主の兄弟ヤコブ

イエスの兄弟とされるヤコブについての記述についてまとめる。

イエスの生前

ベルゼブル論争イエスの母と兄弟の項目でもわかるように、生前のイエスには全く同調していなかった。(マルコ3:20)
イエスが家に帰られると、群衆がまた集まって来て、一同は食事をする暇もないほどであった。身内の人たちはイエスのことを聞いて取り押さえに来た。「あの男は気が変になっている」と言われていたからである。

しかし、イエスの復活後、復活したイエスに会い、原始キリスト教団に参加したようである。(Ⅰコリント15:3-8)
最も大切なこととしてわたし(パウロ)があなたがたに伝えたのは、わたしも受けたものです。すなわち、キリストが、聖書に書いてあるとおりわたしたちの罪のために死んだこと、葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおり三日目に復活したこと、ケファに現れ、その後十二人に現れたことです。次いで、五百人以上もの兄弟たちに同時に現れました。そのうちの何人かは既に眠りについたにしろ、大部分は今なお生き残っています。次いで、ヤコブに現れ、その後すべての使徒に現れ、そして最後に、月足らずで生まれたようなわたしにも現れました。

イエスの昇天後

ガラテヤ2:9によれば、ヤコブは、使徒ペトロや使徒ヨハネとともに、原始キリスト教団の重要幹部になっていた。
ヤコブとケファとヨハネ、つまり柱と目されるおもだった人たち

ヤコブの死

1世紀の歴史家ヨセフス・フラウィウスのフラウィウス証言によると、ヤコブは、アンナス二世(イエスを殺した大祭司の一人であるアンナスの子)に殺されたという。

ヨセフス『ユダヤ古代誌』20:199-200
アンナス二世は前述したように大祭司に任命されたが、その気性は性急で、また異常にずぶとくあった。彼は私がすでに説明したように裁判の席についたとき、いかなる他のユダヤ人たちよりも無情であったサドカイ派に属していた。そのような人間であったので、アンナスはフェストゥスが死に、アルビヌスは赴任の途にあるのを好機と考えた。
そこで彼はサンヘドリンの裁判官を召集し、彼らの前にキリストと呼ばれたイエスの兄弟で、ヤコブという名の男とその他の人びとを引き出し、彼らは律法に違反していると告発し、彼らが石打ちの刑に処せられるよう引き渡した。
最終更新:2017年10月15日 19:31