ピスカ・ハウイカウサイ部族連合

・この国はジャーガルク・シャー国の保護領です


国名 ピスカ・ハウイカウサイ部族連合
(アルファベット表記表記:Pisuka・Hauikhauswai Tribal Union)
首都 ハツン・ラクゥタ市
(アルファベット表記:Hatun・Lachta City
地域 グラニツァ大陸中部
世界地図67南東)
公用語 ジャーガルク語・各部族語
国教 自然崇拝
国歌 我々は無知を恨む
国制の特徴 共和制・立憲民主主義・自由主義・環境保全主義・母系社会
国家元首 ウィリリ・シンシー
人口 7619年時点:約250万人
7628年時点:約280万人
通貨 シル(略称cl)


・概要

ピスカ・ハウイカウサイ部族連合はジャーガルク領グラニツァに存在する大陸先住民(有翼亜人)の部族制共和国であり、ジャーガルクの保護国である。略称はピスカ

・地理

国土は5つの部族自治区と1つの首都特別市で構成されている。

  • 地図

+ ...

  • ピスカ・ハウイカウサイの自治区及び特別市
地区名 詳細 人口
アンカ人自治区 最も勢力のある有翼亜人部族で毛深い足と鋭い爪が特徴であるアンカ人の自治区、サバナ地帯であり、ダチョウ恐竜の飼育が盛ん 約79万人
ワマン人自治区 アンカ人に次ぐ有力部族ワマン人の自治区、ダチョウ恐竜の飼育が盛ん 約70万人
クィスピル人自治区 黒い羽が特徴の有翼亜人であるクィスピル人の自治区、賢い民の地として知られている。 約43万人
ワカマイ人自治区 色鮮やかな羽を持つ有翼亜人であるワカマイ人の自治区、ほぼ密林地帯に属している。 約43万人
パーヤ人自治区 最も小柄な有翼亜人であるパーヤ人の自治区、ほぼ密林地帯に属している。 約50万人
ハツン・ラクゥタ特別市  ピスカ・ハウイカウサイにおける政治・経済の中心都市、新大陸へのイクファターナ人進出時に迫害され、逃げてきた住人たちが建設した町であり、各地の有翼亜人だけではなく新大陸中各地の民族が見られる。 約15万人

・政治

ジャーガルクとは異なる独自の憲法に基づく立憲民主主義政体であり、憲法に戦時の文民保護自然保護が明記されているのが特徴、

・行政(内閣)

 部族連合の指導者である調停者は各部族自治区と特別市を選挙区とする調停者選挙で選ばれ、勝者総取り方式に基づき、選挙区で最多得票を得た候補者が、その選挙区に割り当てられた議席や得点などの全てを獲得する。但し、どこか一つの選挙区で得票率が30%以下である場合、選挙はやり直される。
 調停者の任期は4年であり、再選は1回まで可能である。調停者の権限は非常時の軍・警察指揮権、賢者から意見を求める権利、議会の承認と法律に基づき政令を定めること、部族会議承認の下、行政職員を任命する権利のみであり、権限は比較的弱いと言える。

・司法(裁判所)

 ジャーガルクの承認の下、独自の最高裁判所を有しており、罪刑法定主義・三審制・国選弁護人制度・当事者全員の意思に基づき参審制を選択する制度が整備されており、また最高裁判所には調停者と各自治区の首長を弾劾する権利が存在する。

・立法(集会)

 人口ごとに振り分けられた大選挙区より、ボルダ得点制の選挙で3人の議員を選出し、議会を構成する。議員の定員は301人であり、任期は2年で再選は出来ない、また全議員の内5分の4以上の出席と過半数以上の決議により最高裁判所長官と調停者を罷免する権利を有している。


・部族自治区と特別市

 部族自治区のトップである首長と特別市の市長は自治区内の選挙によって選ばれる。任期は共に4年で再選は1回までできる。法定受託事務制度に基づき自治区や特別市の役割は大変大きい、またピスカ全体を管轄する連邦警察に対して、自治区警察・特別市警察が存在する。

