伝染するハエガイジムーブ・後編

612 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2017/07/03(月) 00:57:26.43 ID:NqmUJOfb0 [5/11]
~数日後


保護団体員1「我々はアライさんの命を守る会である!!」

保護団体員1「日々罪のないアライさん達がハンターによって尊い命を奪われている!!」

保護団体員1「人間の勝手を許すなー!!」

保護団体員達「許すなー!!」

アライさん「のだー」

いつも通り理不尽な抗議が行われる
保護団体の人間は実際に被害を受けていない者達で構成されており
被害者の意見や訴えを聞かずに活動を続けている


ハンター「また来やがったのだ」

ハンター1「いつも迷惑だよな」

ハンター2「自分達はうるさいくせに、こっちの被害報告には全くの無視だ」


徹底抗戦のつもりなのかクロケット帽をかぶっているハンター達が多い
自分たちは害獣を駆除している
更にそれをムダにすることなく命を使わせてもらっているというメッセージだ


保護団体員1「今日は徹底的に抗議をさせてもらう!!」

ハンター「何度も来るな、迷惑だ。 それにお前らの言い分には自分勝手なものしか無い」

保護団体員2「そんなことはない!! 尊い命を持っているアライさんを駆除するなど言語道断!!」

ハンター1「だからそれは害獣駆除で・・・・・」

保護団体員3「それは人間の勝手だ!!」

ハンター2「だからそれはだな・・・・・・・」



613 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2017/07/03(月) 01:01:08.13 ID:NqmUJOfb0 [6/11]
ワーワーギャーギャー
ハンター達はアライさんによる被害データを提示し、自分たちの活動を説明していく
一方でデモ団体は『人間のエゴ』という言葉を繰り返すだけで話にならない

これでは埒が明かない、そう思った時だった

ハンター「だから何度も・・・・・・うっ!!」ビクン

ハンター1「どうした?」

ハンターの身に何かが起こった

ハンター2「なんだ・・・・・・・うっ!!!」ビクン

ハンター5「皆どうしたんだ・・・・」

次々にハンター達に異変が起こっていく
流石に保護団体も抗議活動を中止せざるを得なかった

保護団体員1「なんだなんだ」

保護団体員2「どうしたんだ・・・・」


ハンター「あ・・・・あ・・・・・の・・・だ」
ハンター1「の・・・だ・・・のだ」
ハンター2「なのだ・・・・」
ハンター3「のだー」
ハンター4「なのだ」

保護団体員1「え? え?」

保護団体員達「何が起こっているんだ・・・・」

アライさん「なんなのだ?」



615 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2017/07/03(月) 01:04:52.79 ID:NqmUJOfb0 [7/11]
ハンター「の!・・・・・・・・」

ハンター「・・・・・・」コスリコスリ


最初に異変が起きたハンターが無言になり、両手をこすり合わせ始めた
続けて異変が起きた他のハンター達も同じ動作をし始める

ハンター「」コスリコスリ
ハンター1「」コスリコスリ
ハンター2「」コスリコスリ
ハンター3「」コスリコスリ
ハンター4「」コスリコスリ


保護団体員1「な・・・なんだ、我々をからかっているのか?」

ハンター5「いや、彼らの身に何かが起こっているんだ」


ハエガイジムーブを続ける5人・・・・・
あまりの異常事態に周囲に恐怖が伝染していく

町人1「な・・・・なにあれ?」
町人2「お、おい、どうしちまったんだ」
町人3「これってまずいんじゃ・・・」


そのとき保護団体がある事に気づいた

保護団体員1「あれを見ろ!! 異常行動を起こしている奴は皆頭にアライさんの帽子をかぶっているぞ!!」

町人1「本当だ・・・・」
町人2「あれってアライさんの帽子なの?」
町人3「あんな帽子でなるのか?」

保護団体員2「なんという罪深いことを!! アライさんを駆除し、帽子になんかするからこんな目にあうんだ」

アライさん「?」



616 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2017/07/03(月) 01:09:10.92 ID:NqmUJOfb0 [8/11]
保護団体の主張に耳を傾けるものも出てきて
周囲の空気は保護団体側に流れるものかと思ったが


