イエスの活動期間

ルカ3:1-2
皇帝ティベリウスの治世の第十五年、ポンティオ・ピラトがユダヤの総督、ヘロデがガリラヤの領主、その兄弟フィリポがイトラヤとトラコン地方の領主、リサニアがアビレネの領主、アンナスとカイアファとが大祭司であったとき、神の言葉が荒れ野でザカリアの子ヨハネに降った。

ティベリウスの在位は紀元14-37年であるから、その治世15年は紀元28年である。つまり洗礼者ヨハネの活動は紀元28年からということになる。

ルカ3:23
イエスが宣教を始められたときはおよそ三十歳であった。イエスはヨセフの子と思われていた。

そして、イエスが宣教を始めたのもほぼ同じ時期であるから、イエスの活動し始めたのも紀元28年と考えられる。

ヨハネ福音書の記述からイエスはエルサレムに5回行っている。1回目の過越祭(ヨハネ2:13-16)、ユダヤ人の祭り(5:1-3)、仮庵祭(7:1-14)、ハヌカ祭(10:22-24)、3回目の過越祭(ヨハネ12章)である。さらにこれと別に、2回目の過越祭(ヨハネ6:4)についての記述がある。このことからイエスの活動期間は3年半と考えられている。

ところで、イエスの磔刑はピラトがユダヤ総督だったときである。ルカ福音書の記述ではイエスが活動を始めたときのユダヤ総督もピラトである。ピラトがユダヤ総督として在任していたのは紀元26-36年である。


これらのことから、イエスが活動した時期(公生涯)は紀元30年前後であることがわかる。

しかし、そもそもヨハネ福音書は史実性に乏しく、それゆえこの「3年半」という期間の長さにも疑問が残る。



最終更新:2018年02月04日 22:12
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