690 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sd9a-+59V)[sage] 投稿日:2017/10/22(日) 20:25:10.52 ID:4AliR1TLd [5/17]
ザアアアアアアアアア ビュウウウウウゥゥゥウ
台風の中、アライさん親子が走っている。
進行方向には、木製のお寺があった。
アライさん「チビ達!あのお家に隠れるのだ!」ダッ
アライちゃん1「なのだー」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん2「なのだー」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん3「なのだー」ヨチヨチヨチヨチ
雨に濡れてびしょびしょに濡れたアライちゃん達が、四足歩行でヨチヨチ歩きしている。
アライさん「てっぺんの三角のお部屋まで登るのだ!」ヨジヨジ
アライさん「入れるように穴を開けるのだ!たあ~!」ガリバリ
天井裏の壁「」ボコッ
アライさん「穴が空いたのだ!これで中でぬくぬくできるのだ!」モゾモゾ スポッ
アライさんはお寺の天井に穴を開けて、中に潜り込んだ。
アライさん「チビ達も来るのだ!」ヒョコッ
アライちゃん1「なのだー」ヨジヨジヨジヨジ スポッ
アライちゃん2「なのだー」ヨジヨジヨジヨジ スポッ
アライちゃん3「なのだー」ヨジヨジヨジヨジ スポッ
アライちゃん達は、お寺の天井裏に侵入した。
アライさん「ふぅ~ずぶ濡れなのだ。チビ達、よく体を乾かすのだ」ブルブル
アライちゃん1「ぷるぷるぷる…」ブルブル
アライちゃん2「ぷるぷるぷる…」ブルブル
アライちゃん3「ぷるぷるぷる…」ブルブル
アライちゃん達は野良犬のように体を震わせ、毛皮についた水を切る。
お寺の天井裏の板に、水が染み込んでいく。
691 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sd9a-+59V)[sage] 投稿日:2017/10/22(日) 20:31:03.22 ID:4AliR1TLd [6/17]
アライさん「チビ達!ここをアライさん達のお家にするのだ!」コスリコスリ
アライちゃん1「なのだー!」シッポフリフリ
アライちゃん2「なのだー!」シッポフリフリ
アライちゃん3「なのだー!」シッポフリフリ
アライさん「よーし、ここにアライさん達のにおいをつけるのだ!」
アライさん「のだぁぁぁー!」ブリュブリュブリュブリブリブリブリュブリュブッブー
溜め糞「」プゥーン
アライちゃん1「のだ?」キョトン
アライさん「チビ達もするのだ!ここでウンチするのだ!オシッコもするのだ!」
アライちゃん1「う~っ!」ブリブリブリブリ
アライちゃん2「う~っ!」ブリブリブリブリ
アライちゃん3「う~っ!」ブリブリブリブリ
アライちゃん1~3「「「う~っ!!!」」ブリブリブリブリブリブリブリブリブリブリブリブリ
溜め糞「」プゥーン
アライさん「ふはははー、これでアライさん達のお家なのだ!」
692 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sd9a-+59V)[sage] 投稿日:2017/10/22(日) 20:34:03.44 ID:4AliR1TLd [7/17]
アライさん「ふぅ~スッキリしたのだ」
アライちゃん1「ちたのだ~」シッポフリフリ
アライちゃん2「したのぁ」シッポフリフリ
アライちゃん3「のあー」シッポフリフリ
アライさん「さ、チビ達。寒いから、体を寄せあって寝るのだ。こっち来るのだ」ポンポン
アライちゃん1「なのだー」ヨチヨチヨチヨチ スリスリ
アライちゃん2「なのだー」ヨチヨチヨチヨチ スリスリ
アライちゃん3「なのだー」ヨチヨチヨチヨチ スリスリ
アライさん親子は、押しくらまんじゅうをするように、お互いに身を寄せあっている。
アライさん&アライちゃん1~3「なのだ~」スリスリスリスリ
693 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sd9a-+59V)[sage] 投稿日:2017/10/22(日) 20:38:43.61 ID:4AliR1TLd [8/17]
アライさん2「はぁはぁ…寒いのだ、風が強いのだ…。ここで凌ぐのだ」モゾモゾ
そのとき、先ほどアライさんが空けた穴から、別のアライさんが入ろうとしてよじ登ってきた。
アライさん「!?お前なんなのだ!ここはアライさんのお家なのだ!勝手に入ってくるななのだぁ!」フシャアアアア
アライちゃん1「くゆなー!」フシャー
アライちゃん2「くゆなー!」フシャー
アライちゃん3「くゆなー!」シッポフリフリ
アライさん一家はアライさん2を威嚇している。
アライさん2「で、でも!チビ達が熱を出して…!ここで休まないとチビ達の危機なのだぁ!」モゾモゾ
アライさん2は、強引に入ろうとしてくる。
694 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sd9a-+59V)[sage] 投稿日:2017/10/22(日) 20:42:03.37 ID:4AliR1TLd [9/17]
アライさん「来るなって言ってるのだあ!たあ~!」ドガアァア
アライさん2「ぐびっ!」ベギィ ヒュウウウウ
アライさん2は、天井の穴から落下し…
アライさん2「びぎいぃぃっ!!」ガアアンッ
…アスファルトの地面に、頭から落下した。
アライさん2「」ビグンッビグンッビグンッバタバタタッジタバタビッタンバッタン
アライさん2は脳がやられたらしく、ゴキガイジムーブした。
アライちゃん4「おきゃーしゃ!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん5「めをあけゆのだ!」ユサユサ
アライちゃん6「しんじゃやなのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん7「やなのりゃぁ!」ユサユサ
