トリノの聖骸布

1353年、伝存の経緯は不明であったが、フランス・リレのシャルニー家が所有しているところを発見された。地元の司教から詐欺的なシロモノと批判をうけたこともあるが、いくつかの所有者、保管場所の変遷などを経て、1453年に所有がサヴォイ家に移り、1578年にはトリノへ移動された。教皇クレメンス7世はこれを布に描いた絵だと宣言し、神聖物とされないよう展示にあたっては蠟燭を点けない、香を焚かないと条件をつけた。1898年にイタリアの弁護士・アマチュア写真家セコンド・ピアが、初めて聖骸布の写真を撮影した。1983年にサヴォイ家からローマ教皇に所有権が引き渡され、以降はトリノ大司教によって管理されている。

カトリック教会はいまだに真作であるとは認めておらず、中世の贋作との声も根強いが、それだけでは解決できない謎も数多く残されている。
  • 布がイエスと同時代のものである
  • 40時間、遺体をくるんだ痕跡があり、この時間は聖書の記述と一致している
  • 聖骸衣に浮き上がっている顔の染みに色素顔料の使用を確認されず、何らかの未知の原理が働いている
最終更新:2016年09月22日 11:37