聖書の暦

ユダヤ暦

聖書に記載のある暦。
太陰太陽暦であり、閏月を入れて季節のずれを調整する。

一日の始まり

ユダヤ暦では、一日は夕暮れから始まり、次の夕暮れで終わるように数えた。

暦法

新月(朔の時)を月の第1日とし、15日の夜が満月(望の時)で、次の新月の前日までを1ヶ月と数える。
1月から12月まで、名前が付いていまる。

閏月

ユダヤ暦は19年を1サイクルとする「メトン周期」を基本としている。その19年の内12年を通常の年とし、7年を閏月のある年となる。閏年が入るのは3、6、8、11、14、17そして19年目である。

メトン周期

19太陽年は、約 365.24219日×19年=約 6939.60161日である。一方、235朔望月は、約29.530589日×235月=約6939.68842日であり、ほぼ等しくなっている(誤差は 約 1.25 × 10−5)。
12か月 × 19年 + 7か月 = 235か月であるので、メトン周期に従うと太陰太陽暦では19年間に7回の閏月を入れれば、太陽年とのずれがほぼ解消されることになる。

月の名前

1月:ニサンの月(30日)-聖書には「アビヴの月」とも書かれている。太陽暦で言う3~4月頃。
2月:イアルの月(29日)-太陽暦で言う4~5月頃。
3月:シヴァンの月(30日)-太陽暦で言う5~6月頃。
4月:タンムズの月(29日)-太陽暦で言う6~7月頃。
5月:アヴの月(30日)-太陽暦で言う7~8月頃。
6月:エルルの月(29日)-太陽暦で言う8~9月頃。
7月:ティシュリの月(30日)-聖書には「エタニムの月」とも書かれている。太陽暦で言う9~10月頃。
8月:ヘシュヴァンの月(29あるいは30日)-太陽暦で言う10~11月頃です。
9月:キスレヴの月(29あるいは30日)-太陽暦で言う11~12月頃です。
10月:テヴェットの月(29日)-太陽暦で言う12~1月頃です。
11月:シェヴァットの月(30日)-太陽暦で言う1~2月頃です。
12月:アダルの月(29日)-太陽暦で言う2~3月頃です。
(閏月):通常のアダルの月(29日)の前に、もう一つアダルの月(30日)が入り、その場合、閏月アダルを「第一アダル」、通常のアダルを「第二アダル」と呼ぶ。

古代ユダヤでは「新年」は必ずしもひとつではなく、「二サンの月」の聖なる祭りの始まる春の新年(宗教暦)と、「ティシュリの月」に始まる農耕用の秋の新年(生活・政治暦)と、新年は2種類あった。
イスラエル王国(北王国)よりも永らえたユダ王国(南王国)では後者を使っていたため、その流れで現代のユダヤ暦も政治暦のほうが用いられるようになった。

ユダヤ紀元

中世に逆算してつくられた紀年法。

ユダヤ教において神が世界を創世した日とされる西暦換算で紀元前3761年10月7日を紀元とする紀年法である。グレゴリオ暦との間では差があるため、現在の西暦と日付は対応していない。ただし、これは中世に算出されたもので古代ユダヤ史とは関わりがない。
ちなみに、アッシャーの年表などに代表される聖書の年表よりも短いが、これはバビロン捕囚以降の期間が抜けているためではないかと考えられている。




最終更新:2018年01月24日 23:08