アライさんとフェネックの子育てごっこ3

176 名前:アライさんとフェネックの子育てごっこ[sage] 投稿日:2017/06/15(木) 02:57:41.70 ID:BLM8TdKy0 [12/16]


 【3日目】

  脂汗をかき、息を荒くするちび。
  悩む2人。


ミニアライ 「のだ………っ…のだっ…」
アライさん 「──────この子、うんちしないのだー…」
フェネック 「そうだねー」

ボテ腹ミニアライ 「……のだっ……」
アライさん 「おなかがぽっこりふくらんでるのだ。ぱんぱんで苦しそうなのだ」
フェネック 「もう3日もお便秘さんだからねー。たくさん食べさせたしね (アライさんがすっごいノリノリで)」

   “奇形フレンズ”であるため、便を排出するための横紋筋や平滑筋の力が足りないのである。
   自力での排便ができず、ミニアライさんの腹は、糞が留って、飢餓の子供のように丸く張り出していた。
   会話はできず、表情も乏しいが、それでも声色と僅かな表情筋で苦痛を訴えている。

   摂食の問題は、咀嚼したものを口移しで流し込むことで一応の対処はできた。
   しかし排便は。

フェネック 「……」

   おもむろに、ミニアライさんのアナルに指をぶちこむフェネック。
   そして、ぐりぐりとほじくりだそうとする。

ミニアライ 「のだぁぁああ!!」 ビクッ
アライさん 「ふぇ、フェネック? やめるのだ、ばっちいのだ」
フェネック 「アライさーん、子育てに“ばっちい”はなしだよ」
ミニアライ 「のだっ( /// )!! のだっ( /// )」

   アナルを掘られクソをほじられつつ、チビアライは性の喜びを感じていた。



177 名前:アライさんとフェネックの子育てごっこ[sage] 投稿日:2017/06/15(木) 03:00:32.44 ID:BLM8TdKy0 [13/16]


 【4日目】

ミニアライ 「」

アライさん 「チビが、死んでしまったのだー……」
フェネック 「……」
アライさん 「目が覚めたら、穴の中で冷たくなってたのだ…」
ミニアライ 「」


  アライさんの手の上で、目の光を失い、両手をだらんと上げて横たわるミニアライ。


フェネック 「……」
アライさん 「……アライさんが子育てがへたっぴだから、
       アライさんの子供を……フェネックの子供を、死なせてしまったのだ…」
フェネック 「(……私の子供じゃないんだけどね)」

アライさん 「ごめんなさい、なのだ………アライさん、失敗してしまったのだ」

フェネック 「アライさん……」


  最初から、フェネックは察していた。関節も、内臓も、骨格も、筋肉も、そして脳も、
  体中が問題だらけで、遅かれ早かれ、こうなる運命のフレンズかもしれないと。

       ボス 【───ソウサクチュウ──ソウサクチュウ───】 ピピピ

フェネック 「……ボスが“お迎え”にきたよ、見送ってあげよう」

   ◇  ◇  ◇



179 名前:アライさんとフェネックの子育てごっこ[sage] 投稿日:2017/06/15(木) 03:18:35.91 ID:BLM8TdKy0 [14/16]

   二度と目覚めることのないミニアライを、ボスが頭の上に載せ、去っていく。

   いつもじゃぱりまんをくれて、フレンズを幸せにしてくれるボスなら、
   死んだフレンズを、幸せな場所に連れて行ってくれるのだろうか


アライさん 「フェネック。アライさんのせいで、あの子、3日しか生きられなかったのだ……」
フェネック 「アライさん………私とアライさんががんばったから、あの子は3日間生きられたんだよ」

アライさん 「フェネックはいつも冷静なのだ……どうしてなのだ」
フェネック 「んー (ほんとだね)」

アライさん 「……フェネック……?」

アライさん 「フェネックも、泣いてるのだ……?」
フェネック 「ぇ?」

  表情はいつものまま、目尻からぽろぽろと涙を落とすフェネック。





180 名前:アライさんとフェネックの子育てごっこ (終わり)[sage] 投稿日:2017/06/15(木) 03:23:33.20 ID:BLM8TdKy0 [15/16]

  ◇  ◇  ◇

  ───翌日。
  ケロッとして元気に走り回っているアライさん。
  朝、でっかいうんちがでたので、さっぱりしたら、昨日の悲しみは頭から忘却の彼方へ消え去ったらしい。
  もともとアライグマは多産なので、フレンズ化後も『死ねばまた作ればいい』という感性が残っていたのである。
  もう3日もしたら、この出来事も忘れ、たまに思い出すことすらなくなるかもしれない。
  害獣。命への冒とくそのもののような暴力的思考の存在である。

  一方、フェネックは、『失敗作フレンズを使ったままごと遊び』の、手痛い報いを受けていた。
  ニセモノの子供とはいえ、情が移ってしまった『2人の子供』と死別した……、
  彼女に残された、そんな一生消えない心の傷。
  この経験が、彼女の心の闇を、ますます深いものとしたのだった。


フェネック 「そろそろいこっかー、アライさん。“お宝”を見つけるんでしょー?」

アライさん 「ハッ…! そうだったのだ!」 ガサゴソ 「この絵(←※地図)に お宝のありかが書いてあるのだ!
        この前のウワサで聞いたお宝は、ニセモノだったけど、でも今度こそ、きっと本物なのだー!」



      アライさん 「フェネックー!  どうしたのだ? 早く来るのだー! 地図はフェネックじゃないと分からないのだ」

      フェネック 「ゆっくりいこうよー」


      フェネック 「…だって、もう私達の“お宝”は無いんだからー……」



最終更新:2018年04月03日 00:02