概要
シンファナ大陸中央南部に位置する立憲君主制国家。礼帝国の藩王国であったが、帝国の没落により分離独立した。
周囲の全てを清河人民社会主義共和国と、海に囲まれている。
石炭や石油を始めとした地下資源の豊富な資源国であると同時に、科学技術力の面でも高い水準にある。
豊かな四季を背景とする水資源、森林資源。温泉を初めとした観光資源も豊富であり、世界的にも相当に恵まれている。
文化
ジェンダーロール
- 制度上は男女同権であり、両性に選挙権・被選挙権が存在する。
- 一般にスルガ男性の性的指向は弱く、恋愛や性的行為については受け身である。
- 逆にスルガ女性の多くは社交的、積極的であり、性的指向は強く、恋愛や性的行為について主導権を握っている。交際や結婚の申し込みも女性から行うことが多い。
- 風俗産業については女性向けのものの方が多い。男性の際どい露出ポスターが飾られていたりする。
- 結果、他国からは「貞操逆転国家」と呼ばれることもある。
- 女性のほうが進学率が高い。その関係上、商業や研究、政治などの分野においては女性の社会進出が進んでいる(体格・体力の関係上、産業の大部分は男性が担っていることについては変わりは無い)。
- 夫婦については女性のほうが男性より平均年齢が高い。
- 「主人」「亭主」という語は夫ではなく妻に対して使われる。都市部では専業主夫は珍しくない。
- ラパルナ族との性交渉は不倫や浮気とは見なされない。
缶詰
スルガ人は魚食を好むが、常に新鮮な魚が手に入るとは限らないことから、近代に入ってからは缶詰保存が発達した。
さば缶、さんま缶、いわし缶、かに缶、さけ缶、まぐろ缶など、その内容は多岐に渡る。
内陸部の農村でも新鮮な魚を得られ、常温保存が可能で衝撃にも強いことから一斉に普及し、生産体制も確立した。現代のスルガ庶民の食生活には欠かせないものとなっている。
もちろん非常食、軍用食、携行食としての機能にも優れており、各国に輸出も行われている。
都市には屑鉄屋が存在し、空き缶の買い取り・リサイクルも行われている。
魚以外の珍味も少数ながら流通している。開けるには缶切りが必要。
稲作
米はスルガ人の主食である。かつては貨幣としても用いられた。
肥沃な土壌や豊富な水資源などの条件は多いものの、単位面積あたりの収穫量に優れており、スルガの四千万の人口を支えている。
スルガの環境では3毛作が可能であり、麦やその他野菜も作られている。イクファターナなど他地域の常識を越えている。
なお農地経営は旧領主を初めとする寄生地主と、そこで働く小作人によって成り立っている。清河の批判に対抗し、また小作人の権利保護のために農地改革が構想されているが、一方で土地所有者の細分化や経営規模の小規模化による生産性低下が懸念されている。
仮に地主から土地を取り上げ、小作人に配分したとしても、小作人は土地を売ってしまうのである。
そのため現在では小作料(土地貸出料)の規制を行うことで小作人の没落を防いでいる。
治安
この世界に一般に見られる光景であるが、貧富の格差による階層社会が形成されている。当然の如く富裕層の住まう地域では治安は良く、貧困層の住まう地域は治安が悪い。首都の水面院や各地方都市にも貧民窟は存在し、貧困と不衛生によって必然的に犯罪者を産む温床となっている。
市民の生活レベルでは「隣組」という4〜6世帯ごとに小共同体が形成されており、都会であっても「近所付き合い」は必須である。挨拶をしない者や余所者は警戒され、共同体原理によって窃盗などの一般犯罪は少ないとされている。
また表面上は友好的であっても陰湿な密告社会であり、急に羽振りが良くなる人間がいればすぐに噂に上がることになる。
銃規制については緩いものの、運用自体は成功している。公務員の多くは拳銃の携帯許可を持ち、また高額納税者の子女も護身拳銃の携帯が許されている。銃の所在は銃弾単位で管理されている。銃犯罪の発生率は他国に比べてかなり低く、マフィアが銃撃事件を起こすということはほぼ無い。
密輸・密航についての警備については先進的であり、
カラシュ公国・
ムスルマーネン=カリフ国系の人身売買組織や、ザルバチの「同胞」は活動していない。
