アライスナッフ

1: 19vndrf8Aw★ :2019/01/30(水) 21:45:12 ID:???00
アライさん「きーのこ♪きーのこ♪どーこにあるのだ?」ノソリノソリ

森の中に一匹、蠢くフレンズがいる。

アライグマのフレンズだ。

アライさん「あったのだ!…ふんふん、これは食べれるのか?」クンクン

どうやらキノコを探しているようだ。
今嗅いでいるのはタマゴタケ。生でも食べれるキノコだ。

アライさん「いただきますなのだー!もぐもぐ…」ムシャムシャ

アライグマは生えているキノコを拾い、生で食った。
随分物好きなものだ。
ラッキービーストからジャパリまんを貰えばいいものを。

ここはフレンズ達のいる施設「プラネットアース」。

地球の様々な自然環境を再現しており、様々なフレンズ達が仲良く暮らしている。
同種のフレンズが別個体で多数存在しているのが特徴だ。

…そして、フレンズ達の特徴といえば。
フレンズ達はちからくらべをすることはあっても、本気で喧嘩することはない。

皆イイ奴で、根が優しいのである。
目の前にいる、アライグマのフレンズも含めて。


2: 19vndrf8Aw★ :2019/01/30(水) 21:51:01 ID:???00
アライさん「お?ヒトなのだ。こんにちはなのだー!」トテトテ

アライグマのフレンズがこちらへやってきた。

アライさん「遊びにきたのか?よーし、アライさんと一緒に遊ぶのだー!」キラキラ

アライグマは目を輝かせて、俺に構ってもらうことを期待しているようだ。
ヒトの観光客と会うのが楽しみで仕方がないのだろう。

アライさん「何するのだ?かけっこか?それとも木登り教えてあげてもいいのだ!」クルッ

アライグマは後ろを向いた。
ヒトは基本的に無害なものだと信じて疑っていないらしい。
いかなるヒトとも仲良くできると思っているらしい。

…バカな奴だ。
俺が不法侵入者であるとも知らずに。

俺は釘バットを取り出すと、アライグマの後頭部を思い切りぶん殴った。

アライさん「ぐびゃあっ!?」ドサァ

アライグマは地面に昏倒した。

アライさん「ぐびひぃいいいいいっ!!いだいいいぃっ!!いだいのだあああっ!!」ジタバタ

アライグマは後頭部を押さえてじたばたと暴れている。

アライさん「うぅ、ぅうう!ちからくらべで…道具を使うのは反則なのだぁ!!」フゥフゥ

アライグマは涙目でこちらを睨んでくる。


3: 19vndrf8Aw★ :2019/01/30(水) 21:56:19 ID:???00
アライさん「お前ちからくらべのルール分かってないのか!?仕方ないのだ…アライさんが教えてやるのだ!」

