ウェルカムトゥようこそアライパーク

626 名前:ウェルカムトゥようこそアライパーク (ワッチョイ 0bba-w3Ti)[sage] 投稿日:2017/09/11(月) 22:07:34.85 ID:dIL6LVbY0 [4/4]
アライさん「ふんふんふーん♪のだのだふーん♪」

一匹のアライさんが、上機嫌で歩いていた。なぜ上機嫌なのかは一目で分かる。手に熟れたりんごを持っている。
ちょうど食べごろのりんごを、どこかで勝手にもいで自分のものにしたのだろう。

アライさん「赤いまんまる、たのしみなのだー!巣穴に戻ってちびと食べるのだ!きっと喜ぶのだ!」
アライさん「のだのだのだ~♪ふふんふーんなのだ~♪」

完全に音程を外した不快な鼻歌を、なぜか自慢げにまき散らしながらアライさんはスキップしていた。そこに、音もなく忍び寄る黒い影……。

アライさん「ふんふんふ……のだっ!」

影は立ち上がり、手に持ったバットでアライさんの後頭部を殴りつけた。突然の衝撃に、アライさんは前のめりに倒れこんだ。りんごが手を離れて地面を転がった。

アライさん「のだあ……あ……」

両手で頭を押さえながらアライさんはうめいた。今度は、アライさんの背中へバットが振り下ろされた。二度、三度、四度。
やめるのだ、と叫びながらアライさんは振り向いた。そして、背中へめがけて放たれていたバットが、ちょうどアライさんの顔面に突き刺さった。
鼻柱がへし折れた。鼻血が噴き出し、折れた歯が舞い、情けない悲鳴が森にこだました。

アライさん「のだあああああ!いだいのだああああ!」

その叫びに、少なくとも襲撃者は一切の同情を感じなかったようだ。無言で襲撃者はバットを振り続けた。

「のだ、のだ,のだ、のだ……」

悲鳴を発することすら許さず、襲撃者はひたすらアライさんを殴り続けた。アライさんは弱弱しく手を前に突き出して身を守ろうとしたが無意味だった。
頭蓋にひびが入り、顎の骨が完全に砕け、決して可愛らしくは見えない顔が、更に無残な状態になるまで攻撃は続いた。
襲撃者は大きく息を吐きだし、意味のない感嘆の言葉を漏らした。若い女の声だった。

アライさん「おねーひゃ……ひどいのら……あらいひゃ、かわいそかわいそなのだあ……」

女性はそれを聞いて怒気を刺激されたらしく、再度バットでアライさんの顔面を殴打した。吊り上がりすぎている釣り目に直撃し、アライさんはその場を転げまわった。

アライさん「ひゃめ……ひゃめるのだあ……あらいひゃのおめめが、かわいいおめめが……」

女性はもう片方の目に向かって足を突き出した。かかとのヒールが、ぶちゅりという、生理的嫌悪感をそそる音とともにアライさんの目を突き潰した。
赤い涙がアライさんの目からこぼれた。次の瞬間、アライさんは身体をわななかせて叫んだ。

「いひゃいのだあああああああああ!!」

アライさんは動けなかった。いや、暴れようとして、ヒールの突き刺さった目に痛みが走り、動けなかったのだ。
ぼたぼたと零れる血がアライさんの手に降りかかった。アライさんはそれを受けて、手をすりすりと動かした。ハエガイジムーブとして知られる、アライさんの動作だが、まるで命乞いをする乞食のように見えないこともない。
女性はゆっくりとヒールを引き抜いた。血と肉片がこびりついていた。女性はそれでアライさんの喉を踏みつけた。
アライさんの爪が女性の足をひっかこうとするが、彼女の履いている防刃のズボンには全く歯が立たなかった。
女性は懐から拳銃を取り出した。リボルバー式の拳銃だ。弾倉には弾が込められていない。女性は胸ポケットから一発の弾丸を取り出して装填した。弾倉を回してから、銃口をアライさんに向ける。
一発目。トリガーを絞ったが、弾は出ない。アライさんは血の涙を流しながら、恨めしそうに女性をにらんでいた。
二発目、出ない。女性は眉をしかめた。運が悪い。三発目、出ない。この時間がたまらないのだ。目の前で、この醜い害獣が死ぬ。それは何発目だろうか。ドキドキする。
四発目、弾が……出た。弾丸はアライさんの頭蓋骨を貫通して脳の中へ入っていった。そして、突き抜けて地面にまでもぐりこんだ。
女性は即座に足をどけた。脳を破壊されたアライさんが、死に際にするダンス……ゴキガイジムーブとして広く知られるそれが、始まるからだった。
アライさんの身体が大きく跳ねて、地面を横滑りした。手足がばたばたと動き、全身から血をまき散らしながら奇妙に振動していた。
女性は小さく笑って、アライさんの身体に唾を吐いた。アライさんの最後の踊りは、見るのに飽きた女性が立ち去ってからしばらくの間続いていた。
女性が立ち去った後、アライさんの死体と一枚の紙片が残されていた。そこには、こう書かれてあった。
『ウェルカムトゥようこそアライパーク!あなたに安心・安全なアラ虐の世界を!』



最終更新:2018年04月06日 02:06