ハエガイジとイエイヌ4

456 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2017/07/14(金) 20:52:21.45 ID:1zqIXP/T0 [12/22]
俺がお手洗いを済ませて外へ出ると、妙な色合いのフレンズらしき生き物が、太陽を仰ぎ見ていた。

俺「お前、何やってるんだ」

俺はそう声をかけようとして、イエイヌが倒れていることに気付いた。
顔から戸を流している。俺は再度その生き物を観察して、アライさんであることにようやく気付いた。
一頭三千円で取引されている害獣のフレンズ。物を盗み、クソを漏らし、フレンズを殺す。神の悪意を感じさせるような、薄汚い害獣だ。

アライさん「そういえば、ここの近くに縄があったはずなのだ。犬は木につないでやるべきなのだ! ふはははは!アライさんはやさし……」

最後まで聞き終えることなど、俺にはできなかった。俺はそのアライさんへ駆け寄り、思い切り蹴りを叩きこんだ。
アライさんの背中へ突き刺さり、アライさんは吹っ飛んで地面を転がった。砂埃が舞い上がり、のだという間抜けな叫び声が起こった。

459 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2017/07/14(金) 20:53:57.46 ID:1zqIXP/T0 [13/22]
俺「お前、イエイヌに何しやがった!」

地面に転がったアライさんの両の手のひらを踏みつけてから俺は尋ねた。アライさんの返答は「痛いのだ」だった。

俺「おい、この害獣! 俺の家族に何をしたのかって聞いてるんだよ!」

アライさん「そいつがアライさんのものを取ったのだ!」

俺「そんなことするわけないだろ! 誰が薄汚い害獣から物を取るか!」

観察してみると、アライさんの毛皮は全体的に薄汚れている。ところどころが黒色や赤色を帯び、全身から嫌な匂いが漂っている。

462 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2017/07/14(金) 20:56:09.36 ID:1zqIXP/T0 [14/22]
汗と生ごみと排泄物の匂いだろうか。なんにせよくさくて不潔なことには違いない。
俺はアライさんを踏みつけていた足をどかした。
そして、すぐさまアライさんの首元の毛皮をつかんで起き上がらせ、顔面から地面へ向けて思い切り叩きつけた。
もろに顔から地面に突っ込んだアライさんは、鼻と口から血を流して声にならない悲鳴をあげる。
何度もそれをやってアライさんが気絶したのを確認して、俺は周囲を探し始めた。
アライさんが言っていた、縄を探すためだ。縄はすぐに見つかった。
アライさんの手を手錠結びにして拘束し、足と足もつなげた。そしてそれらを、近くの太く強そうな木へ連結して、アライさんの身動きを完全に封じた。

俺「ついでに、さるぐつわもしておいてやろう」

口にもロープをして、何も話せないようにする。ここまでやってから、俺はぐったりとしているイエイヌへ近付いた。
抱き起してやると、イエイヌは身体を震わせて自力で立ち上がった。

464 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2017/07/14(金) 20:57:16.86 ID:1zqIXP/T0 [15/22]
俺「大丈夫か? 怪我は?」

イエイヌ「ご主人さま……ご主人さまからもらった五百円を、あのフレンズに取られちゃったの……」

俺「馬鹿言え。そんなもん、また今度いくらでもやるよ。お前に怪我がないならそれでいいんだ」

イエイヌ「ご主人さま……ありがとうなの!」

俺はイエイヌと帰宅の途へ着いた。家へ帰ってから、俺はあの公園に特定在来フレンズのアライさんがいたことを、しかるべき公的機関へ通報した。
そして、害獣のフレンズの駆除を行ったことが、区の広報機関から発表されたらしいが、そんなことは俺にはどうでもいいことだった。

467 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2017/07/14(金) 20:59:07.55 ID:1zqIXP/T0 [16/22]
俺「イエイヌ、お風呂に入るぞ」

イエイヌ「はーいなの。じゃあ、水着に着替えてくるね」

俺「ああ」

イエイヌ「あのフレンズみたいに不潔なのは嫌なの。念入りに身体を洗わないと、ダメなの」

俺「いい心がけだな」

それにしてもこの男、童貞である。

俺「オチがそれかよ!」




最終更新:2017年07月31日 22:34