彼女はアライさんではない・特別編

81 名前:未収録映像 (ワッチョイ 0512-lIef)[sage] 投稿日:2017/10/09(月) 21:35:20.07 ID:aUT5QCvf0 [13/14]
……まったく、油断も隙もない。

念のために防刃ジャケットを着用しておいて良かった。

今まで溜まった鬱憤を晴らすとかで、もっと滅多刺しにされていればさすがにやばかったかもしれない。

アライさんが阿呆でよかった。

さて、この部屋はアライさんが万が一逃げ出した時のために、内側からも鍵がなければ開けられないようになっている。

そのカギは私が持ったままである。

ということは、だ。

アライさん1「な、なんでなのだ!何で開かないのだ!!」ガチャガチャ

当然、逃げられるはずもないわけで……

アライさん1「どうしてっ、どうしてなのだ!!」ガンガンガン

――――それはね、お前がアライさんだったからだよ。

アライさん1「のだっ!?な、なんで生きてるのだ!!」ビクゥッ

――――残念だよ。お前はアライさんじゃないと思っていたのに……

アライさん1「な、何を言ってるのだ!アライさんは生まれたときからアライさんなのだ!!」

――――へぇ……

アライさん1「まぁ、生きているならまた殺すまでなのだ!たぁーっ!!」

母親のようにわざわざ掛け声をあげて突進してくる。

おかげでひどく避けやすい。

アライさん1「のだっ!?」ビックリ

横を通り過ぎていくアライさんの背中に蹴りを入れる。

アライさん1「のだぁっ!!」ガシャーン

すると、さっきまで中にいた檻にアライさんは顔面から突っ込んでいく。

痛みでうずくまるアライさんにさらに蹴りを浴びせ踏みつける。

アライさん1「のだっ、のだ、のだぁあああああっ!!?」ドボッ ガッガッ

――――言ったよな?アライさんは殺すと。

頭をグリグリと踏みつけながらそう言ってやると……


82 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 0512-lIef)[sage] 投稿日:2017/10/09(月) 21:36:46.18 ID:aUT5QCvf0 [14/14]
アライさん1「あ、あたしはアライさんじゃない!だから、殺さないでぇええ!!!」

案の定、手の平返しの命乞いだ。

――――じゃあ、その耳と尻尾はなんだ?

アライさん1「こ、こんなもの!こんな…ものぉ……!!」ブチブチ ブチチィッ

折角生やした耳と尻尾を自分で引き千切りやがる。

なかなか面白い光景だ。

アライさん1「ほ、ほらぁ…… アライさっ、あたしは、アライさんじゃないの、アライさんじゃない!!」

必死であり、滑稽である。

そこで私はコイツを調教しているうちに湧き出ていた疑問をぶつけてみた。

――――なら、お前はなんなんだ?

アライさん1「え?」

アライさんであることを否定したアライさんはいったい何者なのだろう?

それが私の新たな疑問だった。

アライさん1「あ、あたしは、アライさんじゃな、い……?あたしは…… あたしは」

……やはり、アライさんにこんなことを聞いても無駄か。

アライさんではないアライさん、だが結局アライさんはどこまでいってもアライさんにしか成り得ないということだ。

私は、そう結論付けるとこの実験を終わらせることにした。

さて、次はどんな実験をしてみようか――――



今度こそ終わり


最終更新:2018年04月06日 22:17