238 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/30(木) 15:26:06.44 ID:FDMIWFX/o
アラ焼き肉とアラ骨付き肉が完成し、一同は遅めの昼食を堪能した。
業者「アライ肉うめぇな」
業者2「マニアに人気のアラジビってやつですぜ」
院長「アライちゃん一匹分だと量が少ないのが難点だね。今回は膝下だけだから特に。」
アライちゃん「」ボーッ
アライちゃんは放心していた。
切断された自分の足を目の前で料理され、食べられているのだ。抵抗もできず懇願しても聞いてもらえない。はっきり言って心が折れかかっている。
一同は一旦部屋から離れ、アライちゃん一匹だけが残された。
静かな手術室で、こんなことにならなかった幸せな未来のことを考えている。
アライちゃん「あらいしゃんのよるごはんもおにくなのりゃ…かいぬししゃんがかってきてくれて…おいちくやいてくれて…いっしょにたべるのりゃ…いーこにしてたからあたまなでてもらって…いつもよりいっぱいたべさせてもらうのりゃ…」
一同は食べ足りない分を他の食べ物で満たして、再び手術室に戻ってきた。
院長「続きを始めるよ。次は左肘だね。」シャキン
いちいち形を変えるのが面倒になってきたので、大字架を仰向けの形に戻さず、鋏を近づけた。切断するところを見せてあげよう。
アライちゃん「ま、まつのりゃ!かたてじゃコスコスできないのりゃ!治せなくてしんじゃうのりゃ!あらいしゃんのききなのりゃ!」ブルブル
現実に引き戻されたアライちゃんは恐怖のあまり、すぐにバレる嘘をついた。
院長「なんで今日知ったばかりの能力なのにそんなことが分かるのかな?ちなみに時間はかかるけど片手でもちゃんと回復するから安心してね。」
アライちゃん「やめるのりゃぁぁぁぁぁあああ!!!おててだけはやめるのりゃあああ!!!それちかづけちゃらめなのりゃああああああああ!!!!モゴッ!?」ジョギン!
業者「タオル噛ませるまで待ってくださいよボス…」
院長「いやーやっぱギリギリまで喋らせた方が面白いからねーナイスアシスタント」
アライちゃん「ムグゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!ムギュゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!フゥーーーーーッ!!!フゥーーーーーッ!!!」ジョロロロロ…ナミダボロボロ
本日3度目の切断。水分補給をしたあとなのでアライちゃんの失禁の両も多かった。
業者2(この役目やだなー)と心の中で愚痴りながら尿の処理をしている。
そしてアライちゃんの右手で左肘の切断面をコスらせ、タオルを取った。
アライちゃん「のぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁああああん!のおおおおおりゃあああああああん!」コスリコスリナミダボロボロ
大きな声で泣きながら切断面をコスっているが、やはり先程までよりも治りが遅い。業者は切断した腕から血を絞り出して注射器に装填し、アライちゃんに輸血した。
アライちゃん「びぃ!!??いぢゃいのりゃあああああああ!!!」ナミダボロボロ
泣きっ面に蜂というレベルを超えているが衰弱されると反応が弱くなり面白くないので早めに輸血しておいた。
傷口が塞がるころにはもう夕方になっていた。
業者「今日のところは次でラストだ!最後の右手も貰ってくぜ!」
業者2「俺たちも夜には帰りてぇからな!今日は殺さねぇって約束してやるよ!」
アライちゃん「こんどこそまつのりゃ!さいごのおててまでなくなったらどうやってコスコスするのりゃ!なおせなくてしんじゃうのりゃ!やくそくをやぶるやつはがいじなんだぞぉ!」フゥーッ!フゥーッ!キュルルルル!
最後の腕だけは死守したいのか、必死に考えて喋ってから威嚇するアライちゃん。
業者2「ガイジはお前だクソ害獣!ボスが言ってた言葉を忘れたのか!」
院長「治せなきゃもっと痛い方法で血を止めるって言ったよね。」
アライちゃんは青ざめた
続く
足は両足同時に切っとけばもっと短くできたし展開のマンネリ感も少し緩和できたなぁと反省
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/31(金) 15:53:22.41 ID:Ew4CIlL4o
もう割と手遅れだろうに、それでも最後の右腕だけは残したいアライちゃんは、今までの強気な言葉を辞めて丁寧な言葉で無駄なお願いをした。
アライちゃん「ひとしゃんたち…どうかおねがいしますなのりゃ…グスッ…このおててだけはとらないでくだしゃいなのりゃ…グスッ」ポロポロ
業者2「よしよしもうすぐ終わるから頑張れよ~」
業者「ほらタオルでも噛んで元気出せよ」ギュ
院長「今夜は良く寝て体力つけるんだぞ~」シャキーン
三人は思い思いの優しい言葉をかけてあげた。
アライちゃん「むーーーーっ!!!!むぐーーーーっ!!!!」フゥーーーッ!!!フゥーーーッ!!!カオブンブンブンブン!!!シッポブンブンブンブン!!!
