ミミズクワーク 後編

準備

下見の現場までの道でアライちゃん3匹を生け捕りにし、2人でそのまま足を進めていく。
途中で見える家の塀には、アライさんよけのために有刺鉄線などが張られていた。それほどの対策をしないと、被害を最小限に抑えることが難しいということだろう。実際、家庭菜園をしていたであろうプランターの野菜は、何者かにかじりとられた跡がある。その他にも、有刺鉄線の一部が茶色く変色していた。おそらく、アライさん達が引っかかった跡であろう。
そのまま進んでいくと。

リョウ「ここですね。」

夜に害獣駆除を決行する場所へ到着した。

俺「ここか。予想よりも視界も広く取れていいんじゃないか?」

リョウ「そうですね。思ったよりも地面が盛り上がっていて、2つの畑が見える。距離も丁度いいくらいじゃないですかね。」

俺「よし。じゃあ、場所も分かったことだし村長に挨拶しに行くか。ついでに畑の近くの人には離れてもらったほうが安全だろうしな。」

リョウ「そうですね。」

そう言うと村長の家へと向かった。家はその畑からはそこまで離れておらず、5分足らずで到着した。

ピンポーン

村長「おお、来てくれたか。」

俺「ミミズク害獣駆除組織のワヅツミです。今回の依頼のために来ました。」スッ

俺は、名刺を村長へ渡した。

俺「早速、依頼の件でお話をさせてもらいたいのですがよろしいでしょうか?」

村長「構わんよ、あの害獣がいなくなるだけで満足じゃ。」

リョウ「それでは私から説明します。今夜、この位置で例の畑へ顔を出した害獣たちを待ち伏せします。そして、頃合いを見て猟銃でそれを狙撃します。害獣たちは一目散に、群れている場所へ向かって逃げるはずです。それを追って全て駆除します。」

リョウ「それでお願いがあります。この畑の近隣の村民を、避難させていただきたいのです。猟銃を使用しますので、安全の面から村民は離れていて欲しいのです。」

村長「分かった。そこの家には公民館に避難してもらうように話を通しておこう。」

リョウ「ありがとうございます。それでは私達はこれで。」

2人で一礼し、その家を後にした。

俺「後は夜まで待つだけか?」

リョウ「いいえ、畑に少しばかりダミーで野菜に似せたものをおいておきたいです。早すぎても違うのが掛かっちゃうと意味がないので夕方くらいに。」

俺「分かった。とりあえず俺は、夜までの食料の買出しにでも行ってくるぜ。」

リョウ「お願いします。僕はダミーの準備をしておくので。」

そのまま2人で車へ戻っていった。


待ち伏せ

俺達はそのまま準備を進め、夜に差し掛かる。
近くに乗ってきたミニバンを寄せ、追う段階で銃をいつでもしまえるようにしてある。

籠のアライちゃんたち「うゆ...おなかしゅいたのだぁ...」

アライちゃんは幼獣から成獣になるまでたった2年と、短い期間で急成長する。そのため、身体に見合わない量の食べ物を平らげる。カロリー消費量が極端に多いのだ。

俺「チッ...うるせぇな。」

リョウ「まあ少しの辛抱ですよ。」

そう言った時だった。

ガサガサ

森アライさん1「くんくん...いいにおいがするのだ!」コスリコスリ
森アライさん2「畑のまんまるがあるのだ!人間よりも素早く採るのだ!天下もとるのだ!」コスリコスリ
森アライさん3「今日はたっくさんまんまるがあるのだー!」コスリコスリコスリコスリ
森アライさん4「アライさんたちのご飯なのだ!チビたちに持って帰るのだ!」コスリスリ

俺「おっ!こっち4匹来たぞ」

リョウ「こっちも当たりです。3匹いますね。」

森アライさん5「ふはははは~!アライさんの畑なのだー!」ドヤガイジガオ
森アライさん6「アライさんのお宝なのだーっ!」コスリ
森アライさん7「かぼちゃがいっぱいなのだ!残さず持って帰るのだー!」ドヤガイジ

俺「じゃあそろそろ始めるとしますかぁ!」

俺はそのままVSSのトリガーを引き、アライさんへ向けて弾を放つ。

森アライさん1「よいしょ、このまんまるをッああぁぁぁぁああ!?!?」グシャア
森アライさん2「ど、どうしたのだ!?」

1発目は森アライさん1の右肩に命中した。
そのまま次の弾を撃ち込む。

森アライさん1「急に肩から血が出たのだああ!?ごがぁっ!!」ブシュ---ッ
森アライさん3「な、なんなのだ...?」
森アライさん4「怖いのだ!!アライさんの危機なのだ!!」

2発目は首に命中し、そのまま森アライさん1は頭と身体で2つに分離した。

俺「よし、1匹やったぜ。」

ピシュン!ピシュン!

