メルエンプタハ碑文

歴史上初めてイスラエルの名前が記録された石碑である。
イスラエル碑とも呼ばれる。

ラメセスの息子メルエンプタハ(在位1213-1203)はシリア・パレスティナに遠征を行ったが、この遠征(前1207年頃)を記念した石碑(カイロ博物館蔵)がメルエンプタハ碑文である。この中の、征服したとされる地名リストの中に、「イスラエル」の名が見られる。
カナンはあらゆる災いをもって征服され、アシュケロンは連れ去られた。
ゲゼルは捕らわれの身となり、ヤノアムは無に帰した。
イスラエルは子孫(ないし種)を断たれ、フルはエジプトにために寡婦とされた。
これは、カナンの地におけるイスラエルという集団の存在に言及する最初の聖所外資料である。しかも興味深いことに、他の地名とは異なり、このイスラエルという集団には、都市(国家)や地方ではなく民族集団を表す決定詞(語句の意味を示す、発音されない記号)が付けられている。このことはこの集団がはっきりとした国家の態をなしておらず、またその領土も明確でなかったことを示唆している。

メルエンプタハ碑文本文(和訳):http://changhykw.uijin.com/libra/merenptah.html
メルエンプハタ碑文の「イスラエル」:http://james.3zoku.com/kojintekina.com/monthly/monthly50707.html
ヒエログリフ解読(古代文字へのご招待)(12)メルエンプタハ碑(イスラエル碑)を読む:http://www.nilestory.com/egypt_hiero12.html
最終更新:2016年09月21日 10:34