・経済


・農業

 国民の殆どが狩猟採取と農耕によって必要最小限の食糧を得、自給自足の生活を送っている。主な作物はジャガイモ・トマト・トウモロコシ・バナナ・インゲンマメ、カボチャ・ウリ・カカオであり、連作障害や不作に対応できるよう数種類の作物を栽培している。
 私有地・私有財産の概念が未だ薄く、食べ物は村民間で平等に分配されることが多い、また近年ではジャーガルクへ天然ゴムや熱帯木材を輸出しているが、環境権に基づき、伐採される木は間伐材のみである。木材天然ゴムの販売で得た収入は村の共同財産とされ、治水工事や学校の運営費などに使われる。
 またジャングル地帯では古代より生姜や胡椒などの香辛料・薬用熱帯植物の栽培・採取が盛んであり、特に近年栽培に成功したキナの樹によるキニーネ生産は世界一であり、世界生産の約75%を占めている。

・鉱業

 火山が存在するため硫黄が産出される。硫黄は火の精霊からの贈り物であるとされているため、労働者の賃金や鉱山の運営費を除く金銭利益は行政の運営費に用いられる。それ以外にも鉱物資源が存在する可能性はあるが、住民たちが土地開発を拒んでいるため、調査は進んでいないたされている。

・工業

 空の精霊を怒らせるという理由で工場の排気ガスに規制が掛けられているため、工業化は全く進んでいないと言える。但し工場制手工業による絹織物・綿織物・紙巻きたばこが生産されており、特に煙草のピスカ・ソウルという銘柄は高級品として需要がある。

・対外感情

ピスカは保護国として外交権を有していないが、外国への留学生を推奨しているため、諸外国に対し様々な感情を有している。

国名 対外感情
ソフィア王国 イクファターナ白人の国、友愛と大地を大切にする心を学んでほしいな。
立憲王政アーカルソン=リペルニア イクファターナ白人の国、南の方に彼らが移住している。もっと大地を大切にしてほしいな。
ニューアーカルソン自治領 すごく賢い人たちが多い所、ハリントン大学に留学生を送りたいな。
ヴェルレニース自治領 うちの商品をジャーガルクに次いで購入してくれる所、
「生産設備を大規模化してもっと大量生産したらいいよ」って勧めるけど、そういう事はあまりしたくないな。
レイズフィル自治領 元気な人たちが多い所、でも美しい森林をどんどん開発するのは控えてほしいな。
リントヴルム朝ヤード帝国 イクファターナ白人の国、物質的に満たされることが必ずしも幸せでないと気づいてほしいな。
フォンタニエ辺境伯国 北に進出しているムスル人という人たちに連れてこられ、虐められてる人たちの母国、かわいそうだけどメトラ人怖いし、逃亡奴隷を助けるのは無理かな。
レオネッサ王国 イクファターナ白人の国、彼らは何故大地を所有したがるのだろう?
カラシュ公国 地理のテストに出る国、色々怖いうわさは聞くけどきっと本当は優しい人たちの国だろう。
ジャーガルク・シャー国 我々を守ってくれる国、でも保護国統治が自由なのは彼らが優しいからじゃなくて、他の民族の生活に介入する気が無いだけと思う。
ムスルマーネン=カリフ国 北の方に進出して、現地の同胞たちを奴隷にした連中、僕たちのことを生きる意味のない蛮族と呼んでいる。
トゥガ国 彼らの因果推論思想は興味深いと思う。
清河人民社会主義共和国 平等に物を分け合う国らしい、きっと優しくて善良な人たちの国なんだろうなぁ。
ハダカンボ王国 地理のテストに出る国で暑いらしい、北に進出しているムスル人という人たちに連れてこられ、虐められてる人たちの母国、かわいそうだけどメトラ人怖いし、逃亡奴隷を助けるのは無理かな。
ザルバチ海岸共和国 僕たちと同じ政体の国、きっといい人たちの国なんだろうなぁ。
カノミス王国 遥か東にある国、口伝が正しければ大昔にはこっちの方にも来訪したらしいけど、今はあまり来ないね。
フィルモア合衆国 北の国、長い耳の民を虐めてたらしいけど、僕たちには関係ない話だね。
インティ帝国 北の国、長い耳の人たちが住んでいる。
シンファナ=タンクレート共和国連合 遠くの国、ジャーガルクの人たちが良い国って言ってたから良い国なんだろうなぁ。
トルカーナ公国 彼らは付き合う価値すらない。
ゴーシュ共和国 亜人を虐めている人たち、差別と偏見から解放されてほしいな。
空賊連合組合 自由は大切だ、でもその為に他者を傷つける事を厭わないのは間違っていると思う。

