81: 19vndrf8Aw★ :2019/02/22(金) 21:51:33 ID:???Sd
…
娯楽施設で、もしも事故によって客に怪我をさせてしまった場合。
その経営者は、果たして何をすべきであろうか?
客への謝罪…
それは必要だ。
だが、全く足りない。
謝って済むなら警察はいらない。
形だけの謝罪で全ての罪を帳消しにしてもらおう等と言語道断である。
賠償…
それも必要だ。
だが、まだ足りない。
金を払うだけで楽して解決しようというのは不誠実というものだ。
『金は払うから黙れ』などと、単なる揉み消し、誤魔化しにすぎない。
では、何をしなくてはならないというのか?
無論、それは決まっている。
『再発防止の努力』である。
82: 19vndrf8Aw★ :2019/02/22(金) 22:05:26 ID:???Sd
真に誠意を以て反省するならば。
平謝りをして金を握らせるだけで済まそうとしてはならない。
なぜなら客や多くの人は、『また同じ事故を起こすかもしれない』と疑い、信用しなくなるからである。
信用を取り戻すために。
二度と同じ過ちを繰り返さないために。
原因を探り、再発防止の努力に取り組み続け、多くの人へその結果を報告する。
そうして初めて、信用は取り戻せるのである。
ボス『…かばん…無事でよかった、でも…』
ここジャパリパークは、現在無人と化しているが、ラッキービースト達は今も尚ここを『娯楽施設』として運営している。
そしてラッキービースト達には、不完全だが『心』や『倫理観』がプログラミングされている。
故にラッキービースト達は考えた。
『かばんへ誠意を以て謝罪し、反省しなければ』と。
『二度と同じ事故を繰り返さないために、再発防止の努力に取り組まなければ』と。
83: 19vndrf8Aw★ :2019/02/22(金) 22:14:20 ID:???Sd
ボス『…計算中、計算中…』
今回の痛ましい事故は…
人間が娯楽施設内で傷付けられ、命の危機に瀕した事件は…
何が原因だった?
どうすれば今後防止できる?
ラッキービースト達は、ひたすら考えた。
そして、ある一つの結論に達した。
…それは、かばんが退院した日。
フレンズホスピタルへ運び込まれてから、4日後のことであった。
84: 19vndrf8Aw★ :2019/02/22(金) 22:23:23 ID:???00
…
かばんは運び込まれてから四日後に退院した。
かばん「また山に行かないと…。今もあの大きなセルリアンは暴れてるはずだよ」
サーバル「あ、危ないよかばんちゃん!」アセアセ
かばん「…サーバルちゃん、それでも、セルリアンハンターのみんなだって危険を冒してくれてるんだ。ぼくも行かなきゃ!」
フェネック「アライさん…アライさんはどうしてるんだろう…心配だなあ。ちゃんとお灸をすえないと」
ボス『おはよう、かばん』ピョコピョコ
かばん「おはよう、ラッキーさん。あの、僕をまた山の上に…」
ボス『その前に、きみに大事な話があるんだ』
かばん「大事な…話?」
ボス『みんな、こっちについてきて』ピョコピョコ
サーバル「なになにー?」トテトテ
フェネック「…」
ボス『フェネック、君もだよ』
フェネック「え…ラッキーさんが私を呼んだ?な、なんで…」トテトテ
一行は、ボスの後をついていった。
すると何やら大きな建物についた。
建物へ入る一行。
かばん「ここは…?」
ボス『ここは、フレンズファクトリーだよ。ごらん』
ボスの視線の先をたどると…
フェネック「!!!」
アライさん「ァア゛ぁ~…おながが、ずいだのだぁあああ…」ゲッソリ
フェネック「あ…アライさん…!」
ガラスの壁の向こうには、ワイヤーで拘束され、すっかり痩せ細ったアライさんがいた。
どうやらこの四日間、ずっと食事を与えられていなかったようだ。
…水だけは与えられていたようだが。
アライさん「うぅうう、もうアライさんは反省したのだぁ!謝るからあ!ここから出すのだぁ!」ジタバタ
必死にもがくアライさんだったが、ワイヤーは外れない。
85: 19vndrf8Aw★ :2019/02/22(金) 22:35:46 ID:???Sd
フェネック「ラッキーさん…!こ、これは!?アライさんに何をしてるの!?」
ボス『かばん様。この度は僕達の管理不足によって、多大なるご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ありませんでした』ペコリ