スルガで最も冷酷な人間が入国管理局で働くとも言われ、密航者や不法入国者にはスパイ容疑がかけられる。
誘拐被害に遭いやすいラパルナ族が安心して生活できる国の一つである。
うなぎ
おさかなの一種。蒲焼や鰻丼などにして食する。栄養価が高く非常に美味であることからスルガでは好んで食されている。一時期は一週間に一度はうなぎを食べると言われるほどだったが、乱獲の影響により近年では漁獲量は減り続けており、値段は高騰。高級魚扱いされている。
スルガ家屋
木造。他の地域では見られない独特の住宅模様を持つ。しかし都市化により地価が高い地域では徐々に姿を消しつつある。
- 畳:スルガ家屋で使用されるカーペット。い草を編み込んで作る。土足厳禁。
- 障子:スルガ家屋のドアは紙でできている。プライバシーなんてない。
- 囲炉裏:部屋の真ん中にかまど兼暖炉がある。
- 布団:綿を詰め込んだ寝具。ベッドと違い収納することができる。
- 瓦:スルガ家屋の屋根に使用されるセラミックブロック。
- 庭:池を中心として庭石や草木を配する。庭いじりは古くからスルガ人の趣味となっている。
- 屋敷林:風雨や雪から屋敷を保護するために植えられる林。
スルガにおけるレオネッサ料理
レオネッサ料理はスルガに於いて最も古くから広く普及しているイクファターナ料理である。もともとは港湾近くで外国船員や交易者向けに開かれたものであった。ピッツァやパスタ、ミネストローネといった基本的なものはもちろん、特に
レオネッサの都市ネーポリから伝わったと
信じられている「具材と共にトマトケチャップで炒めたパスタ」は
ネポリタンと呼ばれ、カフェー等でも供されている。
浄火明神(じょうかみょうじん)
- 今川油田
- 浄火都市水道
- 安倍川(あべがわ)流域・水力ダム発電運営部
- 更科川(さらしながわ)流域・水力ダム発電運営部
- フォンタニエ・ヴィヴィアンヌ記念水力ダム発電運営部
- フィルモア・水力ダム発電運営部
- シンファナ=タンクレート水力ダム発電運営部
- インティ水力ダム発電運営部
今川甘味本舗
お茶、スルガ菓子及び茶器の販売、特に海外輸出を手がける商社。藩主御用達。
スルガ菓子には
- 団子(だんご)
- 饅頭(まんぜう)
- 羊羹(やうかん)
- 煎餅(せんべい)
- 金平糖(こんぺいたう)
- アイス最中(もなか)
- 抹茶白玉(まっちゃしらたま)
- カステラ
などが含まれている。庶民向け、贈答品向けなど複数のブランドを持つ。
スルガ刀
スルガの刀剣。切れ味が良く、細身で長さの割に軽い。細く長いにもかかわらず独特の鍛造工程により極めて丈夫にできている。スルガではこの刀の使用を前提に独特の剣術、多数の流派が生まれた。流派には大きく分けて剛剣術と速剣術がある。
イクファターナ諸国でもスルガ刀は知られており、ソフィア王国などではサーベルの代わりに装備されている場合もあるらしい。
- スルガ神道流:速剣術の一派。精神面では「静謐」や「無心の境地」を重視し、剣術においては後の先(カウンターアタック)、切断ではなく急所への致命的な一撃を重視する。女性でも体得でき、大の男が優れた女流剣術家に打ち負かされることは少なくない。
- スルガ鳳凰流:剛剣術の一派。体格に優れた男性向けの流派。構えは無く、持ち前の身体能力で制圧前進する。
花札(フラワー・カード)
スルガにおける遊戯用カード。絵柄の違った48枚で構成される。絵柄は季節を現しており、12ヶ月×4枚となる。様々な意匠のものが作成されているが、数字は記載されていない。賭博にも使用されている。
姉妹ミシン(スィスターミシン)
自動織機及びミシンメーカー。代表作の足踏みミシンは国内のみならず各国にも輸出されており、服飾文化に貢献するとともに、家庭に副業の道を開くことになった。スルガでは婿入り道具としても有名。
スルガ料理
- ライスとミソスープ:スルガ食の基本セット。
- スシ:酢を含ませた米の上に様々な海産物を乗せた料理。大豆ソースに付けて食する。具はマグロやエビなどが人気。
- テンプラ:魚介類や野菜等の食材を小麦粉を主体とした衣で包み、油で揚げた料理。