アライグマはよほど痛いのか、地面に座ったまま話し始めた。

アライさん「まず、ちからくらべは2対2でやるもんなのだ!お前もパートナーを探して…」

何やら見当違いなことをくっちゃべっているアライグマの顔面に、俺は唐辛子スプレーを噴射した。

アライさん「うっ…!!?ぐぅううっぎゃああああああーーーーっ!!!いだいいいぃ!いだいいだいめがいだいいいぃ!!」ジタバタ

アライグマは目を押さえてじたばたと暴れた。

こうなってしまえばこっちのものだ。

俺はアライグマの頭部に釘バットを叩きこんだ。

アライさん「ぎっ…ひぃいい!ぎひぃいいいいいっ!!!だずげでええ!!ふぇねっくぅううう!!へねっぐぅううう!!」ビエエエン

アライグマは激痛のあまり、大声で泣き叫んだ。
いいぞ、もっと泣き叫べ。
その悲鳴がお前の価値を高める。

俺はアライグマの鼻を、釘バットで思い切り叩き潰した。

アライさん「ぶぎゅぅううっ!!」グシャアアァ

アライグマの鼻がひしゃげ、どばっと鼻血が噴き出した。


4: 19vndrf8Aw★ :2019/01/30(水) 22:03:19 ID:???00
アライさん「がひゅっ…がひゅうぅぅっ…」ゴボゴボ

アライグマは血泡を吐き、顔面を血で濡らした。
何度も頭部を殴打され、脳震盪になっているのだろうか。

俺はアライグマの体に、ほどよく温めたガソリンをぶちまけた。

アライさん「ぐぶっ…ごべんなざいなのだ…なんが…わるいごど…じだなら…!あやま゛る゛がら…やべでぇ…!」グスグス

いいや、お前は何も悪いことなどしていない。
むしろ悪い事などされたら困る。
『良い子』なのがフレンズの美徳だろう?お前だってそうだ、アライグマ。

原種が害獣だかなんだか知らないが、そんなことは関係ない。
キタキツネも、ビーバーも、プレーリーも害獣だが、みんなフレンズとしては良い子達になっている。

それがいいんだ。

俺はマッチに火をつけ、アライグマへ投げた。

アライさん「ごぼ…ひゅっ…!?ぐ、ぐぃぎぃいいいい!!あっづぅういいいいいい!!!」ゴロゴロ

アライグマはごろごろと転がり、地面の上で愉快なダンスを見せた。

アライさん「あづいあづいあっづぅううういいいいいーーーーっ!!!ああああああああっ!!!あぎゃああああ!!」ゴロンゴロン

まさしくドッタンバッタン大騒ぎだな。
実に滑稽だ。

俺はその様子を、ヘルメットに装着したカメラと収音マイクによって一部始終逃さず記録する。

フレンズが苦しむ姿、それを映像として残すために。


5: 19vndrf8Aw★ :2019/01/30(水) 22:12:24 ID:???00
アライさん「がああああっ!!ぁあああああっ!!!だずげでええええ!!あづいいいいい!!だずげでなのだああああ!!!」ゴロゴロ