かばん「え…ら、ラッキーさんのせいじゃ…」
ボス『僕達はこれから、もう二度とこんな事件が起きないように、再発防止策を実施します』
かばん「再発…防止…?」キョトン
アライさん「うぅー!離す…のだぁ!フェネックぅ…たすけてぇ…!こいつら、が…アライさんを…虐めるのだぁ…!」フゥーッフゥーッ
ガラスの壁の向こうにいるアライさんはワイヤーで拘束されたまま、助けを求めている。
フェネック「…何を、するの?」
フェネックの声は震えていた。
86: 19vndrf8Aw★ :2019/02/22(金) 23:06:11 ID:???Sd
ボス『アライグマ、何か言うことはないかな』
アライさん「…!あ、お前、あのときの帽子泥棒なのだ!うぬぬぅー…!お前が…!」
アライさん「アライさんの帽子を取らなかったら!アライさんがこんな目に遭うことはなかったのだぁっ!」
かばん「うっ…ご、ご、ごめん、なさい…」
サーバル「何言ってるの!?そんなことする子じゃないよ!」
フェネック「アライさん!!謝って!!今すぐに!!!早く!!!」
アライさん「ふぇ、フェネックまで…!うぅ~!おかしいのだぁ!なんで、なんで、アライさんが謝るのだ、アライさんの帽子なのに、アライさんが取られたのに…っ!」
ボス『…アライグマに、悪意は無いよ』
かばん「…うん」
ボス『アライグマは、君に嫌がらせをしたがっている訳じゃないんだ。本当に自分が正しいと思っていて、自分が間違っているだなんて全く思っていないよ』
かばん「…でも、それでいいと思います」
サーバル「かばんちゃん…」
かばん「分かり合えないことだってあるかもしれません。だけど…」
87: 19vndrf8Aw★ :2019/02/22(金) 23:14:43 ID:???Sd
ボス『だから、アライグマに改善は期待できない。二度と君に危害を加えさせないために…』
ボス『処分するよ』ポチッ
ラッキービーストは何かのスイッチを押した。
かばん「処…分…?」
アライさん「のだっ!のだっ!アライさんは悪くないのだっ!そこの帽子泥棒もそう言ってるだろぉ!アライさんはヒガイシャなんだぞぉ!エンザイなんだぞぉ!」ジタバタ
すると、拘束されているアライさんの部屋に…
水「」ドボボボボボボボ
なんと水が注がれ始めた。
アライさん「のだ?…おお、お水なのだ!喉渇いてたのだ、ぺちゃぺちゃ…」ジュルジュル
アライさんは、呑気に水を飲んで水分補給をしている。
88: 19vndrf8Aw★ :2019/02/22(金) 23:15:15 ID:???Sd
つづく
89: 名無しさん (ワッチョイ 2044-4de3) :2019/02/22(金) 23:55:54 ID:wpWh36pM00
更新乙です!
やはりアライさんに更生の余地は皆無のようですね…
91: 名無しさん (ワッチョイ bf9c-1d1b) :2019/03/27(水) 22:28:19 ID:MFz34jYI00
LBサイセイシステムサドウ…イッケンノビデオヲサイセイシマス
ザ…ザザ…ザザ
?「私の名前は獣尾 守。21世紀の動物学者である。」
獣尾「人間嫌いだった私は誰よりも動物を愛した。」
獣尾「船で誰もいない島へ行って、まあ一緒に暮らそうと考えた…。」
獣尾「だが…超巨大ハリケーンに巻き込まれ、気が付くとある島に到着していた。そこである1匹の動物がキューブ状の物質サンドスターに当たった瞬間のちに「フレンズ」と呼ばれる形態に変化した。」
獣尾「これは偶然とはいえ、これはまたとないチャンスだった。」
獣尾「ここなら人間に見つかることはない、若かった私は悪魔のささやきに耳を貸してしまったのだ。」
獣尾「ここをジャパリパークにしようと、あらゆる種類の動物を…まあ、勝手にフレンズにしたんだ。」
獣尾「そしてフレンズたちにあらゆる知識を与えた」
獣尾「だが…フレンズにも不良品がいた」
獣尾「私の最後の仕事はそいつらをどうにかする事だ。」
獣尾「そこで奴らをサンドスター山の奥地におびき出し…氷の下に封じ込めることはできたが、私ももう長くはない…。」
獣尾「未来のジャパリパークのフレンズたちよ…。アライさんを目覚めさせ…は…ならん……。」
ビデオサイセイシュウリョウ
最終更新:2019年04月09日 00:40