396: 名無しさん (アウアウ 982f-5f5f) :2019/07/26(金) 08:26:40 ID:pBSOKKEcSa
北国とアライしゃん
季節は冬、雪が深々と降り積もるとある山奥の集落のお話
とある若者が農業の後継者として都会から引っ越してきて住んでいます
若者は独身な為、寂しさを紛らわす様にと野生のアライしゃん達を飼っています
勿論違法ですが山奥な為警察の目も届きにくくある程度は自由にできます
「しゃ、しゃむいのりゃ…」ブルブル
アライしゃんの理由はペットアライちゃんだとお金がかかるのと飽きればすぐ殺せる為です
勿論脱走防止の為の細工もしており
「おねーしゃんもっとくっつくのりゃ…」ブルブル
「おしくらまんじゅーするのりゃ…」ギュッギュッ
「わっせ!わっせ!」ギュッギュッ
「まんじゅーだべたいのりゃ…」ブルブル
グー
全てのアライしゃんが裸でした
服のような毛皮だけでなくその下のインナー?みたいな毛皮も剥がされ人間でいう産まれたままの姿でした
こうすることで夏はともかく冬は確実に凍死するため若者の家からアライしゃん達を逃げれなくしているのです
若者の仏心の為かモコモコな尻尾のお陰で何とか凍死しないで朝を迎えることが出来たようです
しかしアライしゃん達は誰もアライさんに助けを求めません
何故ならアライしゃん達のおかーしゃんアライさんはインテリアとして目の前でフレンズ化を解除され解体され毛皮を足拭きマットとなっているからです
「はやく…ニンゲンしゃん…帰ってきてほしいのりゃ…」ブルブル
「しゃむい…のりゃ…」ブルブル
「おしくらまんじゅーしてもあたたかくならないのりゃ…」ブルブル
「おまんじゅー…」グー ブルブル
アライしゃん達はおかーしゃんを目の前で惨殺した人間に頼らなくてはいけません
人間に飼われなければもう生きていけないからです
アライしゃん達は本当は五匹姉妹でしたが人間に逆らった姉妹は独り玄関に檻に入れられたまま一晩中放置され次の日には冷たくなっていました
故に彼女等は人間を待ち続けます
人間が帰ってくれば部屋が暖かくなるからです
「ただいまー!」
「ニンゲンしゃんなのりゃ!」ブルブル
「はやくポカポカにしてほしいのりゃ!」ブルブル
「やっとあたたまれるのりゃ!」ブルブル
「…」
ストーブに火を着ける若者
「ふー、ようやく一息つけるな!」ヨッコラショ
「ポカポカなのりゃ~」ポカポカ
「生き返るのりゃ~」ポカポカ
「さぁ起きるのりゃ」ユサユサ
「…ゥュ?」
「よーし害獣共、生存確認するぞー、番号!」
「いち!」
「にー」
「しゃん!」
「よん!」
「「「「なのりゃ!!!」」」」
「なんだ…生き残ったのか…ハァ」
若者は春から秋にかけて農業で生計を立て冬は猟師としてアライさん狩りで稼いでいます
今回はお金の為でなく食糧としてアライさんを狩ってきたようです
「モゴモゴー!」グネグネ
「アライしゃんなのりゃ…」
「助けて欲しそうなのりゃ…」
「プハッ!助けるのだァァァァ!」
「うるせーぞ!」
棍棒でアライさんの頭を強打
「あぎゃぁぁあ!」
「でも助けたらアライしゃん達が食べられるのりゃ…」
「せめてお祈りするのりゃ…」
「「「「な~む~」」」」
「そこのチビスケ共!見てないでアライさんを助けるのだ!アライさんの危機なのだ!」モゾモゾ
「逃げてんじゃねーぞ!」シッポワシヅカミ
「イダイのだぁ!尻尾掴まないでほしいのだぁ!!」
「ハイハイ」スタスタ
「引きずるなぁぁ!!」ズルズル
アライさんが引きずられた先はこじんまりした部屋でした、一見なんの変哲もない普通の部屋のようですがアライさんの嗅覚は部屋に染み付いたアライさん達の血の臭いに気づきました
「や、やめるのだ!アライさんにはアライさんの帰りを待つ可愛いオチビ達がいるのだ!!アライさんは死にたくないのだ!!」
「ふーん…」
アライさんの命乞いを聞き流しながら解体の準備を進める若者
「お願いなのだ!アライさんは死にたくないのだ!!」
「じゃあ質問あるけど答えに俺が納得したら見逃してあげるよ」
「わかったのだ!何でも答えるのだ!ご近所さんの巣の場所か!?それともザリガニがとれる場所なのか!?」
「いや、ただオマエの立場なら命乞いする自分より格下の獲物をみすみす見逃すのか?」
アライさん両足を掴む若者
「!?」
「だよな?見逃す訳ないよな?つまりそれが答えだ」
アライさんを上に持ち上げ逆さまなアライさんと自分の目を合わせながら話す若者
「イヤなのだ!?死にたくないのだ!!誰か…
若者はアライさんの両足を掴んだまま地面にアライさんの顔を思い切り叩きつける
だぶっ!!?」ピクピク
アライさんは地面に叩きつけられた衝撃で頭蓋骨が折れ鼻が潰れ大量の鼻血が流れ出る
まだギリギリ生きているアライさんを生きたまま解体する若者
「お"…お"ぉ…べね"っぐ…」グググ…
「?ベネット?」
首を上げ最期に白目でまわりを見回し力尽きるアライさん
アライさんを解体し終えた若者
おそらく今日の晩御飯はアライさん鍋だろう
この光景を悲惨と思う者もいるかもしれないが山奥の猟師にとっては当たり前な冬の生活光景である
まだ野生のアライさん達にとっても春は遠いようだ
チャンチャン
最終更新:2019年07月29日 23:41