- トンカツ:厚みのある豚のロースやヒレのスライス肉を、小麦粉・溶き卵・パン粉をまとわせて食用油で揚げた料理。スルガでは好きな時にトンカツを食べることができる経済力が「ちょうどいい」という言説がある。
- うどん、そば:小麦粉あるいは蕎麦粉を原料とした麺料理。シンプルでかつ何にでも合う食材のため、さまざまなバリエーションが存在する。
- ラメーン:神河を起源とする麺料理。神河とは違い、スルガではスープを味噌で味付けたりする。
スルガ語 |
韓語をスルガ文字(ひらがな・カタカナ)で補ったもの。ほぼ韓語であり、方言レベルの差違しかない。 |
人名 |
姓が前、名前が後ろ。姓は韓字、名前はひらがなorカタカナ(スルガ文字)。例)藤原エレナ、天沼あいり |
温泉 |
国内の各所に存在する温泉。富裕階級が嗜む。 |
今川焼き |
小麦粉を主体とした生地に餡を入れて金属製焼き型で焼成した菓子。 |
黒瘴(こくしょう)カメラ |
実用的な可搬性、機動性、フィルム交換のしやすさを売りにしたカメラ。白黒フィルム。現像は黒瘴社の営業所に委託する必要がある。新聞業界等に広く普及している。趣味とするものも多い。 |
カフェー |
喫茶店。コヒーや軽食を出す。新聞やラジオも提供される。 |
ダンスホール |
富裕層を中心に広まる社交ダンス場。お一人様で入場した場合でも、有料でダンスの相手(ホール所属のダンサー)を指名することができる。近年ではラパルナ族のダンサーが大変な人気を博している。ダンスホールは有力者の会合や交流の場所としても利用されている。社交ダンス自体は立憲王政アーカルソン=リペルニアから伝来したと言われている。 |
スルガロリィタ |
服飾文化の一形態。ロリィタファッションにスルガ要素を取り入れたもの。振袖や着流しにフリル等のドレス的要素を取り入れている。ロリィタファッション自体は立憲王政アーカルソン=リペルニアから伝来したと言われている。 |
アトリオンスタイル |
服飾文化の一形態。立憲王政アーカルソン=リペルニアの服装をイメージした衣装群。「知的」「フォーマル」なイメージを持ち、眼鏡にも意匠を凝らす。大幅にスルガ的改変が為されており、アトリオン人からすると違和感を拭えない。 |
同人誌即売会 |
定期的に行われる同人誌即売会。文学に限らず漫画等、あらゆる創作活動が行われている。各出版社も在野の人材を求めて注目している。藩主や他国元首を絡ませた過激な内容のものが出回ることがあり、度々問題になるが政府はこれを黙認している。 |
政治
原帝国からの分離独立時より立憲君主制を取っており、今川家は実質的な政治権力を保持していない。
三権分立等、政治制度は
立憲王政アーカルソン=リペルニアを参考にしている。
帝国領邦時代の身分制度は撤廃されており、四民平等。貴族と言える存在は今川家のみである。
元貴族家(武士階級)は多数存在するが帝国領邦時代で既に多くが没落しており、商人の時代となっていた。
立憲冷笑党
独立時から継続しての政権与党。
国人一揆
大土地所有地主を支持基盤とする有産階級政党。地主は主に都市部などに集住しているため都市部に支持基盤を持つ。
労農統一会派
スルガ百姓一揆と町人公事の統一会派。
- スルガ百姓一揆:地方の農村、とくに小作農を支持基盤とする農本主義政党
- 町人公事:都市部の労働者による無産政党。共産主義シンパである。
用語 |
詳細 |
藩主(はんしゅ) |
国家元首のこと。今川家から選出されることになっている。 |
入札(いれふだ) |
選挙に相当する。普通選挙。 |
家老(かろう) |
首相に相当する。 |
奉行(ぶぎょう) |
大臣に相当する。町奉行や勘定奉行が存在する。 |
御家人(ごけにん) |
議員に相当する。入札によって選出される。 |
公議(こうぎ) |
内閣に相当する。家老が組織し行政を担当する。 |
評定(ひょうじょう) |
議会に相当する。御家人の定数は300。議院内閣制で家老を選出する。 |
冷笑派 |
スルガの議会の大勢を占める政治派閥。親アトリオン。礼帝国の時代から存在し、礼帝国復興派から名付けられた。冷徹な現実主義を自称しており、帝国崩壊の際にはいち早く決起してスルガを制圧、強引に改革を推し進め、藩主を座敷牢に追いやった。 |