今までで一番元気な抵抗だったかもしれない。動かせる部分を力いっぱいバタつかせながら、大粒の涙を流し院長をにらめつけている。鋏を近づけるほどその動きは激しくなり、鋏を閉じれば腕が切断されるところまで行くと、アライちゃんは目を閉じた。
が、最後に最大の恐怖を植え付けるため、業者は指で無理やり目を開かせ顔を向けさせた。
ジョギン!
4度目の鈍い切断音がしたと同時にアライちゃんは失禁し、気絶してしまった。
院長「止血で思いっきり切断面をギュッと締め付けるから痛みで泣き叫ぶだろうと思ってたけどそうか、そりゃ気絶するわな。」
業者2「もう充分恐怖は味わったでしょう」
業者「あとは監視カメラで観察ですね。お客さんにも連絡してきます。」
素に戻った3人だった。いや院長は最初から素だったが。
不思議な能力に頼らない普通の止血をし、最後に切った腕から血を絞り出し注射で輸血を済ますと、アライちゃんの拘束を解いて牢屋型のケージに移し、残された上腕と太もも、それから腹をベルトで締め固定して、入り口を南京錠でロックした。そして手術室の隣の物置き部屋に運んだ。
業者「もしもし?飼い主さんですか?処置は無事完了致しました。アライちゃんは現在気絶しておりますので、当院のリラクゼーションルームへお越しください。」
飼い主「わかりました。すぐに向かいます。」
10数分後、飼い主が車で来た。リラクゼーションルームへ案内し、そこで監視カメラでアライちゃんの目覚めを待つ。
院長「処置を担当した院長です。これからの感動の再開から救出のシナリオ、メンタルのケアのご用意はされていますか?」
飼い主「本日はありがとうございました。バッチリです。ここを利用すると決めたときからずっと妄想してましたから。」
業者2「なんというか、良い子に育てられてましたね、あのアライちゃん。拐うときも勇敢でしたし、貴方を呼ぶことはあっても、一度もお母さんとは言いませんでした。丁寧な言葉まで使い出したときはジーンと来ましたよ。」
飼い主「そうですか、嬉しいもんですね。あ、目が覚めたんじゃないですか?」
業者「動いてますね、目も開いてますよ。一度院内の電気を消しますので、潜入したみたいな感じで助け出してください。」
鍵の位置や脱出ルートを一通り確認すると、飼い主はアライちゃんのいる部屋へ向かった。業者二人はコンビニへ行き、院長は仮眠室で事が終わるのを待った。
続く
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/31(金) 17:51:50.95 ID:Ew4CIlL4o
アライちゃん「かいぬししゃん…みじかいあいだだったけど、しあわせだったのりゃ…かいぬししゃんしゅきしゅきなのりゃ…」ポロポロ
アライちゃんは飼い主と出会ってからの幸せな日々を思い出し、泣いている。
アライちゃん「のぉぉぉぉぉおあああああああん!のぉぉぉぉぉりゃあああああああん!かいぬししゃぁぁぁぁぁあん!!あらいしゃんのこと、いっぱいいーっぱい!あいしてくれてありがとーなのりゃぁぁぁぁぁああああ!」ボロボロ
カチャッ、キィー…
アライちゃん「!?」ビクッ
大声で泣きながら飼い主へ今までの感謝を口にしていたところで、扉が開く音がした。アライちゃんはまたあの怖い人たちが来たのだと怯え、震えた。
飼い主「アライさん!ここにいるの!?」
アライちゃん「ぴぇ?そのこえ、かいぬししゃんなのりゃ?」シッポフリフリ
飼い主「よかった!ほんとにアライさんなんだね!えっ、その手足…そんな…」知らんぷりー
アライちゃん「かいぬししゃん…あらいしゃんのおててとあんよ、わるいひとしゃんたちにとられちゃったのりゃ…グスッ…」ポロポロ
アライちゃん「こんなあらいしゃんでもかいぬししゃんはかぁいーかぁいーってあたまなでてくれるのりゃ?じぶんでおといれいけないあらいしゃんを、おこらないでいてくれるのりゃ?」ビクビク
見捨てられないか不安でいっぱいのアライちゃん。
飼い主「大丈夫だよ、アライさん。これからもずーっと一緒の家族だから。まずはここから出よう。そして二人のお家に帰ろう!」
