アライちゃんとパフェ

192 名前:アライちゃんとパフェ 1/6 (ワッチョイ 09ba-00jG)[sage] 投稿日:2017/10/13(金) 22:42:56.09 ID:dHNNcrIS0 [4/9]
アライちゃん「のだっ!のだっ!あまあまおいしーのだあ~」ペロペロハムハム

 キッチンに足を踏み入れた俺は、自作のパフェの器内で転がりまわる不快害獣を見て愕然とした。全身をクリームまみれにして、アライちゃんはうっとりとした表情をしている。
 よく観察してみると容器の周囲にクリームが散っている。どうやら、近くにある冷蔵庫か何か、高いところから飛び込んだようだ。アライちゃんの身長で入れる大きさではないし、つるつるのガラスに爪を立てて登るのも難しいだろう。

アライちゃん「あかいぶつぶつあまくておいしーのだあ」アグアグ

 そんなことを言いながら、アライちゃんはイチゴに噛み付いた。かみついたというより、顔面を突っ込んだ、という方が正しい。アライちゃんの醜い顔はイチゴの汁まみれになり、イチゴの種が衣服や髪の毛に付着した。
 俺は小脇に抱えた段ボールを開き、中からプラスチックの容器に入ったはちみつを取り出した。それを一旦わきに置いて、俺はアライちゃんに近づいた。


194 名前:アライちゃんとパフェ 2/6 (ワッチョイ 09ba-00jG)[sage] 投稿日:2017/10/13(金) 22:43:48.61 ID:dHNNcrIS0 [5/9]
アライちゃん「誰なのだ!このあまあまはアライしゃんのものなのだ!」

 全身の毛を逆立て、牙をむき出しにしてアライちゃんは俺に抗議した。俺は容器のすぐ近く、食べるのに使おうと思っていたスプーンを手に持った。そして、それをおもむろにアライちゃんの喉めがけて突き出した。

アライちゃん「ぎべえ!」

 もう一度、さらにもう一度、おまけにもう一度。

アライちゃん「あぐっ!げゃ!のだっ!」

 俺はアライちゃんの喉にスプーンを押し当てて強く圧迫した。両手でスプーンをつかみ、身体から遠ざけようとするが、アライちゃんの力では不可能だ。
 金属製のスプーンに抵抗している爪に大きな負荷がかかっているようだ。
手首を利かせてスプーンを少し動かしたら,爪が何枚かはがれてパフェの上に落ちた。血も一緒にパフェを汚す。アライちゃんは喉を抑え、荒い呼吸を繰り返して、落ち着いてから叫んだ。

「痛いのだあ!」


195 名前:アライちゃんとパフェ 3/6 (ワッチョイ 09ba-00jG)[sage] 投稿日:2017/10/13(金) 22:44:38.09 ID:dHNNcrIS0 [6/9]
 俺はパフェに使ったポッキーのあまりを手に取った。それを、アライちゃんの口の中にそっと入れる。アライちゃんはすぐに機嫌を直し、チョコを舐め始めた。

アライちゃん「ヒトしゃんはんせいしたのかー?アライしゃんにひどいことしたらだめなのだあ。つぎはゆるしてあげないのだあ」

 ペロペロ、ペロペロ、ペロペロ。ドスッ。
 俺はポッキーでアライちゃんの喉の奥を強く突いた。そのままガラス容器に押し付ける勢いで、アライちゃんの口の奥に刺激を加える。アライちゃんは苦悶の表情で俺を見上げている。

アライちゃん「あ……が、が、が……くるじ……のぁ……」

 少しの間、そうやってアライちゃんを苦しめていたが、やがてポッキーは過重に耐え切れずポッキと折れてしまった。ポッキーだけに。

アライちゃん「うっ……おえええええ……」ゲロゲロノダー

 喉を刺激され続けたアライちゃんは、不当にむさぼった俺のパフェを口から戻しはじめた。ついでに、別のものも口とは反対側の穴から流し始めたようだ。不快な匂いが俺の鼻を刺激した。


