キング(玉将)が相手から攻撃されている(次にキングを取られる)状態です。
キング(玉将)が敵の駒の利き(移動可能範囲)に入っている状態です。
チェック(王手)をされた側は、チェック(王手)を解除する手を指さなければなりません。
チェスや将棋、シャンチーやチャンギ、マークルックなど、チャトランガ系ゲームで、王(キング,玉将/王将)に相当する駒がある場合に使用されます。
次の相手の手番で王駒が取られてしまうと負けてしまうため、王駒を相手に取られないようにする手を指す必要があります。
王手を放置すると即座に負けとなるゲームと、王手を放置しても相手が王駒を取って初めて負けとなるゲームがあります。
王手を解除するには、
①王手をかけている駒を王駒自らが取る
②王手をかけている駒を味方の駒が取る
③走り駒での王手の場合、敵駒と王駒の間に味方の駒を移動させる=合駒を指す
④走り駒での王手の場合、敵駒と王駒の間に味方の駒を打つ=合駒を打つ(持ち駒ありのゲーム)
⑤王手のかからない位置へ移動する
などを行う必要があります。
キング(玉将)が相手から攻撃されている(次にキングを取られる)状態で、合法的に指せる手がない状態です。
チェック(王手)をされた側が、チェック(王手)を解除する手を指させない状態です。
チェック(王手)している駒を自分(キング)も味方の駒も取れず、他の駒による合駒もできない状態です。
チェスや将棋、シャンチーやチャンギ、マークルックなど、チャトランガ系ゲームで、王(キング,玉将/王将)に相当する駒がある場合に使用されます。
王手を回避する手が指せず、次の相手の手番で王駒を取られてしまう場合であり、この時点で負けとなります。
つまり、下記を全て満たしている場合、詰んでいます。
①王手をかけている駒は他の敵の駒が効いていて、王駒では取れない
②王手をかけている駒を取れる味方の駒がいない
取れる味方の駒がいても、その味方の駒が移動することで王手がかかる場合(開き王手でピンされた状態)は取れません。
③走り駒での王手の場合、敵駒と王駒の間に移動できる味方の駒がない=合駒を指せない
④走り駒での王手の場合、敵駒と王駒の間に打てる駒がない=合駒を打てない(持ち駒ありのゲーム)
⑤王駒の移動できる範囲に王手のかからない位置がない
盤外、味方の駒がある位置、敵が利いている空の位置、他の敵が利いている敵の駒がある位置へは移動できません。
現在は敵が利いていなくても、自身が移動した際に敵が利く場合(走り駒による王手)は移動できません。
- ステイルメイト(Stalemate)=非王手状態での指し手なし(負けになる場合:困死)
キング(玉将)が相手から攻撃されていない状態にも関わらず、合法的に指せる手がない状態です。
王駒が現在王手されていないものの、王駒の移動先がないか移動先に王手がかかっており、他の駒も全てブロックされているか動かせる駒がもう残っていない場合です。
合法的な手を指せない膠着状態であり、ゲームによって引き分けになる場合と負けになる場合があります。
チェスでは、ステイルメイトが生じた場合は引き分けです。
将棋(古将棋)やシャンチーでは、ステイルメイトになった側が負け(クンスー:困死)です。
チャンギでは、パスがあるためにステイルメイトは生じませんが、両者がパスすると引き分けです。
- レピティション(Repetition:同形反復)=千日手
※チェスでは、スリーフォールド・レピティション(threefold repetition:同形三復)と呼ばれます。
同一局面が3回生じた時に、自分の手番で申告することで引き分けとなります。
ZoGでは、原則的に同一局面が3回生じた時に、自動で引き分け(Draw)になります。
(ZRF内の設定で、「同形反復」を引き分け以外の勝敗に変更することも可能です)
連続チェックの千日手は、パーペチュアル・チェック(perpetual check:永久王手)と呼ばれており、同様に引き分けとなります。
