ZoG(Zillions of Games)は、アブストラクトゲーム(Abstract Game)に特化したゲームソフトです。
アブストラクトゲームとは、一般に盤上やカードで遊ぶ、対戦相手同士で情報が公開された完全情報ゲームで、偶然要素のないゲームのことです。
英語の「Abstract Strategy Game」とは、「抽象的な戦略ゲーム」という意味です。
抽象的とは、「ゲームが特定のテーマ(連想させる背景)を持たない」「使う駒や盤などが抽象化されている(具体的でない)」ことです。
将棋,Chess,Checker,囲碁,五目並べなどは、アブストラクトゲームに分類できます。
アブストラクトゲームの多くは、ボードゲーム(盤上ゲーム)であり、ZoGの得意とするところです。
ゲーム分類のカテゴリとして、アブストラクトゲームの対象範囲について、様々な解釈があります。
厳密には、「確定完全情報ゲーム」を指します。
①確定:乱数要素がない
②完全情報:隠蔽情報がない
ZoG(およびZRF言語)は、基本的にはこの「確定完全情報ゲーム」に特化しています。
広義には、抽象的な道具を使う解釈から、以下をアブストラクトゲームに含む場合があります。
①乱数要素を含むゲーム(双六、バックギャモンなど)
②隠蔽情報を含むゲーム(軍人将棋、ストラテゴなど)
ZoGは、①に対応する方法がありますが、②には対応できません。
(人対AI戦ではなく、人対人戦のみなら、②に対応させることも可能です)
カードゲームは、たいていの遊び方で対戦相手に対して隠匿情報を持つ(かつドローなどの乱数要素を持つ)ため、アブストラクトゲームから除外されるのが一般的です。
(ただし、カードを使った完全情報ゲームも存在します)
基本的に、ZoGはボードゲームを主体としており、カードゲームは念頭においていません。
(カードを駒に置き換えて成り立つ完全情報ゲームには対応できるでしょう)
ZoGの良い点:
- 人対人戦のみならず、人対AI戦、AI対AI戦もできます。
(ゲームの途中で対人戦と対AI戦を入れ替えられます)
- AIは通常の将棋・チェスのみならず、変則ルールに対応します。
- デフォルトでたくさんのゲームが搭載されています。
- 搭載されたゲーム以外にも、配布されたゲームを追加することができます。
- 自分の考案したルールのゲームを自作することができます。
- ゲーム自作は、メモ帳で行うことも可能です。
- 駒を自分で用意したグラフィックに差し替えることができます。
- 移動できる駒の表示、移動できる位置の表示、攻撃できる位置の表示などができます。
- 「待った」機能の他、「次の1手」をアドバイスしてくれる機能があります。
- 棋譜を外部に保存・再開・再生できます。
- 基本は1対1ゲーム用ですが、多人数ゲームにも対応できます。
ZoGの悪い点:
(将棋のような駒再利用ゲームの実装には工夫が必要です)
- 基本は1対1ゲーム用であり、多人数の場合は順位付けができません。
(誰かが最初に勝ったら終了or誰かが最後に負けるまで継続)
- 変数が使えないため、麻雀のようなスコアを計算するゲーム作成に向いていません。
- トランプ将棋、ジャンケン将棋など、ランダム要素のゲーム作成に向いていません。
- ミステリー将棋、軍人将棋など、情報隠匿要素のあるゲーム作成はできません。
- クロック(時間計測)機能がありませんので、時間切れ負けを設定できません。
①ゲームは、ZRFファイル内の「game」ブロックに記載された、継承元(親)となるゲームです。
ゲーム紹介
②バリアントは、ZRFファイル内の「variant」ブロックに記載された、継承先(子)となるゲームです。
バリアント紹介
バリアント一覧
※「バリアント」は、「ゲーム」の一部を改変した「派生ゲーム」です。
- ZoGは、比較的ユーザーフレンドリーなインターフェイスとなっています。
- 将棋やチェスなどの対戦型のボードゲームには、特有の用語が用いられます。
①拡張子が「.zrf」のZRFファイルは、ルールが記載されたゲームファイルになります。
ダブルクリックにより、ZoGが起動して、ゲームを最初からプレイできます。
ZRF配布
ZRF言語
ZRF作成
②拡張子が「.zsg」のZSGファイルは、棋譜が記録されたセーブファイルになります。
ダブルクリックにより、ZoGが起動して、ゲームを途中からプレイできます。
ZSG解説
最終更新:2020年08月31日 16:10