目次:
三行でまとめると
1.戦略のゴールを設定しよう&小目標に分割しよう
2.情報を集めて分析しよう&足りない情報は集めに行こう
3."仮組み"しよう&「見てもらう」⇔「立案する」のサイクルを何度も回そう
もう少し詳しく
1.戦略のゴールを設定しよう&具体的な小目標に分割しよう:
A「この戦略は何を目的としていて、どういう状態になればそれが達成できるのか(ゴール)」
B「目的を達成するためには、具体的に何をすれば良いのか(小目標)」
を最初に決めましょう。
Aが決まっていなければ戦略はブレブレになってしまいます。
戦略を立てる人の頭の中には確固たるものがある場合でも、他の人には伝わっていない場合がほとんどです。
藩国など、関わる人が多い組織の戦略では特にAを明示して「全員が同じところを見ている状態」にしましょう。
Aで決めたゴールをどう実現するか、を具体化する際にBが必要になります。
ゴールへの道のりが険しい(険しそうに見える)とやる気がドンドン下がり、作業に着手したくなくなります。
比較的近くに見えるくらいまで、小目標に分割しましょう。
戦略立案者が複数人いる場合には、分割した小目標ごとに担当を割り振るのも良いかもしれません。
2.情報を集めて分析しよう&足りない情報は集めに行こう:
1で分割した小目標を達成するための「方法」を検討するとき、
自分の手持ちの知識だけでなんとかなることはほとんどありません。
想像だけで立てた戦略は、それだけ確度が下がります。
既出の情報はできる限り集めつつ、足りない情報は芝村さんに質疑することも視野に入れましょう。
特に、現地(B世界)情報からは様々なことが読み取れます。
ユーザーイベントやウェーブ対応のログ、質疑/口先介入結果、各国の予言の内容、生活ゲームログなど、
情報収集のためのアンテナは高いに越したことはありません。
(かといって戦略立案者はそれら情報を絶えずくまなく収集し続けないといけない!
と根を詰めすぎてしまうと精神上良くないので、必要なときに探しに行けるようメモっておいたり、
詳しい人に教えてもらったりするのも良いと思います。)
集めた情報から「戦略立案に関係のある要素」を取捨選択/分析するのは、
戦略立案者の個性が出るところだと思います。
3."仮組み"しよう&「見てもらう」⇔「立案する」のサイクルを何度も回そう:
いきなりAのゴールが達成できることがほとんどないように、
1発で非の打ち所のない戦略が立案できることもおそらくありません。(私には無理でした)
2で集めた情報で一度案を仮組みしてみましょう。
実際に文章にしてみることで、「あ、そういえばここどうすりゃ良いんだろう」「ここわからん」
という部分が最初のうちはたくさん出てくると思います。
わからない部分の情報が集まるまで一度立案はストップ・・・してしまうと
立案者のところで作業が止まってしまい他の人もどんな案なのか全体像がわからないままなので、
わからない部分は「ここは情報が足りない」「ここは質疑が必要」などとと書いておき
仮組みのプレハブ小屋でも良いので全体を一度仕上げましょう。
できあがった仮組み案は他の人に見てもらいましょう。
立案者が気づかなかった点を指摘してもらえるかもしれませんし、
「ここわからん」と書いておいた部分を他の人は知っていて、教えてもらえるかもしれません。
自分で調べる手間が1つ省けますね。ラッキー!