俺はそのままアライグマが煙をたてて燃えていく姿を撮影し続けた。

???「!?どうしたの!?アライさん!?なんでそんなに騒いでるの!?」ガサッ

そこへショーをさらに盛り上げるゲストがやってきた。

フェネック「!!?…あ、アライさん!!な、なにそれ!?あ、赤いのが…めらめら…大丈夫!?」

アライグマのフレンズと気が合うといわれるフレンズ、フェネック。その一個体だ。
俺は特殊スーツの光学迷彩をONにし、姿を消した。

アライさん「へねっぐぅううう!!だずげでえええ!!!あああああああっ!!」メラメラパチパチ

フェネック「あ、ああああ、ど、どうすればいいの!?あ、アライさん!!」スッ

フェネックは慌てて、アライさんに触れようとした。今まで火など見たことがないのだろう。

フェネック「あっっついいいっ!!」バッ

フェネックはすぐに手を離した。そう、それでいい。
アライグマ以外のフレンズが肉体的苦痛を味わう姿が映るのは減点評価だからな。

アライさん「が…ぁ…ア…」ジュウゥウウ…

やがてアライグマは意識を失い始めた。

フェネック「いや、嫌ぁああ!あ、ぁああ!!ら、ラッキーさん…ラッキーさん!!アライさんが!!アライさんがあああ!!」

フェネックは大声でラッキービーストを呼び始めた。

フェネック「こ、この赤いの消せばいいの!?ぅ、ぅあああ!!熱いぃいいっ!!」バッバッ

フェネックはアライグマの体表を手でこすって火を払おうとしているようだが、フェネックの手袋に火が燃え移るだけだった。


6: 19vndrf8Aw★ :2019/01/30(水) 22:18:05 ID:???00
アライさん「」ジュウゥウウウ…

やがて火が消えた。

フェネック「アライさん!!!やだよ!!死んじゃやだよおおおおっ!!起きて!!おきてええっ!!」ユサユサ

あの飄々としたフェネックが、今まで見せたことのない表情をして慌て、アライグマを揺さぶっている。

アライさん「…へね、ぐ…」

フェネック「!!アライさん!!も、もうすぐラッキーさんが来てくれるから!!頑張って!!」

アライさん「…ご、べ…な、ざ…」

アライさん「」ガクリ

フェネック「!!?な、なに、黙らないで、黙らないでアライさん!!アライさんっ!!」ユサユサ

俺はスーツの消音機能をオンにして、地面の上を歩きアライグマに近づいた。
耳の良いフェネックにすら、俺の足音は聞こえていない。

フェネック「やだあああああ!!死んじゃやだあああああっ!!うわあああああっ!!!」

フェネックは大声で泣き叫んでいる。
大げさな奴だ。代わりなら他にいくらでもいるだろう。
アライグマのフレンズなんぞ、探し回っていればいくらでも見つかる。

今まで俺がそうしてきたようにな。
俺はアライグマの焼死体の顔面を、アップにして撮影した。

醜く焼けただれ、釘バットで打ちのめされた顔は、この上なく醜く、芸術的だった。

もういいだろう。目当てのものは撮れた。
俺はアライグマのフレンズの死骸に触れると、ワープ装置でプラネットアースから脱出した。


7: 19vndrf8Aw★ :2019/01/30(水) 22:29:40 ID:???00

~闇サークル『アラコロス』本部~

俺はワープによって、日本に戻ってきた。
フレンズの焼死体をひとつ抱えて。

ウルゼ「ヒューヒュー――!!」パチパチパチパチ

テキパ「中継見てたぞ!最高だったぜ!」パチパチパチパチ

マーケ「きったねえツラしやがって、クソ害獣が!元々醜いツラがさらに醜くなったな!」ゲラゲラ

狭い部屋で、3人の人間が俺を出迎えた。

俺が所属する闇サークル『アラコロス』のメンバーだ。

ウルゼ「さて、編集したら早速販売するぜー!」カタカタ

メンバーの一人、ウルゼは、俺がプラネットアースで撮影してきたアラ虐映像を編集し始めた。

テキパ「そんじゃ、その死体は冷凍庫に詰めておくぜー」ガチャッ

メンバーの一人、テキパは、アライグマのフレンズの焼死体をてきぱきとビニール袋に詰め、冷凍庫に入れた。

マーケ「お疲れ、カルゼ。お前はしばらく休んでな。さて、新着の動画と死体が入荷したこと宣伝しとくか」カタカタ

カルゼというのは俺のことだ。
メンバーの一人、マーケは、ネットの闇マーケットで新作入荷の宣伝を始めた。

すぐにイカれた客共が、映像の予約と、死体の競売に群がった。

この闇マーケットで、麻薬と武器と移植用臓器の次に人気の商品。

それが俺たちが販売する戦利品だ。


8: 19vndrf8Aw★ :2019/01/30(水) 22:37:22 ID:???00
ウルゼ「あははははは!!!アライグマの焼死体オークション!!あっという間に200万円超えたぜ!!こりゃ車買えるぞ車!!」ゲラゲラ

マーケ「俺の宣伝が良かったおかげだろ?なーんて嘘嘘。お前らみんなの手腕あってだよ」

テキパ「まったくだな。みんなのチームワークあってこそだ」

ああ、まったくその通りだ。
映像編集の方はどうだ、ウルゼ?

ウルゼ「ああ。終わった終わった。みんな生映像に近くて無編集の方が大好きだからな。よいしょっと、アップロード開始!」カタッ

アップロードが終わると、マーケットに新作のアラ虐映像が並んだ。
映像の価格がビットコインで表示される。日本円に換算すると5万円相当だ。

ダウンロード数はどんどん増えていき、あっという間に100を超えた。
つまりこの一瞬で、俺達は500万円稼いだことになる。



この日の仕事は終わった。

サラリーマンの年収をゆうに超えるほどの大金を稼いだ俺達は、利益をイーブンに山分けした。

まったく、これだからやめられないねえ。

アライグマのフレンズ専門のスナッフビデオ販売、アライスナッフは。


9: 19vndrf8Aw★ :2019/01/30(水) 22:38:09 ID:???00
おしまい


続くかもしれないし、続かないかもしれない


12: sage (ワッチョイ 28ba-070a) :2019/01/31(木) 23:59:57 ID:y0qwhM1E00
面白かった
乙です




最終更新:2019年04月07日 22:17