青山繁晴ブログ 武漢熱(新型肺炎/コロナウイルス)最新情報(2)

・2020/02/08(金)更新

2020-02-07 23:36:01
武漢熱クライシスの超克を通じて何を目指すか その1

http://shiaoyama.com/essay/detail.php?id=1575

▼自由民主党の武漢熱クライシスをめぐる対策本部の第4回が、2月5日水曜に党本部で開かれました。
この対策本部は、党の政調 ( 政務調査会 ) の付けた正式名称では「新型コロナウイルス関連肺炎対策本部」です。
不肖ぼくは、ご存じの方もいらっしゃる通り、この新しい感染症を武漢熱と命名・・・命名したとは、ちとエラそうですね。正確に言えば、勝手に名付けただけです。
その真意を今、お話しします。

これは中国共産党による独裁が生みだした疫病です。それも習近平国家主席がみずからを毛沢東に擬して汚職追放の名目で対抗勢力をすべて粛正したために、地方の共産党組織が物も言えない、嘘でもなんでも良いことしか中央に上げられない現下の体制になったことが深く影響して感染が拡がったと思われる疫病です。
それだけに、やがて中国が発生源であることを忘れさせるような世論工作が行われるでしょう。
今は、まさか、中国から始まったことを誰も忘れないよと思っていても、病の名から武漢という中国の都市名が消されていると、いつかはこの工作が浸透していく怖れが充分にあります。

▼そこで武漢という明確な地名を冠し、さらに症状の中でもっとも短い名の症状である「熱」を付(ふ)して、武漢熱としました。
これは中国に対する偏見では全くありませぬ。
なぜなら、武漢 ( 国際社会の共通語ではWUHAN ) こそが発生源であることが間違いないからであり、発生の当初、武漢の共産党組織によって隠されていたことも、もはや明白になっているからです。
独裁が必然的にもたらす保身主義、それによって疫病が深刻な拡大を起こすことは、人類共通のたいせつな教訓です。
中国で起きた問題を、中国への偏見や怒りで終わらせず、人間が共有できる教訓にするためにこそ、武漢発の疫病であることを、その名で永遠に明示すべきだと考えます。
不肖ぼくが勝手に付けた名前ですから、党の対策本部の名称に付かないのも当然です。ただ、感染症を含む危機管理の専門家の端くれとして名付けたたことは事実です。

▼さて、対策本部です。
国会の開会中ですから、どの議員もさまざまな日程とぶつかります。
不肖ぼくも、補正予算案を審議した予算委員会など決して欠席できない公式日程とぶつかり、第1回と第2回はどうしても参加できませんでした。
第3回と、この第4回は幸い、参加できたのです。
第4回でぼくがどのような発言をしたかは、速報にてもう、みなさんにお伝えしました。
このエントリーから詳報に入ります。
詳報の最初は、そのぼくの発言に対して政府側の行政官たち ( 一般的に言えば官僚、役人。互いに敬意を持つべきですから、ぼくはできるだけ行政官と呼ぶようにしています ) がどんな回答をしたかを、ふつうなら記すところです。

▼しかしこのエントリーではまず、ある議員の発言を、ありのままに伝えておきます。
記者出身でもあるぼくは、この議員の発言を正確にメモしました。
ただ、国会審議とは異なり、部会などでの発言は基本的には、その発言者自身が明らかにすべきものです。
だから、正確なメモを元にしつつ、趣旨だけを紹介します。したがって名前も記しません。
この議員は前回・第3回の対策本部で「冷静になれ」という趣旨の発言を強い調子で発言されていました。
これは、行政官たちに問うというより、明らかに参加議員に呼びかける発言でした。

議員はみな、それぞれ冷静に発言していました。中国に厳しいことを申すのも、政府・行政官の側に対応を求めるのも、客観的な判断に基づいて発言していて、当たり前ですが感情で発言するような議員はいませんでした。
したがって、やや不可思議に思いましたが、ほかの議員は、ぼくの見る限りこの発言をほぼ無視していました。
なぜでしょうか。

