アライREN

890 名前:SS アライREN2 (1/4) (ワッチョイ 056d-qWqy)[sage] 投稿日:2017/10/06(金) 00:00:39.06 ID:RokL12RH0 [1/4]

昔やった【SIREN2】というホラーゲームで、バーサーカーのようになって
どったんばったんの大奮闘した自衛官のおにいさんが、最期、なんか敵に地上を支配された
BAD ENDのパラレルワールドへと飛ばされてしまい、絶望して発狂しながら機関銃を乱射する切ない展開があった。



彼のように、ザ・害獣大繁殖によって、アライグマ(アライさん)がうじゃうじゃと
わいてる島になってしまった、パラレルワールドのパークに飛ばされて、絶望しながら銃を乱射したい…

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  ~ 100年後 ・ ジャパリパーク(?) ~

 ヒト 「…っ」 
   次元のはざまから、人間がひとり、降ってきた。
 アライさんA 「うえっ、なんなのだ!? おまえ!」
   ガニ股で驚くアライさん

 アライさんB 「へんなのがでてきたのだ!」
   指さすのはこれまた別個体のアライさん
 アライさんC~F 「…?」 「なにものなのだ?」 「アライさんじゃないのだ…」 「変な帽子なのだ」
   うようよとわいて出る、アライ、アライ、アライグマ……大量のアライさんたち


 ヒト 「なんだ…っ これ……」 
  この迷彩服のお兄さん(21歳)は、かつて、パークの例の異変で戦っていた“ヒト”のひとり。
  サンドスターに関わる未知の現象が、彼を、突如次元のひずみへと引き込み、パラレルワールド・
  IFの異世界へ飛ばしてしまったのである。
  ここ───害獣アライグマによって埋め尽くされたジャパリパーク、という、おぞましき BAD ENDの未来へと。


891 名前:アライREN2 (2/4) (ワッチョイ 056d-qWqy)[sage] 投稿日:2017/10/06(金) 00:02:16.43 ID:RokL12RH0 [2/4]


 アライさんC 「ここは 『アライパーク』 なのだ」 (黒い手スリスリ)
 アライさんD 「ここはアライさんの島なのだ!」 (エッヘン)
 アライさんE 「アライさんはなぁ~~ ついに『天下を取った』 のだぞ~!」 (ピッカピカのときのドヤ顔)
 アライさんF 「い~~ぱいアライさんたちは増えたのだ! アライグマは、ゆうしゅうな“はんしょくりょく”がウリの動物なのだ!」
 子アライA 「のだのだぁ!」 (ヨチヨチ)
 子アライB 「にゃのだ~~!」 (ピョンピョン)
 子アライC 「アライしゃんはしゅごいのだ~」 (ボテッッ)   まだ子どものアライさんが、もう孕んでいる

