ギリシャ語原語による新約聖書(The New Testament in the Original Greek)は1881年に出版された新約聖書のギリシャ語版の名前である。これは、編纂者のケンブリッジ大学の学者ブルーク・フォス・ウェストコットとフェントン・ジョン・アンソニー・ホートにちなみウェストコット・ホートと略称されている。19世紀の新約聖書の本文批判(本文批評)の集大成といえるものとして、極めて重要な成果である。
ウェストコットとホートは極めて多数存在する新約聖書のギリシア語写本を4つの型に分類した。
最新のもの、すなわち本文批判上最も価値がないのは
シリア型ないしはビザンティン写本型で、それらから構成されたのが従来広く使用されてきた
テクストゥス・レセプトゥスである。
西方型写本はそれより古いが、意訳の傾向があり、そのため信頼性も欠けるのである。
エフライム写本などの
アレクサンドリア写本型(中立型写本)は、洗練されたギリシャ語体である。
ウェストコットとホートは中立型写本が原文に最も近いものとした。そのうち新約聖書のほぼ全文を伝えるのがいずれも4世紀の成立と推定されるバチカン写本とシナイ写本(1859年に発見)である。
最終更新:2018年01月08日 10:23