ストーリーの相違点

聖剣祭で憑魔が生まれた原因

原作
ローランス帝国との緊迫した状態が続く中、ここ数年行われることのなかった聖剣祭を開催し、こんな状況だからこそ伝統ある祭事を国民に楽しんでもらおうと祭りを決行するアリーシャ。
しかし民衆からは戦争に対する不満や不安が爆発し、バルトロの息がかかった衛兵が騒ぎに便乗し民衆に刃を向ける。この暴動はバルトロによって仕組まれたものであった。騒ぎに巻き込まれた民衆の不安や怒りから穢れが生まれ、憑魔へと変貌した。

アニメ
聖剣祭に訪れた国民の中から徴兵しようと目論むバルトロに対抗する形で、アリーシャは民衆に対し「攻撃を受けてから軍事力を行使する」という専守防衛論を掲げる。しかし両国間は軍事衝突を避けられない状態にあり、今にも戦争が始まろうかという状況下でローランス側が戦争を仕掛けてきた場合には国境付近の町村に犠牲が出る可能性もあり、当然民衆は恐れや不安を持つ。
アリーシャの専守防衛論は災厄の恐ろしさを目の当たりにし、人間同士で争っている場合ではないという考えからの発言ではあるが、この場にいる民衆がその事情を知る由もなく。結果的にアリーシャの演説が起爆剤となり、民衆の負の感情から憑魔が生まれることとなった。

ライラとの契約の流れ

原作
聖剣を抜こうとするスレイを、ライラは悲痛な声で制止する。天族と契約し「器」となることは、導師の宿命を背負うということ。浄化の力といった超常的な能力を操る代償に、人から疎まれたり、苦渋の選択を迫られることもあるだろう。
自分と契約することで、その想像を越えた孤独な戦いを背負わせてしまうことに躊躇いを感じるライラ。ミクリオも、この緊迫した状況でスレイに重大な決断を迫ることを非難する。しかしスレイは世界中の遺跡を探検したい、伝説の時代のように人と天族が幸せに暮らす方法を見つけたいのだと語り始める。
憑魔を浄化することで人と天族を救えるなら、それは自分の追いかけてる夢と繋がっているかもしれない。だから導師となって、この身を器として捧げ宿命を背負うのだと、スレイは決意を掲げて聖剣を引き抜いた。

アニメ
ライラに何故導師になるのかと問われ、スレイは世界中の遺跡を探検したいことを語る。
そして、人と天族が幸せに暮らす方法を見つけることが夢であると。憑魔を浄化することで人と天族を救えるなら、自分が追いかけてる夢と繋がっているかもしれない。そう言ってスレイは聖剣に手を伸ばす。ライラは、天族である自分と契約し「器」となることは、導師の宿命を背負うことだと説明する。
浄化の力といった超常的な能力を操る代償に、人から疎まれたり、苦渋の選択を迫られることもあるだろう。導師になるということは想像を超えた孤独な戦いを意味する。しかしスレイは、目の前の人達を助けたい、導師という道の先に自分の夢があるのだと信じ、聖剣を引き抜いた。

補足:スレイの決意表明、ライラが導師の宿命について説明する順序が入れ替わっている為少し印象が変わっている
原作のライラはスレイに導師の宿命を背負わせてしまうことに対し気遣い、案じている様子が見受けられる

バルトロとの会食の様子

原作
内務大臣であるバルトロを始めとし、国の中心人物が揃った会食に案内されるスレイ。毒の混入を怪しむミクリオとは対象的に、スレイは無警戒に食事に手を付ける。バルトロ達は導師であるスレイと王族であるアリーシャがお互いを利用し、何か画策しているのではないかと疑いの目を向けるが、スレイは「アリーシャを利用なんてしないし、導師はそういう存在じゃない」と反論する。
対するバルトロは、国民が導師を支持し始めていることこそが問題なのだと言い、導師を配下に入れようと取り引きを持ちかける。そしてハイランドを守護する導師となり、その立場を利用して愚かな民衆達を操ることを要求する。同時に、アリーシャを疫病の街に左遷させて、あわよくばそのまま疫病で命を落とすことを望んでいるという
スレイはバルトロ達の話を一通り聞いた上で「残念だな。話してわかる人達じゃなかった」と結論を出し、バルトロ達の要求を断った。

補足:このあと暗殺ギルドである「風の骨」がバルトロ達の命を狙いに来るが、その場に居合わせたアリーシャは「ハイランドに必要な者なのだ」と殺さないように懇願する。アニメではカットされている為そのような描写はない

アニメ
バルトロとの会食に招待されたスレイは、アリーシャとの関係について問われる。「友達だ」と答えるスレイに対し、バルトロは自分とも友達になってくれないかと提案するが、スレイは「オレと友達になりたいの?そうは見えないけど」と、バルトロの話を聞く前から否定的な態度を見せる。
乾杯を促され飲み物を手に取ったスレイを制し、警戒したミクリオが毒味役を買って出る。毒が入っていないことをしっかり見届けてから手を付けるスレイ。バルトロはスレイに対し「導師の力を借りたい」と誘いをかけるが、スレイはその誘いを一蹴。世界を良くする手がかりを探す為ドラゴン伝承を追うのだと一方的に話し、バルトロとの会食を終える。

疑問点:原作のスレイは偏見を持たず誰にでも公平な態度を取るが、アニメではアリーシャとバルトロが対立している事情を知ってか、バルトロに対し否定的な先入観を持っている様子
最終更新:2017年03月22日 19:47