ユダヤ教内グループ

イエス・キリストの時代、ユダヤ教内にはいくつかのグループがあった。

ファリサイ派

前2世紀のマカベア戦争直後から紀元1世紀頃にかけて存在したユダヤ教の一派。語義は「分離した者」。ハシディーム派の敬虔な一派が祖という。律法厳守に徹して民衆や他宗派に接せず、ユダヤ教の創始者エズラに従い、口伝律法も成文律法と同様に権威を有するとしてその拘束性を主張。

サドカイ派

ダビデ王擁立に組みし、エルサレム神殿の祭司となったザドクに由来するとされるユダヤ教の一党派で、前2世紀中頃 (ハスモン時代) から1世紀のエルサレム滅亡まで存続。神殿を中心に祭司、商人、貴族などの裕福な階級の人々で構成されていて、きわめて強い保守的傾向をもち、時の権力と妥協し、あるいは対立しつつ、その特権の維持をはかった。

エッセネ派

パレスチナに初めて現れたのは、前2世紀のハスモン家 (ユダヤ人祭司) の反乱の終り頃といわれるが、前1世紀末までには、その中心集団が死海の北西沿岸に共同生活を形成していた。派としての規模は小さく、会員はおもに農耕を中心として、厳格、敬虔な宗教生活を営んでいた。当時には珍しく、奴隷制を否定し、みずからの労働によって生活の糧を得、それを共有するという共産社会を形成していた。その禁欲的な宗教生活は、修道院と同様である。

熱心党(ゼロテ派)

ローマ帝国時代の過激なユダヤ民族主義者の集団。武力をもってローマの権力に対抗した。革命的党としての組織が最初に言及されるのは 66年のローマに対する第1次ユダヤ反乱のときであるが、通常6年にガリラヤ人ユダが反乱したときにさかのぼると考えられている。
最終更新:2017年07月13日 22:06