カトリック

カトリック教会は、主の啓示は、聖書と聖伝との中に含まれていると教えており、聖書と聖伝とを信仰の二つの源と呼んでいる。

聖書とは、聖霊の神感によって、主の御言葉を書きしるした書物である。
聖伝とは、聖書に書きのせられていないが、使徒の時代から、聖霊の御助によって、誤りなく伝えられた主の御言葉である。
聖伝の伝えられた道は二つあり、一つめは公教会の公式の教導文書である。二つめは非公式の教導で、公式文書よりはるかに多くあるが、教父の著書、祈祷書、典礼書、殉教録、古代キリスト教の美術,碑銘等に含まれている。
聖伝は聖書と同様に重んずべきもの、とされている。
聖書の中にも聖伝を重んずべきことが記されているとし、その根拠をパウロ書簡に求める。

Ⅱテサロニケ2:15
ですから、兄弟たち、しっかり立って、わたしたちが説教や手紙で伝えた教えを固く守り続けなさい。

Ⅱテモテ2:2
そして、多くの証人の面前でわたしから聞いたことを、ほかの人々にも教えることのできる忠実な人たちにゆだねなさい。
「わたしたちが説教~で伝えた教え」や「わたしから聞いたこと」は文書化されておらず、これについて「忠実な人にゆだねなさい」と言っていることから、これが「聖伝」を守るべき理由とする。(※ただし、テサロニケの信徒への手紙二は偽作の可能性がある。テモテへの手紙二は偽作である。)

ペトロへの鍵

カトリック教会は、初代教皇をペトロと位置づけ、その権威がキリストにあると主張する。

マタイ16:13-20
イエスは、フィリポ・カイサリア地方に行ったとき、弟子たちに、「人々は、人の子のことを何者だと言っているか」とお尋ねになった。弟子たちは言った。「『洗礼者ヨハネだ』と言う人も、『エリヤだ』と言う人もいます。ほかに、『エレミヤだ』とか、『預言者の一人だ』と言う人もいます。」イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」
シモン・ペトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。すると、イエスはお答えになった。「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ。わたしも言っておく。あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。陰府の力もこれに対抗できない。わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」
それから、イエスは、御自分がメシアであることをだれにも話さないように、と弟子たちに命じられた。

カトリック教会は、イエスがペトロに命じた「この岩(=ペトロ)の上の教会」がカトリック教会であると主張している。
一方で、プロテスタントは「この岩」が意味するのは、ペトロの「あなたはメシア、生ける神の子です」という信仰告白のことであって、「この岩」がペトロを意味するわけではないと主張している。








最終更新:2018年02月18日 17:06