃「コラプション・ジャッジメント」
右手に装備する強化型マシンガン。主に単発の火力が引き上げられており、その特性上近距離での時間帯火力に優れる。
装甲の薄い機体であればあっさりと蜂の巣に、重装甲機体に対しても確実に削っていけるだけでなく、本体強度を高めることでそれ自体を一種の近接武装としても扱えるという優秀な武装。その分集弾率は高くなく、有効射程はあまり長くない。
飛行形態時には一緒に変形し、機体右下部に機銃として据え付けられる。威力強化に伴い反動が大きくなっているが、強靭なフレームによってその影響を最低限に抑えている。
非使用時は腰部にマウントされる。


  • 高出力光学銃「リバーシブル・ラヴァーズ」
左手に装備したハイレーザーライフル。
弾速、射程、火力を高いバランスで確保した武装。
テウルギアに対して安定して有効打を与える事が可能で、弾速の速さと長射程により、距離を選ばずに使っていける。
ただし連射性能が低いため、一発一発を丁寧に撃つ必要がある。
こちらも飛行形態時には変形し、機体左下部にレーザー砲として据え付けられる他、それ自体が近接武器として扱える強度を与えられている。
非使用時は腰部にマウントされるのも共通である。


  • 高貫徹電磁投射砲「スターダスト・ユートピア」
右背部に装備した遠距離攻撃用武装で、通常時はサブアームと共に折り畳まれている。
使用時にはサブアームが伸びて脇の下を通る形で展開、そのまま右腕部で保持する事で発射時の安定性を確保しており、精度の高い射撃を実現している。
ただし、変形機構の都合上サイズを小さくする必要があったため、装弾数が少ないのが弱点。


  • 可変出力光学砲「メルトマインド」
こちらは左背部に装備された対拠点攻撃用武装。拠点攻撃用とは言うものの、その実態はチャージによって出力を任意に調整出来るサブ武装。チャージ無しではそこそこ連射が効き、敵機のバランサーを狂わせやすく、牽制に向く。ただし、威力は雀の涙。
最大チャージでは射程・威力共に一気に跳ね上がり、複数の建物を容易に貫くなど対拠点攻撃用に相応しい火力を得るが、同時に反動も凄まじく、接地状態でないと発射出来ない上にエネルギーの消耗も必然的に激しくなるので隙が大きい。
またその射程と火力故に目標以外のものも巻き込む事が多く、その点でもおいそれとは使えない。
こちらもスターダスト・ユートピアと同様、非使用時は折り畳まれている。構え方も共通。


  • 腕部内蔵式高出力光学剣「サイバネティックムーンライト」
両腕部に内蔵された格闘武装。両手の銃器で対応しきれないと判断した際に使用される。
内蔵型のレーザーブレードとしては破格の出力を持つが、その分エネルギー消費が激しいため、常時展開ではなく振り抜く、突く際に限定して展開する方式を取る事で補っている。
他の実体剣武装とは違い、触れている間ダメージを与え続ける事が可能なため、攻撃時の自由度が高い。


  • 可変式実体剣装甲「シンフォニック・スラッシャー」
厳密には武装ではなく、変形機構による脚部の一形態。脚部とその装甲を変形させ、鋭い刃を形成する。そのままでは攻撃手段として頼りないが、十分な速度を乗せて「蹴る」事で半端な盾や装甲を容赦なく真っ二つにする程の斬れ味を誇る。変形中は股関節の可動範囲が拡大し、本機の運動性もあって非常にトリッキーな攻撃が可能となる。
ただし、変形中は接地面積が極端に小さくなってしまい、マトモに直立出来なくなることから必然的に動き続ける必要が生じるため、アリシアへの負荷の観点から長時間の使用は推奨されていない。

原案/ソル・ルナ様
最終更新:2021年04月16日 15:16