モーリス主義

モーリス主義(アトリオン語:Mauricism)とは革命家ミシェール・ド・モーリスMichelle de Maurice 7455~7513年)によって提唱・体系化された経済学理論である。それまで幾人の革命家や経済学者によって社会主義論が提唱されてきたが、それまでの理論や既存経済学を批判しつつ、独自の経済学理論を体系化することに成功し、労働者階級にこそ社会全体の経済的基盤が存在することを結論づけた。モーリスの理論は著書「労働価値論(労価論)」に集約されており、現在ではすべての共産主義者のバイブルとして読まれている。
モーリス主義を基礎とし、実際の革命運動論として体系化したのがヤードの革命家イリーヤ・M・ベリアであり、双方の理論を一本化したものはモーリス・ベリア主義と呼ばれる。

概要

モーリスは社会に存在するすべての富(資本主義的生産様式が支配している社会の富)は労働者による労働によって生み出されるものと規定し、労働者による生産手段すなわち資本家の私有財産の社会化すること(私有財産制の否定)を共産主義の達成手段であるとした。

モーリスの理論

モーリスは商品の価値はその商品を生産する過程で投じられた社会平均的な労働量によって決まるとした。別種の商品を比較させた際にその価値の差異から生じる交換比率が交換価値となり、また、この交換価値が使用価値量に対比されたのが貨幣の起源とされる。
商品の価値を貨幣で表現したものは価格と呼ばれる。
モーリスは、本来ある商品を交換するために貨幣に転じさせる(買うために売る W-G-W')ことが、資本主義においては、貨幣を得るために商品を作る(G-W-G')という行為に変化したと批判した。
資本家はさらなる貨幣を得るためには、同じ価値量の交換を続けることは無意味である。故に、さらなる貨幣の獲得のためには、その価値を生産する労働者から搾取する他ない。資本家は、労働者により多くの労働価値商品を生産させ、その「一部」を賃金として給付する。その本来の価値との差額を利潤として搾取する。本来の生産された価値は労働者の目に触れることがないから、その搾取に気づかず、「その賃金の昇降に一喜一憂する」と批判した。
このような事象が起こるのは、本来生産手段を持たない労働者が、資本の所有する生産手段を「間借り」しているためであり、労働者自身がその事実を当然のものとして受け入れているからにほかならない。
しかし労働者が自身の生産した価値、すなわち自身の生産能力と資本家の欺瞞に気づいた時に、労働者の決起が始まり、資本家を追放し、生産手段を労働者階級の共有とする過程を経て、はじめてその搾取から解放される。
しかしブルジョワによって支配されている政治権力は、暴力によってこれを弾圧するだろう。それ故に、労働者は武装してこれに当たらなければならない。すなわち暴力的な政治権力奪取(暴力革命論)である。一方でブルジョワ権力が労働者階級に対等の政治参加を認めるならばその政治参加プロセスを通じた変革も否定しない。
労働者階級による権力を確立した後は、労働者階級による民主的な政治権力執行がなされる。この権力執行には旧ブルジョワ階級は徹底的に排除される(プロレタリア独裁)。すなわちプロレタリアにとって民主的、ブルジョワにとっては独裁となる。このプロレタリア独裁論は後にベリアによって拡大解釈され、前衛党理論と一党独裁に通じるものとなったと批判されている。

労働価値論

モーリスの理論は著作である「労働価値論」にすべて集約されている。
「労価論」は全3部で、7501年に、第1部初版が刊行され、その後改訂を繰り返し、結局彼の生前に刊行されたのは第1部のみであった。第2部と第3部は生前に残された大量の草稿を元に、彼の弟子であるオルタンス・ルノアールによって編集・出版された。ルノアールは労価論の共同編集者でかつモーリスの一番弟子であったことから、モーリス主義の女教皇と呼ばれ、ヤード革命までは国際共産主義運動の最大権威と見られた。
ルノアールはソフィア、アトリオンなどの主要先進国にて革命運動を指導するも、まずは平和革命をといい、労働者階級主体の暴力革命ではなく、議会主義的な漸進的な改革が「現実的」とした。
ヤードのイリーヤ・ベリアはこれを激しく論難し、国際共産主義運動の中でベリアの論が支持されるようになるとモーリス主義の解釈権もヤード共産党に移ったと国際的にも認知されるようになり、ルノアールは運動の主流から排除されるようになった。
労価論はモーリスの生前から各国語に翻訳され、最も売れたクラリッサ語版は初版1万部が半年で完売したと言われている。

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最終更新:2019年03月12日 20:26