・歴史


・神の時代


・先史時代


・母の時代


・最初の都市国家トアト


・タヤカ文明の繁栄と崩壊


・アーカ帝国の支配


・イクファターナ人の進出と帝国の消滅(7255年~7299年)

 7250年代カノミス人カナロアグラニツァ大陸発見はイクファターナ諸国に衝撃を与え、特に当時の海洋覇権国であったヴェネーツィア共和国では自国も新大陸に進出すべきであると、新規市場獲得を目論む中小商人を中心に主張し始めた。
 そして7253年にドージェとなったピザ・スコが中心となり国立造船所「アルセナーレ・ディ・ヴェネーツィア」でカノミスに送ったスパイの情報に基づき、キャラック船2隻とキャラベル船3隻を建造、新大陸へ探検隊を派遣した。
 そして7255年にグラニツァ中部へ到達、現地のアーカ皇帝(トラトアニ)であったモクモクは白い肌で羽の無い彼らを神の使いであると考えもてなし、またヴェネーツィア人達も領土獲得に不熱心であったため、帝国と通商条約を締結、沿岸に居留地を築いた。
 しかしイクファターナ人の進出によって現地に天然痘ペスト等の疫病が蔓延、アーカ帝国の住民たちは「皇帝が受け入れたのは神ではなく魔人であった」と噂するようになり、7260年皇弟テバサキを推す貴族たちが皇帝を暗殺、扇動した兵・住民と共にヴェネーツィア人居住区を襲い住民を虐殺*1、また教会を略奪して聖マルコ旗を燃やした。
 その報告を受けたヴェネーツィア本国は激怒し軍隊を派遣、しかしアーカ帝国ではテバサキを皇帝とする派閥と、モクモクの子ヤニスカを擁立しようとする派閥で内戦が勃発していたため、ヴェネーツィア軍はヤニスカ派に加勢、同派閥に武器を輸出し、ついに7268年内戦はヤニスカ派の勝利で終わった。
 しかし疫病の蔓延と内戦によって国民は激減し国土は荒廃、潤沢であった貴金属も武器購入代金としてヴェネーツィアに引き渡し、更に北部(現アババ二スタン)・西部(現ピスカ)の部族が帝国に離反したため、その討伐遠征で更にヴェネーツィアからの借金が増加、7299年、もはや国家再建が不可能であると判断した最後の皇帝ガンは国土と住民をヴェネーツィアに譲渡し退位した。

・ヴェネーツィア共和国領時代(7299年~)

 ヴェネーツィアは旧アーカ帝国領を獲得したものの、商売の中心は依然、中央海のガレー船貿易であり、キャラック船・キャラベル船の数は少なく、また植民地を直接統治する人員も足りていなかったため、実質的にヴェネーツィア人が統治していたのはゴーシュ海沿岸植民都市を中心とした、植民地東部のみであった。
 その為それ以外の地域では先住民有翼亜人の在地貴族が実質的な統治者である場合が多く、彼らはその年領地で収穫されたジャガイモ・トウモロコシ等の農作物を収穫量の4~5割を沿岸の総督府に納税し、余裕があれば沿岸の都市でヴェネーツィア・ガラズ製品胡椒絹織物を購入、またその様な中で先住民領主とヴェネーツィア系地主が婚姻し、混血児(メスティーソ)も増加していった。

レオネッサ王国植民地時代(~7581年)

 レオネッサ王国による国土統一後、ヴェネーツィア共和国は消滅し、グラニツァ植民地も大きな変化を迎えた、新政府は統一後植民地に対して増税を行い、更に非白人の土地所有を禁止、これに対して元々共和制の気風が強く、王政に不信を抱いてた現地ヴェネーツィア人と先住民・メスティーソ地主は反発し、反乱が勃発(グラニツァ戦争)誕生して間もないレオネッサ軍は何とか沿岸部を支配するも、抵抗軍はノンポッサーレ山脈以西を後背地*2とし、潤沢な資金でアトリオン立憲王政アーカルソン=リペルニアから銃・弾薬を購入、戦争は長引いた。

・ジャーガルクとの交渉と保護国化(7581年~現在)