隣のリョウのSVDからサプレッサーで消しきれていない銃声が聞こえる。

森アライさん5「ぐぎゃ!!」グシャアアッ

リョウの放った弾は森アライさん5の腹部に弾が命中し、衝撃で上半身と下半身が分裂した。ちぎれた断面からは腸がはみ出ている。
リョウの使用するSVDの弾は59口径の7.62mm弾である。その為、生命力が高いアライさんであろうと一撃で仕留める事が出来るだろう。

俺はスコープの照準を森アライさん2へ向け、トリガーを引く。

森アライさん2「とりあえず持てるだけもってにげッのだぁっ!」グジャッ

弾は森アライさん2の後頭部へ命中し、鮮血と脳の一部が飛び散った。

森アライさん2「」ドッタンバッタンビックンビクビク

脳が破壊された森アライさん2は激しく痙攣した。

森アライさん3「逃げるのだあああ!!こんなところもうおさらばなのだああーーッ!!」サササササ
森アライさん4「走るのだーーーっ!!」サササ

そのまま2匹は森へ走り去っていく。

ピシュン!

森アライさん6「のだッ!」グジャッ

森アライさん6はSVDの弾を顔面に受け、顔の下唇から上が肉片と一緒に弾け飛んだ。

森アライさん7「これはなんなのだ!?早く逃げるのだ!!」ササササ

俺「よし、数も大分減ったし追いかけようぜ。」

リョウ「そうだね。それじゃ行こうか。」

先程まで使っていた銃をミニバンへ置き、いつものダブルバレルショットガンを手に取った。それから全力で、害獣たちが逃げていった森へ入っていった。

月明かりがいい具合に森の中を照らしてくれているためか、想像以上に明るい。

ガサガサガサガサ

俺「こっちだ!」ザッザッザッ

そのまま俺は音のなる方へ全力疾走した。

リョウ「ついていきます!」ザッザッザ

2分程走ったところで先程のアライさん達を視界に入れることが出来た。距離を置いて走るのをやめ、気付かれないように近づいていく。何やら話しているようだ。

森アライさん3「これはたけのまんまるじゃないのだ...人間の罠だったのか?」ハァハァ
森アライさん4「どうするのだ...3匹だけじゃ死んだアライさんのチビの面倒が見れないのだ。」スリスリ
森アライさん7「とりあえず大人になれるように面倒を見るしかないのだ...面倒臭いのだ。」コスリコスリ

森アライさん4「...こうなったのは森アライさん7のせいなのだ!」

森アライさん4は森アライさん7を責める。

森アライさん7「なんでなのだ!?アライさんのチビはご飯がないと死んじゃうのだ!」

森アライさん3「だからなんなのだ?ちゃんとチビの分のご飯を採らないからそうなるのだ!じごーじとくなのだ!」

結局、利己的な性格のせいで自分の分しか採らなかったアホ親みたいだ。

森アライさん7「そんな大きな声出したらチビ達が起きるのだ!寝る子は育つのだ!」

森アライさん4「お前だって大きい声だしてるのだ!ガイジなのだ!」

そろそろ聞き飽きてきた。

俺「よーいしょ!」カチャ

草むらから勢い良く飛び出す。それと同時に猟銃を森アライさん4に向ける

森アライさん4「にんげんなのだ!!」

俺「死ね!!」バシュン

森アライさん4「ぐがぁ!!」グシャアッ ゴロゴロ

近距離で散弾を腹に撃ち込まれ、アライさん4の腹には穴が開き激痛によりのた打ち回る。

森アライさん4「痛いのぁ...オボボボボ!」

腹に大穴が開き大量に吐血した。

森アライさん3「ひぃぃぃ...やめるのだっ!!」

俺「お前も」バシュン!

森アライさん3「がッ!」グジャァ

散弾が頭部で貫通せず、顔面に大きな赤い花を咲かせた。

森アライさん7「ひっ...アライさんたちは何も悪いことしてないのだ!なんでこんなことするのだ...」

俺は2発撃ち切った猟銃に、新しい弾を装填しながら言う。

俺「あ゛ぁ!?簡単なこった。俺ら人間が汗水流して必死で作った野菜を、お前たちは盗んでいく。そんなガイジは殺す。な?簡単だろ??」

森アライさん7「...こんなかわいいアライさんたちを殺しても何の意味もないのだ!やめるのだ!」

俺「かわいい?ガハハハハ!!いいだろう。じゃあ何か満足するようなことをしてくれるんなら見逃してやるよ。」ニヤリ

森アライさん7「わ、分かったのだ!お前はアライさんと交尾したいんだな!?ほら、いつでもできるのだ!」エムジクパァ

俺「...。」

俺は無言で装填し終わった猟銃の先を森アライさん7の股間に向ける。

俺「調子乗るんじゃねぇぞガイジ!!!!!」

そしてトリガーを引いた。

森アライさん7「のだああああーーーーーーっ!!!!!もう交尾が出来ないのだああああ!!」ゴロゴロ

俺「うるせぇんだよ!とっととくたばれや!!」

銃口を森アライさん7の口に突っ込み...

森アライさん7「もごぉっ!!?もごごもごもご!!」

トリガーを引く。

森アライさん7「」ビクンッ!!

そのまま勢い良く身体が跳ね、地面に血溜まりを作った。

森アライさん7「」ドッタンバッタン

そのままゴキガイジムーブをする。

俺「はぁ...なんか疲れたなぁ...」

リョウ「...満足しました?」

俺「...あんなことされたら逆にストレス溜まるぜ。」

リョウ「後ろから見てましたけど楽しそうでしたよ。」

俺「...まあいい。近くの木とか地面に穴がないか調べようぜ。あいつらの子がいるかもしれねぇからな。」

リョウ「そうだね。」

そういうと付近の捜査が始まった。


最終更新:2019年06月17日 00:29