表現の自由戦士 |
政治的発言やエロ・グロを初めとする表現規制に対する反対する立場や主張者を指す語。スルガにおいては現政権への批判や共産主義の賞賛はただちに罪ではない。 |
野座間製薬 |
スルガ最大の製薬会社。広範な技術力と影響力を持ち、取扱の範囲はペニシリンを初めとする抗生物質から、モルヒネ、化粧品、入浴剤までに及ぶ。 |
玄武財閥 |
スルガ最大の財閥。狐人系。 |
外交
自らの経済成長と国家の存続を最優先課題としており、資本主義・自由経済の利害が許せばどのような国家とも関係する。
他国の政治事情に口出すことは無く、君主制国家とも対等に関係する。
軍事
清河を敵性国家と見做しており、規模はともかく、陸海軍とも世界有数の水準の装備を保持している。
名称 |
メーカー |
特徴 |
150mm榴弾砲 |
真火(しんか) |
牽引野砲。短砲身化と軽合金の使用により重量を軽減している。 |
210mm榴弾砲 |
真火(しんか) |
野砲。駐退復座機を砲身と上部砲架に二重に設置して反動を大きく抑えている。間接射撃戦術を支える火砲。 |
岩斬08重機関銃 |
岩斬峡(がんざんきょう) |
重機関銃。400発/分の速度で連射する。冷却機構の信頼性が高く、様々な派生型が存在する。 |
有刺鉄線 |
禍汰奇(かたき) |
有刺鉄線にもブランドがある。禍汰奇のものを使った鉄条網は裁ち切り難く、多くの工兵を泣かせてきた。 |
珠眼(じゅがん) |
赤城川(あかぎがわ) |
軍用双眼鏡。レンズ径30ミリ。倍率8倍。左のレンズには目盛りが付けられている。 |
Soramaro-P13 |
風見明神(かざみみょうじん) |
複座複葉偵察機。前席に偵察員。後席にパイロット。 |
Adamaro-F91 |
風見明神(かざみみょうじん) |
戦闘機。単葉、全金属、密閉式。加速力に優れ、一撃離脱戦法を得意とする。武装は岩斬08重機関銃×2。 |
Utamaro-B11 |
風見明神(かざみみょうじん) |
双発爆撃機。乗員4名。元々は旅客・郵便用に開発されたものだが、各種のスペックを満たしたことから爆撃機にも転用された。 |
ホウジョウ |
生網明神(せいもうみょうじん) |
戦艦。礼王朝の下で7585年に就役。星哀という艦名にてジャーガルク・シャー国との戦争にも参加し交戦経験を持つ。その後スルガの独立と同時に接収され、改名された。 |
Mz75護身拳銃 |
綺羅(きら) |
女性、それも十代後半の少女、特にラパルナ族を想定した自動拳銃。装弾数は9mm拳銃弾6発のみだが、携帯性を重視したデザインとなっている。ラパルナ族には重すぎる、あるいは無骨過ぎて携帯されない、という本末転倒を防ぐ為に開発された。発砲音は押さえられておらず、威嚇効果や撃つことで危難を表明することを考慮されている。 |
烏羅未(うらみ)13 |
真火(しんか) |
自走式多連装ロケットランチャー。数段階の爆発を数秒足らずで広範囲にもたらす「面制圧兵器」。トラックの上に8本のレールが据え付けられ、レールの上下にロケット弾を装着し、計16発を連続して撃つことができる。(次回戦争時に完成予定) |
黄泉示(よみじ)零八式歩兵銃 |
岩斬峡(がんざんきょう) |
ボルトアクションライフル。6.5mmの小口径で長銃身と相まって反動が小さく、体格の小さいスルガ人にも扱いやすい。長い銃身と洗練された内部構造からくる命中精度の高さは清河=スルガ戦争でも実証済みであり、清河兵は銃声が聞こえたら速攻で地面に伏して隠れなければ二人目の命が無かった(一人目は死んでいる)。なお一丁づつ職人が手作りで作っており、スルガ刀の小銃版とも言える。 |
陸軍規模 |
12個師団。50万人。大元の組織については礼帝国時代からの継承である。清河に対して質的な優位を確保するため、要塞線の増強や新兵器の研究や投資に余念がない。 |
海上戦力(7616年)
戦艦×3 ホウジョウ、アイチ等
空母×3 モウリ、サガ等
巡洋艦×8
駆逐艦×30 ムラクモ、ミネグモ等
水雷艇×20
敷設艇×8
掃海艇×4
海防艦×10
最終更新:2019年07月30日 01:01