 長期的な現地人の反乱鎮圧で疲弊し、同植民地経営が困難となったレオネッサ王国ジャーガルク・シャー国にグラニツァ植民地の販売を決断、グラニツァ獲得後ジャーガルク政府は同地に2個師団を派遣、密林に適した鳥馬部隊によるゲリラ掃討作戦によって抵抗軍を各地で撃破した。
 形成の不利を悟った当時の調停者フラ・キツはジャーガルクとの交渉を全部族集会で提案、イクファターナ人に土地を奪われた部族の代表は和平に反対し、全ての土地を奪還するまで戦うべきと主張した。しかし未だ自分たちの土地を占領されていない多数派5部族出身の代表は自分たちの自治を保障するという条件で和平に賛成、ジャーガルク側も先住民・メスティーソの土地所有を認めるという形で彼らを取り込み、また礼王朝との対立に対応すべく現地派遣軍を縮小したいと考えていたジャーガルク軍・政府はこれ以上敵を増やすべきではない、むしろ現地先住民自治勢力を味方にするべきと判断、ピスカからの使者に対し、ピスカ・ハウイカウサイ部族連合を正式な政府と認め、独自の法律に基づく彼らの自治を認めると通達した。
 思わぬ結果に驚いた調停者フラ・キツ含むピスカ政府は逆にジャーガルク保護化の下、イクファターナからの侵略を抑止すべきと主張、7583年に結ばれたジャーガルク・ピスカ条約に基づき、ピスカはジャーガルクの保護領となった。保護領化後ピスカ政府はジャーガルクへの留学生を推奨し、統治体系の近代化をさらに推進、一方旧大陸諸国の環境汚染とヤーディシア大戦の悲劇を知った留学生たちは、戦時における文民保護を憲法に明記すべきと主張、7616年にその条項が加えられた。

・文化

 全体的に個人主義の傾向が強く、調停者や首長の命令が誤っていると思う者は従わない自由が認められている。性的にも自由であり、男女の役割は個人の判断に任され、また個人の決断により社会的半陽性になることができ、同性婚も認められている。

・ピスカのシャーマニズム

 古代よりピスカの有翼亜人は精霊を信仰しており、彼らとの交信を担うシャーマンは現在でも大きな発言力を有している。またジャングルのシャーマンは一子相伝の教えにより、数千種類の薬草を効能や使用法と共に暗記していた。保護国化後は宗主国ジャーガルク経由で韓方薬が流入、熱帯由来の薬学と中原由来の薬学が集合し、ピスカ薬学が誕生した。今でもピスカ薬学の担い手はシャーマンであり、免許制の下、ピスカ薬学大学でイクファターナ医学・韓方医学・ピスカ伝統の治療を全て学んだものがシャーマンとなる。

  • 主な薬品
名称 産地 詳細
ゼンニンジン ゼン国 ウコギ科の植物、古来より根が滋養強壮と万病に効く生薬として重宝され、カラン朝時代には高級品として柱王朝に輸出されていた。またカラン朝のユウ上王はゼンニンジンの専売を目論見、ゼン国へ遠征し現地の豪族にゼンニンジンの朝貢を義務付けており、また柱王朝の衰退によってゼンニンジンの需要が減ったため、末期カラン朝は財政難に陥っていたとも言われている。
冬虫夏草 トゥガ国 蛾の仲間の幼虫に寄生するキノコの一種、生薬として健肺、強壮効果、抗がん効果がある。
キナの樹 ピスカ マラリア原虫に特異的に毒性を示すマラリアの特効薬キニーネの原料
生姜 ピスカ 旧大陸原産の植物で発散作用、健胃作用、鎮吐作用がある
乳香 ピスカ・アババ二スタン 樹木から分泌される樹脂で鎮痛、止血、筋肉の攣縮攣急の緩和といった効能がある。

・ピスカの浮屠教

 近年ジャーガルクやトゥガ国より僧侶が来訪し説法することが多くなっており、円十字教やメトラ教と違い現地の信仰を尊重する態度と教えから、現在浮屠教を信仰する者が増加し、特に葬式において僧侶に読経してもらうことが増えている。


・人物

名前 生年 詳細
ウィリリ・シンシー 7591 現在のピスカ調停者、生物学的には雌であるが社会的半陽性、タビラ・ゾロテ・プラト大学法学部出身であり、大学卒業後は帰郷して憲法の文民保護条項追加運動の中心人物となる。運動成功後は政治家となり、弱冠25でピスカの指導者である調停者となる。

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最終更新:2020年05月14日 16:31

*1 一部は神殿へ連行し生贄とした。

*2 同地までの道はヴェネーツィア植民地時代から狭く、大軍の移動に不向きであった。