アライさん2の子供達が、親に集まってくる。
695 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sd9a-+59V)[sage] 投稿日:2017/10/22(日) 20:47:35.04 ID:4AliR1TLd [10/17]
アライさん「…」ヨジヨジヨジヨジ
アライさん2を突き落として殺した張本人が、壁の穴から降りてくる。
アライちゃん4「べつのひとなのりゃ?おかーしゃをたすけゆのりゃ!」ユサユサ
アライちゃん5「おきゃーしゃはもうしぬのりゃ!」
アライちゃん6「おい!そこのあらいしゃん!あらいしゃんのあたらしいおかーしゃんにしてやゆのりゃぁ!」
アライちゃん7「あらいしゃんたちはこんなにかわいいのだぁ!しっぽのだんすなのだ!」フリフリ
アライちゃん4~7「「「なのりゃ~!」」」シッポフリフリシッポフリフリ
アライさん「…」スタッ
696 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sd9a-+59V)[sage] 投稿日:2017/10/22(日) 20:52:17.99 ID:4AliR1TLd [11/17]
アライちゃん4「あらいしゃんたちをそだてゆと、おまえもしあわせなのりゃ!」シッポフリフリ
アライさん「ふん!」グシャア
アライちゃん4「ぴぎいいぃぃぃぃぃーーーーっ!!」
アライさんは、アライちゃん4の首を踏みつけた。
アライちゃん5「ぴぃ!?おねーしゃんになにすゆのだぁ!」
アライちゃん6「こあいのだ!にげゆのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん7「ぴいいいぃいぃぃぃーーーーっ!!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
アライさん「チビ達は、お腹を空かせてるのだ!」グシャア
アライちゃん5「ぎびっ!」ベギィ
アライさん「お前達を、育ててやるのだ…」グシャグシャグシャア
アライちゃん6「ぎびぃ!いぢゃいのりゃあ!やめゆのりゃ!ぴっ…ぴいぃいぃぃぃぃーーーっ!」ベギゴビグチャア
アライちゃん7「う…うゆゆ…お、おねが…こ、ころしゃないで…」プルプル
アライさん「チビ達の血肉の一部として!」グシャア
アライちゃん7「ぎぴいぃぃぃーーーっ!おげえぇ!」ブハアァ
700 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sd9a-+59V)[sage] 投稿日:2017/10/22(日) 21:00:51.18 ID:4AliR1TLd [12/17]
アライさんは、殺したアライちゃん達の死骸を咥えて、天井裏に持ち帰る。
アライさん「ふんが!」ポイッ
アライちゃん達の死骸「」ドチャッ
アライちゃん1「ぴぃっ!?」ビクゥ
アライちゃん2「しんでゆのりゃ!?」ビクゥ
アライちゃん3「びええええんっ!こわいのりゃぁ!おがーしゃーんっ!」ビエエエエエエン
血と雨でずぶ濡れになった4匹のアライちゃんの死骸が、天井裏に転がる。
アライさん「チビ達、安心するのだ!それは食べ物なのだ!アライさん達、ここずっとゴハン食べて無くてお腹空いてるのだ」グゥー
アライちゃん1「なのだ…」グゥー
アライちゃん2「なのだ…」ギュルル
アライちゃん3「ごはんたべたいのだ…」グーギュルルー
アライさん「野良ウサギや鳥の雛の狩りの仕方はそのうち教えてやるのだ!今はゴハンを食べるのだ!はぐがぶ!」ガブガブ
アライさんは、鋭い爪と牙で、アライちゃん4の体をばらして貪っていく。
アライちゃん1「なのだー!くっちゃくっちゃ…」クチャクチャ
アライちゃん2「はぐはぐ…もぐもふ…」クチャクチャ
アライちゃん3「おいちーのりゃ!もぐもぐ…」クチャクチャ
アライさん親子はこの台風の中、無事に新たな巣を手に入れ、雨風を凌ぎ、空腹まで凌ぐことができたようだ。
なんと強い生命力であろうか…。
701 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sd9a-+59V)[sage] 投稿日:2017/10/22(日) 21:01:51.37 ID:4AliR1TLd [13/17]
おしまい
707 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 5512-3ZDl)[sage] 投稿日:2017/10/22(日) 21:34:19.02 ID:9XUq8tEf0 [2/3]
701
そう、確かにこのアライさん親子の生命力は強い。
だが、頭は弱い。
アライさん親子が選んだこの新たな巣、我々の目から見るとどう見ても廃寺である。
それも何というか、こう、その、ダメな感じである。
暗闇と暴風と大雨の恐怖で判断力が落ちていたことを差っ引いても正直「ない」オンボロっぷりである。
そんなとこに穴を開けた上にドッタンバッタン大騒ぎ、結果は火を見るより明らかなわけで……
アライちゃん1「のぁ?おかーしゃん、なんかミシミシいってゆのだ?」
アライさん「それは台風の音なのだ。このお家は人間が作ったから頑丈なのだ!だから大丈夫なのだ!!」
アライちゃん2「だったらあんしんなのだー!」コスコスコス
アライちゃん3「でもおかーしゃん、なんかおかしーのだ」コスコスコス
アライさん「チビ達、そんなに怖がらなくてもいいのだ。ほら、お母さんがギューッとしてやるのだ!」
アライちゃん1「なのだー!」ギュー
アライちゃん2「ぎゅーなのだー!」ギュー
アライちゃん3「なかよしさんすゆのだー!」ギュー
このアライさん親子の生命力は強い、だが頭は弱かった。
破滅の音が聞こえてきたのにそれ気付けなかったのだから……
廃寺「ミシミシミシ…… バキバキバキィッ!!!」
アライさん「のだ?」
アライちゃん's「「「のだぁ?」」」
アライさん親子「のだああああああああぁぁぁーーーーーー!!!?」
アライさん親子の獣生が、おしまい
最終更新:2018年04月06日 02:33