サムエル記

『サムエル記』は旧約聖書におさめられた古代ユダヤの歴史書の1つ。元来、『列王記』とあわせて1つの書物だったものが分割されたようである。また『サムエル記』自体も上下にわかれているが、これはギリシャ語聖書以来の伝統である。

名称

ヘブライ名は"ספר שמואל"‎‎ (Sefer Shmuel, サムエルの書)である。
ギリシャ語名の"Βασιλειῶν Α", "Βασιλειῶν Β" (basleion, 王政[kingships])は、元々列王記の一部であったことを反映している。
英語名"Book of 1 Samuel", "Book of 2 Samuel"はヘブライ名の英訳である。
和名『サムエル記上』『サムエル記下』はヘブライ名の和訳である。

内容

1.最後の士師サムエルとその師エリの物語(上1章-7章)
  • サムエルの誕生(上1章)
  • ハンナの祈り(上2章1-10節)
  • 神に背く祭司エリの子ら(上2章11-36節)
  • 預言者として選ばれたサムエル(上3章)
  • イスラエルの敗北と神の箱の喪失(上4章1-11節)
  • 祭司エリの死とピネハスの妻の出産(上4章12-22節)
  • 神の箱がペリシテ人にもたらす不幸(上5章)
  • ペリシテ人が神の箱を送り返す(上6章)
  • サムエルのイスラエル指導(上7章)
2.イスラエルの王政の始まり(上8章-12章)
  • 王を求めるイスラエルの民衆(上8章)
  • サムエルと会うサウル(上9章)
  • サムエルの預言(上10章1-16節)
  • 王の選出(上10章17-27節)
  • ヤベシの人々の勝利(上11章)
  • サムエルの告別の辞(上12章)
3.サウルとダビデ(上13:1-下2:7)
  • 苦境に立つサウル(上13章)
  • サウルの勝利(上14章1-23節)
  • 罪を犯したヨナタンへの処遇(上14章24-52節)
  • アマレク人の敗北(上15章)
  • ダビデの選び(上16章1-13節)
  • サウルに召されるダビデ(上16章-23節)
  • ダビデとゴリアテ(上17章)
  • ダビデを殺そうとするサウル王(上18章)
  • ダビデの逃亡(上19章)
  • サウル王の敵意(上20章)
  • 祭司の元へ行くダビデ(上21章1-9節)
  • 気違いを演じるダビデ(上21章10-15節)
  • 祭司アヒメレクの死(上22章)
  • サウル王から逃げるダビデ(上23章)
  • サウル王とダビデの和解(上24章)
  • サムエルの死(上25章1節)
  • 愚者ナバルと妻アビガイル(上25章2-44節)
  • 再びサウル王に追われるダビデ(上26章)
  • ペリシテ人の国に住むダビデ(上27章)
  • サムエルの亡霊に慄くサウル王(上28章)
  • ペリシテ人の戦いから省かれるダビデ(上29章)
  • アマレク人を追撃するダビデ(上30章)
  • サウル親子の死(上31章-下1章)
4.ダビデ王朝とサウル王朝との戦い
  • ダビデがユダの王となる(下2章1-7節) [2889年]
  • 二人の王の争い(下2章8-32節)
  • サウルの軍の長アブネルの死(下3章)
  • サウル王朝イシュ・ボシェテ王の死(下4章)
5.ダビデの治世(下5章-20章)
  • ダビデの即位(下5章1-16節) [2896年]
  • ダビデとペリシテ人の戦い(下5章17-25節)
  • 神の箱を移動するダビデ(下6章)
  • 神殿建築の始まり(下7章)
  • 名声を得るダビデ(下8章)
  • サウルの子孫を養うダビデ(下9章)
  • アンモン人との戦い(下10章)
  • 人妻バト・シェバをめとるダビデ(下11章)
  • ダビデへの罰(下12章1-25節)
  • ラバの占領(下12章26-31節)
  • 兄アムノンと妹タマル(下13章)
  • ヨアブによる説得(下14章1-24節)
  • ダビデ王とアブサロムの和解(下14章25-33節)
  • アブサロムの反乱(下15章)
  • エルサレムに向かうダビデ王(下16章1-14節)
  • エルサレムのアブサロム(下16章15-23節)
  • アブサロムのはかりごとの失敗(下17章)
  • アブサロムの死(下18章)
  • アブサロムの死を悲しむダビデ王(下19章1-8節)
  • ダビデ王のエルサレム帰還(下19章8-43節)
  • シバの反乱と死(下20章)
6.付記(下21章-24章)
  • サウルの子孫の死(下21章1-14節)
  • ペリシテ人との戦争(下21章15-22節)
  • ダビデの歌(下22章)
  • ダビデの最後の言葉(下23章1-7節) [2929年]
  • ダビデの家臣たち(下23章8-38節)
  • ダビデの人口調査と罰(下24章)

D資料からの挿入

申命記史家は、古いサウル伝承を用いながら、これを補うために以下の部分を追加したと見られている。
サムエル記上7章2-17節/8章1-22節/10章17-27節/12章1-25節
最終更新:2018年01月03日 20:53