※将棋では、駒の配置や持ち駒の種類と数、手番が全く同じ状態が1局中に4回現れると千日手となります。
千日手となった場合はその勝負がなかったことになり、先手と後手を入れ替えて最初から指し直しとなります。
連続王手(一方のが全て王手)による千日手の場合は、王手を仕掛けている側が千日手の成立条件を満たした際に反則負けとなります。
(反則負けを避けるには、連続王手している側が着手を変えなければなりません)
千日手は、以前は「同一局面に戻る同一手順を連続3回」でしたが、同一局面に戻る手順が複数ある場合は無限に指し手を続けることが可能なため、現在の「同一手番での同一局面が4回」に改定されました。
(同一手順を連続3回行うと、同一局面が4回出現します)
※シャンチーでは、連続王手の千日手「(チャンジャン:長将)」は禁じ手であり、王手をかけている側が同じ局面が3回出現する前に手を変える必要があります。
その他の千日手は、「一方が手を変えなければならない場合」と「引き分けになる場合(ホーチー:和棋)」があります。
※チャンギでは、同一局面が3回現れた場合は、どんな場合も引き分けとなります。
※マークルックでも、千日手は引き分けとなりますが、連続王手の千日手は王手をかけている側が手を変えなければななりません。
※どうぶつしょうぎでは、同一局面が3回現れた場合は、どんな場合も引き分けとなります。
※囲碁では、「三コウ」や「長生」などによって同一局面が反復される場合、対局者同士の合意により引き分けとなります。
- キャスリング(Castling)=キングの入城:チェス専用ルール
キングとキャスリングに関わるルークが動いていない状態で、キングとルークの間に味方や敵の駒がなく、そこに対する敵の効きがなく、キングがチェックされていない状態でのみ可能です。
1手でルークとキングを同時に動かし、互いの位置を交換することができます。
①クイーンサイド・キャスリング(ロング・キャスリング):O-O-O
クイーンサイドのルークをキングの隣へ移動し、キングをルークを挟んで反対隣へ移動します。
キングはクイーンサイドのルーク側へ2歩移動し、ルークはキング側へ3歩移動してキングを超えます。
つまり、キングはクイーンサイドのビショップの初期位置へ、ルークはクイーンの初期位置へ、1手で移動します。
②キングサイド・キャスリング(ショート・キャスリング):O-O
キングサイドのルークをキングの隣へ移動し、キングをルークを挟んで反対隣へ移動します。
キングはキングサイドのルーク側へ2歩移動し、ルークはキング側へ2歩移動してキングを超えます。
つまり、キングはキングサイドのナイトの初期位置へ、ルークはキングサイドのビショップの初期位置へ、1手で移動します。
①も②も、キングとルークは移動の際に交差します。
将棋における囲いに相当するもので、キャスリングはチェスに特有のルールです。
- アンパッサン(en passant)=通過捕獲:チェス専用ルール
相手のポーンが2マス前進した直後のみ、移動してきた相手のポーンの横に隣接している自分のポーンは、移動してきた相手のポーンを取りつつ、移動してきたポーンの背後へ移動できます。
つまり、相手のポーンが1マス前進だけ前進した場合と同じように、相手のポーンを取りつつ、自分のポーンを斜め前へ前進できます。
アンパッサンは必ずしも行う必要がありませんが、アンパッサンを行なかった場合、以降は同じポーンに対してアンパッサンを行うことはできません。
ポーンが開始位置からのみ2マス前進することもできることに関係したルールであり、アンパッサンはチェスに特有のルールです。
自分の手番で駒を動かさずに、相手の手番に代わります。
「パスが許可されていないゲーム」と、「自由にパスが許可されているゲーム」と、「合法的に指す手がない(ステイルメイト)状態でのみパスが許可されているゲーム」があります。