会議窓に置いておいて「他の人に見せて指摘が特になかったからみんなOKってことだな!」
は悲劇を招きかねないので、OKをもらいたい場合はTO名指しで見てもらいましょう。
また、見せる範囲を広げすぎて反応を貰いすぎると、対応に追われて作業が止まります。
貰った指摘全てを盛り込めない場合もあるので、かえって指摘してもらった人の心象を悪くする場合があります。
作業者の対応できる範囲で見てもらうようにしましょう。
見てもらった後、指摘をもらったり情報が不足している部分を補強しましょう。
2の情報収集/分析を切り口を変えて再度おこなったり、精度が上がった段階でさらに別の人(上位者)に見てもらうのも良いと思います。
結果として、仮組みした案からガラッと変更する場合もあるかもしれません。
「見てもらう」⇔「立案する」のサイクルを回せば回すほど、穴のない案になっていくはずです。
ここからは時間(締切)との戦いです。立案した戦略に基づき、
それを実現するための手段(アイドレス開発や作戦記述)を構築する必要があります。
戦略立案に時間をかけすぎて実現手段の構築が間に合わないのも、
実現手段構築に時間をかけすぎて戦略がおざなりになってしまうのも、戦略的には失敗です。
リーダーは(引続き検討は続けるとしても、)「いついつまでに立案された戦略をベースとして、実現手段構築を始める」
というスケジュールを前もって提示しておくのが良いと思います。
実例への当てはめ(T22宰相府:海方面の場合)
1.戦略のゴールを設定しよう&小目標に分割しよう:
戦略のゴール:海方面から侵攻してくる敵を撃退し、宰相府の安全を守る
(※当初、海方面の戦略は宰相府の国防計画の一環として始まりました。
のちに、対象範囲が拡大されました)
小目標:
あ:敵戦力の規模を検討する
い:敵戦力の陣容を検討する
う:敵戦力の攻撃目標を検討する
え:敵戦力の侵攻ルートを検討する
お:敵戦力を撃退するために必要なアイドレス(兵器)について検討する
2.情報を集めて分析しよう&足りない情報は集めに行こう:
『サイクル1回目』
<あ:敵戦力の規模>※主に宰相府チャット内で複数人で検討しました。
- T21時点の我々の燃料消費量から敵戦力の燃料消費量の概算値を算出。
- 侵攻ルートとして考えられる「海」「宇宙」「迷宮」に敵がどの程度戦力を割り振ってくるか検討。
- T21で敵が最も攻撃に成功したのは「海」。よってT22は海に戦力を多く割り振ってくると想定。
- 海方面への燃料割り振りは「3000(遠征効果で実際の戦力は燃料1000)」程度になると想定。
<い:敵戦力の陣容を検討する>※和錆さんの絢爛知識が大きかったです。
- T21イベント対応ログより、無名騎士藩国の海底施設が白兵攻撃を受けたと判明。
- 敵は「シールド突撃」により攻撃をしていると想定される。
- 現状、B世界側にシールド突撃への対抗手段はほぼ無いため、敵主力はシールドシップ&RBと予想。
- シールドシップはI=Dも搭載可能なため、そちらもサブ戦力として来るかも?
<う:敵戦力の攻撃目標を検討する>
- RBとI=Dのみで各国の占領をおこなうのは難しい?
- 少数でクリティカルなダメージを与えてくるのでは?(要人や重要施設など)
<え:敵戦力の侵攻ルートを検討する>
- シールド展開時の稼働時間は約2時間、その間移動速度は800km/h程度
- 敵の侵攻ルートは往復やこちらの探知を考えて800km以上離れたところから攻めてくる?
- 防衛線突破はシールドシップでおこない、発艦したI=Dで各国を攻撃する?
<お:敵戦力を撃退するために必要なアイドレス(兵器)について検討する>
3."仮組み"しよう&「見てもらう」⇔「立案する」のサイクルを何度も回そう:
- 『サイクル1回目』の結果、検討したたたき台がこちら
- 最終的な案とはだいぶ異なっていると思います。
- 分からない部分やまだできていない部分についてもそのまま書いた"仮組み"です。
再度2の情報収集&分析を実施:
『サイクル2回目』
- 吹雪のため航空戦力で対抗できない詩歌藩国を狙う?
- 上陸戦に備えるための陸上戦力が必要?
- 情報収集/分析の切り口を変えてみた
- 海方面でT21に敵がやったことは何か?
-無名騎士藩国の海底施設への攻撃(T21イベント中の質疑)
-詩歌藩国への攻撃(T21イベント後の生活ゲームにて判明)
-上記2つの攻撃はT21ウェーブ中で、ほぼ同時期
-宰相への質疑の結果、他の海関係の施設には被害なし
-紅葉国(都市船)や宰相府(海洋牧場)も被害を受けていない
-固定かつ攻め込める距離にあるB世界施設が無名・詩歌しか無かった?
→敵の根拠地は太平洋側にあると想定される
- 海方面、無名騎士(東京)&詩歌(沖縄)に攻め込め、探知されない距離(800km以遠)、太平洋側
→小笠原では?