町人1「でも、それってアライさんが引き起こしているってことだろ?」


町人1の一言に周囲の空気が固まった

町人2「え? なにそれこわい」
町人3「うそだろ・・・・・なんかやばくね」

保護団体員1「ええい!! そいつのデマに騙されるな!!! 奴らがアライさんを狩るからいけないのだ!!」

町人2「いやでも最初にあんたがアライさんとの関連性を言ってたような・・・・」

保護団体員1「だまれぇ!!!」

保護団体員1「お前たちもさっさと抗議活動を続けるぞ!!!」

他の保護団体員に活動の継続を呼びかけるが・・・

保護団体員達「アライさんが原因なのか・・・・・」
保護団体員達「どうしよう・・・怖い・・・」
保護団体員達「でもアライさんの尊厳が・・・・・」
保護団体員達「そんなこと言っている場合か!!」

最初アライさん保護側にいた参加者達の間にもすでに不穏な空気が流れている

保護団体員1「ぐぬぬぬ・・・・・・」

保護団体員が悔しそうにしていると、後ろから服を引っ張られた

アライさん「お腹がすいたのだ」クイクイ



618 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2017/07/03(月) 01:10:37.85 ID:4heF/CUJ0
長いから三行で頼むのだ!



620 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2017/07/03(月) 01:11:10.25 ID:9I111qT40 [2/2]
618
アライさん
キモい
見つけ次第殺そう



622 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2017/07/03(月) 01:12:42.51 ID:NqmUJOfb0 [9/11]
保護団体員の服を一緒に参加していたアライさんが引っ張っている
いつもだったらすぐにアライさんの要求に応じていた彼だが

保護団体員1「ひっ!!!」バシッ

アライさん「のだ!!」

アライさんの手を振り払ってしまった

保護団体員1「ご、ごめんよアライさん」

アライさん「痛かったのだ、それよりお腹がすいたのだ、何かよこすのだ」

保護団体員にアライさんがぐいぐい迫ってくる

保護団体員1「うわぁー!!」

彼は飛び退いた

今まで被害にあったことの無い人間には耐性がなかったのだろう
アライさんへの恐怖心は彼にまで伝染してしまってた

突拍子もない発想なのだが、こういった人間には少しの要因があれば真実など関係ないのだろう
被害者ではない人間が危険領域に入れば手のひらを返すものだ

今までアライさん保護を貫いてきた彼がアライさんに対して恐怖を感じてしまったことを皮切りに
他の保護団体員もアライさんに対して怯えた目を向ける


アライさん「? なんなのだ? どうしたのだ」

アライさん「御飯食べるのだ、ないのならアライさん近くの畑からもらってくるのだ」

町人達「!!!!」



町人達「ふざけんな!!! やっぱり害獣じゃねぇか!!!」

町の住人たちから怒号が飛ぶ

保護団体員達「まってくれ・・・・」

アライさん「?」


ワーワーキャーキャー
コスリコスリコスリコスリ

怒り叫ぶ住民たち、ハエガイジムーブを続けているハンター達


保護団体員達はやり返す気力を完全に失っていた
そして・・・・・

アライさん「何をしているのだ、アライさんもう帰りたいのだ!! 一緒におうちへ帰るのだ」

保護団体員達「!!!!」

彼らにとってアライさんはもはや恐怖の対象になっていた

保護団体員1「あの・・・・・・」

保護団体員がハンターに話しかける

ハンター5「ん? なんだ」

保護団体員1「その・・・・・あなた達の仕事をですね」

ハンター5「まさか自分たちが助かりたいからってこいつを片付けろって言ってるんじゃないだろうな?」

アライさん「?」


終わり



最終更新:2018年04月06日 01:59