原作用語解説・意味

 天族と契約してその力を振るう導師
天族は、霊応力が高く純粋で穢れのない人間を、「器」にして宿ることができる。この契約を「輿入れ」といい、器になった人間は「導師」と呼ばれる。
導師は契約した天族の力を振るうことができ、人間の能力をはるかに越えた存在となる。一方、宿った天族は導師の清浄な領域に守られ、穢れることなく活動できるという利点がある。
この契約は天族が「主」で導師が「従」であり、導師から一方的に破棄することはできない。導師は契約した天族の陪神も宿すことができ、何人まで宿せるかはその資質による。
四属性の天族を宿すのが理想だが、そこまでの力を秘めた人間は稀である。また、天族に戦闘を行わせるには膨大な霊応力が必要であり、導師一人では天族一人が限界だと言われているが、同時に多数の天族を使役する導師の伝説も残っている。
3000年以上昔から導師は存在していたようだが、次第に導師となりうる者は減っていった。200年ほど前からは歴史の表舞台から姿を消し、この20年にいたっては導師が存在しないという状況が続いている。

 導師を補佐する従士
導師は別の人間を契約を結び、天族の力を分け与えることができる。力を与えられた者を「従士」と呼び、この従士契約で従士は導師から真名を授けられる。
従士はを補佐するもので、導師の領域内において導師と契約した主神・陪神の力を発揮できる。優れた霊応力を持っている従士は導師を遜色ない活動ができ、ごく稀だが神依化すらできる者もいる。
一方、霊応力が低い場合は導師が補うことになり、その身体に負担がかかる。

 ハイランド王国
人口は約40万。
現在、大陸の覇権を巡ってローランス帝国とは緊張状態にあり、両国の国境付近でにらみ合いを続けている。
世論も開戦に傾いており、軍事衝突は避けられない状態。

 ハイランド王国の政治体制
国家元首は世襲制のハイランド国王だが、政治的実績は持っていない。
国王の名のもとに任命された官僚機構(評議会)が行政を取り仕切っている。
現在の評議会の実質的な代表者はバルトロ内務大臣。彼は自分の息のかかった「バルトロ派」で評議会を固めている。
行政や法律に加え、軍事や宗教関係者との繋がりも強く、半ば独裁的に振る舞っている。

王国の中心人物(バルトロ派)
 バルトロ内務大臣(行政機関の最高位として国政を担う)
 マティア軍機大臣(軍のトップとして軍事行動を取り仕切る)
 シモン律令博士(法務にかかわる機関のトップ)
 ナタエル大司教(ハイランド協会の最高位聖職者)

 ハイランド王家
ハイランド王は形式上、評議会の上に位置するものの、政治には直接携わっていない。
現在の国王は評議会の決定をほぼ追認するだけの存在だ。それゆえ王族の活躍の場は、貴族の社交界などに限られてしまっている。
そんな王族の末席であるディフダ家のアリーシャ王女は、近年積極的に政治への関わりを持とうとしている様子だ。
彼女は軍の教導騎士であるマルトラン卿を師と仰ぎ、「姫騎士」とあだ名される憂国の士である。
人心が荒み、ローランスとの開戦の機運も高い現状を憂えての行動だが、バルトロ大臣らは王族の復権を狙ったものではないかと危機感を募らせている。
最終更新:2017年02月24日 13:33