   ~~~~ 

 ラッキービースト 『ダメダヨ、アライグマ───』
 アライさんG 「ボス! じゃぱりまんがぜんぜん足りないのだ! はやくアライさんの分をだすのだ~」(ガジガジ)
 アライさんH 「もうおなかぺっこぺこだぞ~」
 子アライD 「にゃのだ~」
 アライさんI 「むしゃむしゃ! これ食べられるのだ! じゃぱりまんじゃないけど、アライさんはなんでも食べられる、すごいどうぶつだからへーきなのだ!」
 アライさんJ 「クチャクチャ」
 ラッキービースト 『アライグマ、ソレハ、種ダヨ、食ベチャダメダヨ。ソレガナイト、畑ガ──』
 子アライE 「ぼしゅは、ひとりじめする気なのだ~!」


892 名前:アライREN2 (3/4) (ワッチョイ 056d-qWqy)[sage] 投稿日:2017/10/06(金) 00:05:43.67 ID:RokL12RH0 [3/4]

  排水口などの小さな隙間からも侵入し、家や畑を荒らしまわった悪名高い動物・アライグマ。
  そんな害獣らしく、パークの『裏側』、じゃぱりまんの生産に関わる建物や畑にまで、アライグマのフレンズたちは侵入していた。

 アライさんK 「この“はたけ”はアライさんが先にみつけたのだ!」 (ぐぃぃい)
 アライさんL 「アライさんが『一番のり』したのだっ」 (ぷんすか)
 アライさんM 「ここはアライさんのナワバリなのだ (ウンチ指差し!)、はたけ泥棒め、こんな巨悪を許しては──」 (もみくちゃ)

 ヒト 「そんな、嘘だ……」 「…じゃあ、俺が担当してたフレンズたちは……」

 人間の気配のない、荒廃しきったパークの姿が、気が遠くなるような長い年月の経過を彼に悟らせた。
 島のどこへ行っても、跳梁跋扈する害獣。どっちを向いても目に飛び込んでくる、ハエのようなあのムーブ。
 ツリ目の連中は、かつて人間のいた建物に穴をあけ、溜めフンをして我が物顔で住み着いている。

 彼は、『こちらに飛ばされる前の世界』で寝泊まりしていたパーク中心地近くの居住区によろめきながらたどり着く。
 彼の寝室もまた、時の経過に晒されていただけでなく、すっかり害獣によって荒らされいた。
 そして、大切なフレンズたちと一緒に撮った写真が──アライグマにとって『お宝』にならない価値のないものだった
 からだろう、盗まれることなく残されていたが──天井から垂れるアライグマの糞尿によって、汚されていた。

 ……もう、明らかだった。目の前の現実を認めるしかなかった。
 人間があの異変でいなくなってから、長い長い年月が経ち、
 かつてパークにいた他の、あの心優しいフレンズたち…、命をかけても守りたかった
 愛しいみんなは、この大増殖した、ふてぶてしい害獣に、食料を我先にと取られ───
 結果、他人を蹴落とそうなんて考えもしないお人好しな他のフレンズのみんなは、エサがなくなると
 と同時にじゃぱりまんでのサンドスター摂取ができなくなったかで、静かにこのパークから姿を消したんだ。

 ただ1種族だけ、なにかの間違いで生まれてしまった、ずうずうしい『フレンズもどき』だけを残して。

 ヒト 「くそ!」

 このままこいつらによって畑を、建物を荒らされたら、ラッキービーストがじゃぱりまんを
 生産するシステムすらも維持できなくなる。そうしたら、本当の終わりだ。


893 名前:アライREN2 (4/4) (ワッチョイ 056d-qWqy)[sage] 投稿日:2017/10/06(金) 00:08:47.54 ID:RokL12RH0 [4/4]

 ヒト 「いや、そうだ、ほんの少しだが、パークを元の姿に戻せる可能性がある……
    あいつらみんなが、『遺物』からでもまた、フレンズ化できて、この島に暮らせる、
    その環境を……俺が……つくることだ」

 そう。かつて人間が、そうやって『害獣』を駆除し、生態系を守ったように。
 絶望と恐怖と混乱と憤怒の中で、ほんの一筋、見い出した希望に、
 既に発狂していた彼は、そのまま真っ直ぐ、身を任せた。

 ヒト 「それが、俺がこの最悪の未来に来た意味なんだろ…………四神さまよ…!」

 彼の怒りを具現化するかのように、彼の『鉄の杖』が火を噴いた。
 昔、ヒトという種を最強の狩人にした、『銃』という名の魔法の杖。

       「ぁあああ! カミカゼ見せてやるよぉぉ!」


 アライさんA 「ふっはっはー! このタネというの、食べてみたらそこそこおいしいのだー♪ アライさんの大発見なの──だパブッ!」


 ラッキービーストのシステムを永遠に壊そうとしていた害獣が一匹、ヘッドショットを受けた。
 アライグマをすべて駆逐し、遺物すら残さず処分する。そして、パークの環境を取り戻す。
 そんな、たったひとりではかなうはずもない、抵抗劇。
 アライジェノサイダーの、始まりだった


 【 自衛官・永井おにいさん───発狂(おそらく死亡)END 】


最終更新:2018年03月27日 00:07