アライちゃん「かいぬししゃん…!ありがとうなのりゃ!やっぱりかいぬししゃんしゅきしゅきなのりゃ~♪」
南京錠の鍵を探しケージを開け、アライちゃんを拘束していたベルトを外した。アライちゃんを優しく抱くと、アライちゃんは嬉し泣きしていた。
普通に外に出て車に乗り込み、アライちゃんを胸ポケットに入れた。これは初めてだった。
アライちゃん「ここあったかいのりゃ~とってもおちつくのりゃ~」ルンルン
こうして、アライちゃんの無害化手術劇は終わり、一人と一匹は帰宅した。
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/31(金) 17:58:13.77 ID:Ew4CIlL4o
あの手術以来、アライちゃんはたくさんのトラウマを抱えた。
あの日の夜
飼い主「アライさん!夜ご飯は約束通りお肉だよ!」
アライちゃん「やったー!うれしーのりゃ!おっにく♪おっにく♪…」
アライちゃん「ひとしゃん…これなんのおにくなのりゃ?おしえてほしーのりゃ…」ブルブル
飼い主「これは牛っていう動物のお肉だよ。」
アライちゃん「あんしんしたのりゃ!おしえてくれてありがとーなのりゃ!」ニッコリ
翌朝
アライちゃん「ひとしゃん!おしごといかないでほしーのりゃ!せめてあらいしゃんもつれてってほしいのりゃ!」ビエーン
やっぱそうなるかーと思ったがバッチリ二連休だ。今日中に対策を練る。
飼い主「ほらアライさん、これ見て。」
アライちゃん「これなんなのりゃ?みられてるみたいなのりゃ…」ジーッ
飼い主「そのとおり。これは離れたところにいてもアライちゃんのことが見える機械なんだよ。ほら」
飼い主はスマホにアライちゃんが映っているのを見せた。
アライちゃん「ほんとなのりゃ!すごいのりゃ!でもあらいしゃんもかいぬししゃんのことみたいし、こえもききたいのりゃ」シュン
飼い主「この四角いところを見てね。」ピカッ
アライちゃん「かいぬししゃんなのりゃ!?しゅごいのりゃ!みらいてきなのりゃー!」キャッキャッ
スマホを介して飼い主がモニターに写し出された。釘付けになってるアライちゃんを見て、飼い主はこっそり部屋を抜け出した。
飼い主「おーいあらいさーん!きこえますかー?」
アライちゃん「ぴぃ!?かいぬししゃんがいなくなっててここからこえがきこえるのりゃ!?き、きこえますなのりゃー!」
なんと通話機能もついていた
飼い主「これで安心だね!」
アライちゃん「これならへーきなのりゃ!あさはわがままいってごめんなさいなのりゃ!」
手術代より高かったが、解決した。
すっかり胸ポケットを気に入ったアライちゃんと散歩をしていると、上下黒い服を着た人が通りかかった。
アライちゃん「!?こわいのりゃー…」ブルブル
サングラスをかけた人が通りかかった。
アライちゃん「ぴぃ!?ひとしゃん!にげるのりゃ!」ブルブル
家でハサミを使って作業をしていると…
アライちゃん「かいぬししゃん!それこわいのりゃ!」フゥーッ!フゥーッ!
威嚇された
このように数々のトラウマが植え付けられていた。
でも希望もあった
飼い主「アライさん、これ見て」
アライちゃん「なんなのりゃ?」クビカシゲー
胸ポケットにアライちゃんを入れてPCの画面を見せた。
ペットアライちゃんの動画だった。
生まれてすぐ手足が切られているペットアライちゃんが、肘と膝で四足歩行していた。
飼い主「これから頑張ろうね!」
アライちゃん「あらいしゃんに、おまかせなのりゃー!」ピカピカガイジガオー
術後一番良い笑顔だったかもしれない。
おわり
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage ]:2018/08/31(金) 21:30:43.99 ID:Mb9Zl+VOo
乙ー
アラ虐しつつも愛でるの好き
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/31(金) 23:03:40.07 ID:uJsiGyPH0
乙乙おっつ
虐待あり(歪んだ)愛情ありで新鮮に楽しめました
最終更新:2018年09月03日 17:58