197 名前:アライちゃんとパフェ 4/6 (ワッチョイ 09ba-00jG)[sage] 投稿日:2017/10/13(金) 22:46:57.21 ID:dHNNcrIS0 [7/9]
アライちゃん「ヒトしゃんなにをするのだ!アライしゃんあまあまたべてるだけなのだ!こんなきょあくをゆるしては……ゆるしては!」

 何事かぶつぶつと言い始めたアライちゃんを無視して、俺は折れたポッキーでアライちゃんの目を突き刺した。醜く吊り上がった右目に、ぐにゅりと入り込む。
 赤い涙がアライちゃんの顔を伝い、次の瞬間、アライちゃんは大声で叫んだ。

アライちゃん「いだいのだああああああ!!」

 アライちゃんは全身を大きくばたつかせた。ポッキーはすぐに目ん玉から飛び出したが、そんなことは関係ない。アライちゃんはしばらくの間、苦しみのダンスを踊り続けた。

アライちゃん「あうぅぅ……えぐっ……」ヨタヨタ

 アライちゃんは不安定なクリームの上に、なんとか立ち上がった。そしてガラス製の容器に爪と指を立てて這い上がろうとし始めた。

アライちゃん「にげるのだあ、こんなところにいてはアライしゃんのききなのだあ」

 だが、つるつるのガラスである。アライちゃんに登れるものではない。


198 名前:アライちゃんとパフェ 5/6 (ワッチョイ 09ba-00jG)[sage] 投稿日:2017/10/13(金) 22:47:44.88 ID:dHNNcrIS0 [8/9]
アライちゃん「アライしゃんはいだいなのだあ……おおきくなってちびをうんで天下を取るのだあ……おかーしゃ、たすけるのだあ……」

 俺はポッキーの新しい袋を取り出し、台所の上にざっと中身をぶちまけた。そうやって出した中身を、俺は片手に全て握った。そして、それらでアライちゃんの身体を抑えつけた。

アライちゃん「やめるのだあ!アライしゃんはここからでて天下をとるのだ!じゃまするななのだあ!」

 空いているもう片方の手で、俺ははちみつの容器を空けた。そして、その中身をゆっくりとパフェの容器に注ぎ始めた。はちみつがアライちゃんの足首、膝、腿、腰……どんどん登っていく。アライちゃんは身動きが取れない。

アライちゃん「やめるのだ!アライしゃんこわいこわいなのだ!おまえにもこのあまあまわけてやるからゆるしてほしいのだ!」


199 名前:アライちゃんとパフェ 6/6 (ワッチョイ 09ba-00jG)[sage] 投稿日:2017/10/13(金) 22:49:01.00 ID:dHNNcrIS0 [9/9]
 分けるも何もこのパフェはもともと俺のものだし、アライちゃんが入った食べ物なんてもはや汚物と同じだ。俺は淡々とはちみつを流し込み続ける。腹、胸、肩、首……。

アライちゃん「や、やめるのだあ!アライしゃんしにたくないのだあ!アライしゃんは、アライしゃんは!いだいないきものなのだあ!アライしゃんはふじみなのだ、むてきなのだあ!いやなのだあ!」

 だんだん言動が支離滅裂になってきた。はちみつの水位は上がり続ける。口、目、髪、耳、そしてアライちゃんすべてがはちみつの中に沈み、やがて器のギリギリのところまではちみつはたまった。
 俺はちみつの容器を置き、代わりにアイフォンを取り出した。しばらくネットをした後、思い出してアライちゃんの様子を確認した。
 アライちゃんは口の周りに泡を浮かべ、醜い釣り目を血走らせてポッキーを握りしめていた。歯を食いしばり、間違えて噛んでそのまま髪切ってしまったのか、千切れた舌がはちみつの中に浮かんでいる。
 俺は汚染されて使いようのなくなった器ごとゴミ袋にアライちゃんを放り込んだ。そして近くのコンビニまで歩いてゴミ箱に放り込んだ。


終わり






最終更新:2018年04月02日 17:43