連続で複数回移動できる駒において、移動の途中で移動を中断するためのパスができるゲームもあります。
将棋やチェスでは、「パス」はできません。
チャンギでは、いつでも自由に「パス」ができます。
オセロでは、石を置ける場所がない場合のみ「パス」ができます。
チャイニーズチェッカー(ダイヤモンドゲーム)では、連続移動が可能な場合に「パス」で移動を終了できます。
手番のパス(pass turn)でも連続移動時のパス(pass partial)でも、「パス」によって手番は相手に代わります。
プレイヤーが複数いる場合は、次のプレイヤーへ手番が移ります。
- プロモーション(Promotion)=昇格,プロモート(Promote)=成る(昇格した駒は「成-(Promoted-)」が駒名に付加されます)
別の駒へ変化することを昇格と言い、「成る」と表現します。
敵陣内に入ったり、河界を越えたりなど、特定の位置に来ることで昇格する場合、敵の駒を取ることで昇格する場合、駒を動かすたびに昇格する場合などがあります。
昇格する際、どの駒へ変化するかを選択できるゲームもあります。
昇格するか昇格しないかを選択できるゲームもあり、昇格しない場合を「成らず(不成)」と表現します。
①生駒:「成る前の駒」です。
なお、「成ることのできる駒」を指す場合もあります。
②成駒:「成った後の駒」です。
また、「成ることでしか存在しない(初期盤面に散在しない)駒」のことを指す場合もあります。
③不成駒:あえて「成らなかった駒」です。成る前の駒と同じになります。
他に、「成ることのできない駒」のことを指す場合もあります。
<古将棋と本将棋の成りの比較>
※本将棋・中将棋・大将棋・天竺大将棋・大局将棋などの多くの将棋では、敵陣に侵入した時に成ることができます。
※本将棋では、敵陣に侵入した際に成らないこともできますが、行き所がなくなる場合は必ず成る必要があります。
※本将棋では、敵陣に打った駒や成らずに敵陣に入った駒は、敵陣内を移動した時、敵陣から出る時にも成れます。
※中将棋・大将棋・天竺大将棋・大局将棋では、敵陣に侵入した際に成らないこともできますが、行き所がなくなる場合は必ず成る必要があります。
※中将棋・大将棋・天竺大将棋・大局将棋では、成らずに敵陣に入った駒は、敵陣から出て敵陣に再侵入した時、敵駒を取った場合にも成れます。
※大大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋では、駒を取った場合に成ります。
※中将棋では敵陣の駒を取った時に成る、廣将棋では特定の駒を取った時に成るという条件がつく場合もあります。
(中将棋で敵陣の駒を取った時を除き、成らないことはできません)
※京都将棋(京都銀閣金鶏秘譜将棋)では、移動する度に必ず成りますが、成駒と生駒を交互に繰り返します。
※五分摩訶将棋では、敵駒を取る度に必ず成りますが、成駒と生駒を交互に繰り返します。
<世界の将棋類の成りの比較>
※本将棋では、玉将と金将以外の駒は成ることができます。
敵陣3段目で成ることでき、行き所がある場合は成らないこともできます。
※チェスでは、ポーンしか成ることができません。
敵陣1段目で成ることができ、キングを除く他の駒(クイーン、ルーク、ビショップ、ナイト)から選択して成ることができます。
成らないことはできません。
※シャンチーでは、駒名は変わりませんが、河界を越えた兵/卒はそれまでの前進1マスに加えて、左右へも1マス進めるようになります。
※チャンギでは、昇格は存在しません。
ローカルルールでは、兵/卒が敵陣1段目で成ることができ、それまでに取られた士以外の自分の駒(つまり楚/漢以外)から選択できます。
※マークルックでは、ビア(歩兵やポーンに相当)しか成ることができません。
敵陣3段目で成ることができ、ビアガーイ(メットと同じ動き)になります。
成らないことはできません。
最終更新:2019年02月09日 13:32