自由民主党で開かれる部会や、この対策本部のような自由発言の場は、なかなかに厳しい場でもあります。共感を呼んでいる発言と、無視される発言とに、はっきり分かれるのです。
この議員の発言が後者に近くなった背景のひとつとして、捜査が進行中の事件が恐らくあるのでしょう。
中国と自由民主党議員との関わりにおいて逮捕者も出し、疑惑のお金を受け取った複数の議員もリストアップされているカジノIR汚職事件です。
発言者は、この事件への関与が指摘されています。

▼そしてこの議員は、第4回の対策本部では「もしも日本発の新しい感染症が出たら、その時に日本がどんな扱いを受けるのか、それを考えて発言し行動するべきだ」という趣旨を、前回同様に、強い調子で発言されました。
ぼくは思わず、隣に座っていた閣僚経験者と顔を見合わせました。
この閣僚経験者はリベラルな考えで知られるベテラン議員です。ぼくと考えの違うところもあるのですが、とてもフェアなひとで、最近、護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 / JDI ) に加入され、総会や勉強会に積極的に出席してくれるひとです。
このベテラン議員が「△■○だから」と仰いました。
聴き取れませんでした。
ぼくがお顔を見ると、「不起訴だと思っているんでしょう」と今度は、聴き取れました。
ぼくは咄嗟に「あ、なるほど」と答えました。なるほどとは言いましたが、正確に言うと、起訴、不起訴ではありません。

この議員は強制捜査は受けましたが、秋元議員のように逮捕されたりはしていないので、それ以前の段階です。
ベテラン議員の仰りたかったのは「捜査の手がこれ以上伸びないと思って、安心して、中国寄りのことを言っているのじゃないですかね」という意味でしょう。
あくまで公平に記さねばなりません。同じことを、この議員の側から言えば「潔白だから、自信を持って信念を述べている」ということになるのでしょう。

▼たったいま進行中の事件捜査そのものは、検察庁が法によって与えられた権限を行使し、証拠集めをしていくわけですから、立法府の人間があれこれ言うべき段階ではありません。
しかし親中派という、自由民主党の中の一大勢力の影をこんなにストレートに、部会などで感じるのは珍しいことです。
いろいろな解釈が成り立つでしょう。

ほんとうに深い、ただならぬ関係を中国共産党と持ってしまっている議員は、部会でわざわざ中国擁護に聞こえるようなことは言わないから、この議員は正直な方だと考える人も居るかも知れません。
ぼくもそれは考えました。

けれども、対策本部が開かれてもう2日が過ぎ、仕事をしつつ頭のある部分でじっくり考えてきて思うのは、やはり、それだけ中国にとって大変な危機なのだろう、だから自由民主党の部会や対策本部で、徹底的に中国の対応ぶりが叩かれることを座視できないのではないかと考えます。

▼この地味ブログのエントリーは、非力なりに切れ目のない多様な仕事の隙間時間に書かざるを得ません。
だから、細切れにアップしていきます。
次は、ぼく自身の発言をあらためて紹介し、政府・行政官の側の答えぶりを、できるだけ精確に記します。

 

 

2020-02-08 00:43:51
武漢熱クライシスの超克を通じて何を目指すか その2

http://shiaoyama.com/essay/detail.php?id=1576

 

▼武漢熱クライシスをめぐって2月5日水曜に開かれた、自由民主党の対策本部、その詳報の(2)です。

▼まず、この地味ブログの速報にて紹介した最初の発言を、あらためて詳しく記します。
「これまで習近平国家主席の国賓としての来日に反対してきました。しかし今は、武漢熱クライシスの拡大によって、4月の来日そのものに反対せざるを得ません。日中であれ、どこの国であれ、首脳交流は決定的に大切です。そのうえで中国の最高責任者をこの春にお迎えすることは、してはなりません」

「4月の来日予定まであとわずか2か月、まだ分からない面が多いのは事実ですが、少なくとも4月に終息していることは極めて考えにくいのが現時点での現実です」

「その情況で、天皇陛下がお会いになったりすれば、事態がたいしたことはないという宣伝に利用され、中国首脳による陛下の政治利用という恐るべき事態となる可能性が強い」

「仮に陛下がお会いにならずとも、来日自体が、同じような政治宣伝になり、日本そのものが利用され、世界に間違った致命的なメッセージを送ることになります。来日は見送るべきです。政府の考えを聞かせてください」

