キリスト教のシンボル

アルファとオメガ(αω,ΑΩ)

十字架に付けられて、復活された主キリストが、次の聖句に従って全ての初めと終わりであることを現わす。

ヨハネの黙示録21:6
わたしはアルファであり、オメガである。初めであり、終わりである。

IHS

IHSの上に十字架はイエズス会の紋章でもある。起源には三つの仮設がある。
【仮説1】
イエス・キリストはギリシャ語で"Ιησους Χριστος"と書く。それをラテン文字に直すと、"Ihsous Xristos"となり、その最初の3つの文字IHSをとったものといわれる。
【仮説2】
ラテン語の「人類の救い主イエス」(Iesus Hominum Salvator)の頭文字。
【仮説3】
ラテン語で「イエスは我らとともにあり」(Iesum Habemus Socium)の頭文字。
【仮説4】
312年10月28日、コンスタンティヌス1世はローマ近郊のミルウィウス橋で簒奪皇帝マクセンティウスと戦い、勝利を収めてローマに入城、西方の正帝に即位した。この戦いを翌日に控えたコンスタンティヌス皇帝の夢に、XPの組文字を円形で囲んだモノグラムが現れ、どこからか"In hoc signo vinces"(「この印のもと、汝は勝利する」の意)という天の声が聞こえたという。この頭文字をとってIHSとなった。

ラバルム(☧)

ラバルム(Labarum)とは、ローマ帝国正規軍の紋章の一つ。コンスタンティヌス1世により制定された。ギリシア文字のΧ・Ρを重ね合わせた形が特徴。この紋章をかたどったXPの組み文字は、今日でもイエス・キリストの象徴となっている。
皇帝に即位したコンスタンティヌスは、正規軍を改編し、円形中にキリストのギリシャ語綴り"Χριστος"の最初の2文字から、ギリシア文字のΧ(キー)およびΡ(ロー)をかたどった旗印を定めた。これが「ラバルム」または「キー・ロー」とよばれるものである。同じ形のラテン文字に置き換えたものとする説もある。

イクトゥス(魚)

イクトゥス(ΙΧΘΥΣ/ ἰχθύς [ichthys, ichtus])は、弧をなす2本の線を交差させて魚を横から見た形に描いたシンボルである。初期のキリスト教徒が隠れシンボルとして用いた。
イクトゥスはギリシャ語で「魚」という意味を持つが、同時にΙΗΣΟΥΣ ΧΡΙΣΤΟΣ ΘΕΟΥ ΥΙΟΣ ΣΩΤΗΡ(ギリシャ語でイエス、キリスト、神の、子、救世主)の頭文字を並べたものでもある。

SATOR/AREPO/TENET/OPERA/ROTAS

2世紀の聖イレネオ司教が、主の祈りの最初の言葉を(Pater Noster)使って作った信仰のシンボルである。
この魔法陣においては、Pater Nosterから取られた P,A,T,E,R,N,O,S の八文字だけが用いられている。
言葉を縦、横の向きに、いずれからも読むことが出来る。

SATOR : 種を蒔く人(キリスト)
AREPO : 犂(十字架)
TENET : 掴む
OPERA : 業(いけにえ)
ROTAS : 輪(世界の運命)

「種を蒔く人は犂を手を持ち、自分の業によって運命の輪をしっかり掴んでいる。」という意味になる。 
また、縦横の TENET により、十字架の形が暗示されている。

その他

他に、ラテン十字、タウクロス、子羊、小鳩、薔薇、錨(いかり)、エルサレム十字、洗礼の十字、聖ペトロ十字、クロス・クロスレット、ボロメオの輪 などがある。

最終更新:2017年07月29日 16:56