ユダヤ教の行事

仮庵〔かりいお〕の祭り(スコット)、過越〔すぎこし〕祭(ペサハ)、七週の祭り(シャブオット)がユダヤ教三大祭である。いずれも、出エジプトにおける神の導きを記念する祭りである。

過越(פסח‎‎, Passover/Pesach)

聖書に記載されているユダヤ教の祭り。太陽暦で3月または4月に行われる。ユダヤ暦は太陰暦であり、過越(ペサハ)は「春分の日の後の最初の満月の日」に祝われる。
聖書の出エジプト記12章に記述されている、古代エジプトでアビブ(ニサン)の月に起こったとされる出来事と、それに起源を持つとするユダヤ教の行事のことである。聖書の出エジプト記12章に記述されている、古代エジプトでアビブ(ニサン)の月に起こったとされる出来事と、それに起源を持つとするユダヤ教の行事のことである。特に、最初の夜に儀式的なマッツァー等のごちそうを食べて、その後、お祝いする。マッツァーとは無酵母パンのことであり、ユダヤ人がエジプトから脱出する際、パンを発酵させる時間がなく、無発酵パンを食べたとされることに由来する。
イエス・キリストは過越の時期に処刑されたため、過越(ペサハ)はキリスト教の復活祭(ギリシア語で「パスハ」と呼ぶ)の原型となった祭りである。

七週の祭り(五旬祭)(שבועות, Shavuot)

聖書に記載されているユダヤ教の祭り。太陽暦で5月または6月に行われる。過越の第2日の49日(7週間)後に始まる約3日間の祭で、名は「週」を表すシャヴーア"שבוע"の特殊な複数形(通常の複数形はシャヴーイーム"שבועים")に由来する。これから「七週の祭り」とも訳される。
出エジプトの49日後にシナイ山で神が律法を与えたことを記念し、また春の収穫を感謝する農業祭としての意味がある。日常の仕事が禁じられる安息日であり、トーラーの学習、ルツ記の朗読などが行われる。食事には肉を使わず乳製品を食べる。
キリスト教では、シャブオットの日に聖霊が降ったとされることから、同時期にペンテコステ(ギリシャ語で50日の意で、シャブオットの訳語)として祝う。

仮庵の祭り(סוכות, Sukkot)

聖書に記載されているユダヤ教の祭り。一般に太陽暦10月頃に行われる。
Sukkot とはヘブライ語で「仮庵(かりいお)」のこと。ユダヤ人の祖先がエジプト脱出のとき荒野で天幕に住んだことを記念し、祭りの際は仮設の家(仮庵)を建てて住んだことにちなむ。旧約聖書「レビ記」23章34節以下に規定がある。聖書では、祭りの際にイスラエルの地のユダヤ教徒の成人男性には、エルサレム神殿へ巡礼することが要求されている。ユダヤ暦ティシュリ月15日から7日間行われたが、後代に8日間に拡大した。祭りがもっとも盛大に行われるのは最終日である。ディアスポラではこの祭りは「律法の祭り(Śimchath Torah)」と複合して9日間になった。


最終更新:2018年02月01日 00:22