-上記条件で小笠原諸島の他に有力な島は無い
-小笠原ゲートは立国ゲーム時点で存在しており、ゲートが閉じた描写はない(侵攻ルート有力候補)
-島を基地化することもできる
-ゲートを通ってこちら側を策源地としていた場合、燃料消費が3倍にならないので敵にとって非常に有利
- 敵策源地の有力候補は小笠原。島を基地化して、そこからシールドシップを出撃させ各国へ嫌がらせし続けることが狙い。
- T22ウェーブが開始すると敵はバラバラに分散してしまい各個撃破するしかなくなるので、
位置がわかっていて敵が一箇所に固まっているうちに急襲するしかない。(ユーザーイベントを使用して敵基地を一気に叩く)
情報分析中の追加情報:
『サイクル3回目』
- 詩歌藩国の王犬様は攻撃を受けてから行方不明(誘拐された可能性大)
- 攻撃を受けたときから捜索開始まで、詩歌藩国は吹雪に閉ざされており空、海上ともに移動はほぼ不可能
- ACEやわんわん勢の捜索でも発見できない→詩歌藩国領土内には居ない可能性が高い
- 詩歌藩国は沖縄県に存在しており、空と海上が移動できない場合は他に移動手段が水中しかない
- 王犬様は敵RBに攻撃を受けた際に水中を通って連れ去られた可能性が高い
- 連れ去り先は、RBの稼働時間や安全性を考えて敵基地(小笠原)が最有力
- 敵は王犬様を犬質にとった状態でT22ウェーブを開始し、いざとなれば詩歌藩国を爆散させることができる
- 小笠原への侵入、救出作戦もユーザーイベントで実施しなければならない。
再検討結果を受けて再度3.立案:
※この後、王犬様救出作戦と敵基地攻撃作戦は作戦アイドレス記述に向けて分割しています。
並行して海方面を検討いただいていた和錆さんが王犬様救出作戦、青狸が敵基地攻撃作戦の記述を分担しています。
T22戦略の振り返り
良かったと感じた点(青狸):
- 分析に必要な情報が多く公開されていた(特に生活ゲーム)ため、立案の際に大変参考になった。
(逆に宇宙方面はほとんど情報がなかったため、大変だったと思います・・・。)
- 足りない情報について、確認可能なことについてはどの方面も積極的に質疑して確度を上げていた。
- 宰相府内で戦略の担当者を方面ごと(宇宙、迷宮、治安、海)に分担したため、
他方面は気にはしつつも自分の担当に専念できた。
- アイドレス作成者(宰相府の兵器の場合は宰相が大半でした)から
「戦略に合わせて必要なものを作るようにする(戦略立案がなければアイドレス製作無いまま戦闘だよ)」
と言っていただいていたため、必要なもの(=作戦アイドレスでバッチリシフトのかかるもの)
をリクエストすることができた。同時に、サイクルを回して精度を上げることに集中できた。
※中々立案をアウトプットできていなかった時期に、ハッパをかけていただいたのもありがたかったです。
- 宰相府チャット内でのアイデアの出し合い(国民同士)が自方面以外でもされていたこと、
適宜、案に対して上位者(宰相府の場合は宰相)からコメントをもらうことができたことなどから
自分1人で抱え込まなくて良いと感じることが多く、詰まったときの相談環境として助かった。
改善が必要だと感じた点(青狸):
- 海方面については、立案した戦略/作戦の意識合わせが直前までできていなかった。
-敵基地攻撃作戦については指揮を帝國軍にとってもらうのに、指揮官(白石さん)に作戦アイドレスURLを
渡せたのがユーザーイベント前日夜になってしまったのが大きな反省点です。
-芝村さん経由で作戦案については藩王会議窓で伝えていただいている(だろう)、とお任せしっぱなしになっていたので、
会議に参加せずとも「どんな反応でしたか」の確認はしたほうが良かったかと思っています。
- 作業のスケジュール自己管理が十分にできていなかった。
-アイドレス登録作業後すぐにユーザーイベントが始まること、海方面は真っ先にユーザーイベントで対応すること
は分かっていたのに、結局作戦アイドレス登録が締切当日になってしまった。
-途中、たたき台だけを出して特に理由なく作業が止まってしまった期間があった。
常に作業し続けなければいけない!・・・というわけではないですが、
スケジュール感の提示&フィードバックは受けるべきでした・・・。
総括/所感
戦略立案については「より多くの情報を揃えるために人手が必要な部分」と
「立案者の意思を反映させるために少人数で作業する部分」の両方があると感じました。
人手をかけることで、行き詰った状況を打破するための「閃き」がより生まれやすくなると思います。
(正直、海方面で敵基地が小笠原にあるとしたのも、王犬様が小笠原にいるとしたのも
スタートはお風呂に入っていたときにたまたま閃いたからです)
基本は立案者が自分の意思に基いて主体的に立案しつつ、要所要所で「ここは自分だけでなく、他の人のアイデアもほしい!」
という部分については、(広がりすぎない範囲で)チャンネルをもつのが良いと感じています。
また、繰り返しになりますが"仮組み"はとても大事です。立案者だけでなく、立案者に指示をする人からしても、
進捗が順調なのかそうでないのかを把握してフォローすることができると思います。
(実際、仮組みを見ていただいてアドバイスを貰ったことで、モチベーション上でもとても助かったと感じています。)
作:青狸@宰相府藩国
最終更新:2018年01月28日 21:41