▼この問いに対して、政府・行政官の側から何も答えがないまま、会が進行していこうとしたので、あえて不規則発言にて「政府から答えがないのでは部会や対策本部の意味がありません!」と声を出しました。
ほかの議員から「そうだ」、「その通りだよ」という大きな声が幾つもあがり、元厚労大臣の田村憲久対策本部長が「ほら、ちゃんと答えて」と政府・行政官の側に促しました。

▼すると外務省が「外交当局の間で具体的な準備をしています」という趣旨だけを答えました。
すなわち、延期や中止は協議していないという意味です。
これでは当然、足りないので、同じ2月5日水曜に開かれた外交部会・外交調査会合同会議でも同じ趣旨をもう一度、問いました。
すると中山展宏・外務政務官が「感染症の拡大防止に懸命に取り組んでいます。中国の協力を得て、まずは拡大防止を進めるのが先決です。青山議員の意見は、しっかり拝聴しました。現時点では、準備を粛々と進めています」と述べられました。
これは趣旨ではなく、ぼくのメモによる正確な発言です。

▼では、この発言をどう見るか。
対策本部にも、外交部会にも、きちんと出席なさっていた護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 / JDI ) 事務局長の高木啓代議士は、この日に開いた護る会・執行部会の自由討議にて、「青山さんに対する政府側の回答をしっかり聞いていましたが、私は変化を感じました」と仰いました。
ぼくも同じです。
邦人救出や感染症の拡大防止のために中国の協力はどうしても必要だから、こちらから習近平国家主席の訪日の延期や中止は持ち出さない。しかし・・・というニュアンスを感じました。

▼「しかし・・・」のあとは何なのか。
それは、中国自身の変化をよく見るということでしょう。
すでに、今月に開くはずだった習主席訪日のための準備会合も、経済協力会議も、ふたつとも中国側の要請で中止になっています。
あとは、訪日が予定される4月に向けて、武漢熱の様相がどうなっているかだと、日本政府は考えているのでしょう。

▼ぼく自身は、邦人救出を最後まで完遂するためにも待ちの姿勢だけでは良くないと考えています。
しかし前出の護る会事務局長である高木さんはこうも言いました。
「青山(護る会)代表幹事の習近平国家主席の来日反対の意見は、充分に、対策本部でも外交部会でも、政府側に届いていました。いまは、護る会がすぐ行動するより、暫くは見守るべきではないですか」
高木さんの冷静さ、公平さは、まさしく事務局長として不可欠の資質だと思います。
そのうえで、執行部会で結論を出すのではなく、護る会の52人全員に出席を求める総会にて、議論することとなりました。
来週の水曜に、総会は開かれます。

▼この対策部会の詳報としてのエントリーは、その3へ続きます。
みなさんの関心に早く答えたいです。
しかし午前5時半に出発して、福岡へ向かいますから、今夜はもう限界です。

★水面下までを話す機会の独立講演会は今、3月15日に東京ビッグサイトで開く第99回を募集しています。
会場では、いちばん有効なアルコール消毒の義務づけを行います。マスクは自衛として意義があります。ただ、本質的な効果ではありません。ウイルスそのものはくぐり抜けます。非常にちいさなウイルスをすべて阻むようなマスクなら、窒息します。
また日本国内では、クルーズ船という特別な空間を除き、イベントの中止を検討したりイベントへの参加を再考すべきであるような感染連鎖は、客観的に冷静にみて起きていません。
しかし、これはまったくの蛇足ながら、開催日までに何らかの異変を感じられた方は、まず保健所に相談されてから、医師の診察を受けてください。
講演者のぼく自身は、あまりに当然ながら、健康管理を万全にして会場に入ります。すこしでも、わずかでも異常があれば、この地味ブログですぐ明らかにすると同時に、会場に入ることが決してありません。

感染症であれ、テロリズムであれ、身を縮めてしまえば、負けです。
その危機に有効な備えをしつつ、いつもの生活を守る。これが危機管理の王道です。その王道こそが、もっとも国民と国家を護ります。

応募は、ここです。あるいはこのボタンを押してください。https://www.dokken.co.jp/kouenentry/

最終更新:2020年02月08日 07:54