(番外編)第一子出産

経歴詐称疑惑ではありませんが、よくできた偶然なのでご紹介します。
最後では、のぶみ展@愛・地球博、瀬戸市ゆるキャラ「せとちゃん」についても扱っています。

あらすじ

  • 長男に「北風小僧の寒太郎」由来の「勘太郎」と命名することを決めて出産に立ち会う。
  • 出産後、病室に帰ると朝の8時40分。テレビをつけたら「おかあさんといっしょ」が放送されていた。
  • 偶然にも、自身が作詞した「おしりフリフリ」が流れてきた(作曲:中川ひろたか)。この日が初めての放送日。
  • 続いて、長男の名前の由来となった「北風小僧の寒太郎」が流れてきてさらに驚く。
  • 出産で疲れ果てていたので寝たかったが、妻と二人で笑った。


自伝『暴走族、絵本作家になる』(ワニ・プラス、2010年8月10日発行)

第3章「再出発」の「出産」(pp.162〜171)より引用

2004年1月6日(※1)
僕に初めての子供ができた。長男の勘太郎だ。
名前は、「北風小僧の寒太郎」から取った。
生まれる前から、そうしようと、決めていた。
北風小僧の寒太郎みたいに、寒くて冷たい風が吹いても、
元気に飛び回れる、心の強い子に育ってほしかったからだ。

僕は、病院で出産に立ち会った。
ラマーズ法も覚えて、ようちゃんと一緒に
「ヒー、ヒー、フゥ〜〜〜ウン!」とやった。
でも、2時間くらいすると
目の前がクラクラしてきて、
「ヒー、ヒー、フゥ〜〜〜う〜〜ん」と2回も倒れた。
どうやら酸素不足になったようだ。

(略:夫にベッドを譲ろうとする出産間際の妻。涙が出そうになる夫。)

僕は、洗面所で顔をバシャバシャ洗って、
思いっきり深呼吸してから、
ラマーズ法と、マッサージを
その後、5時間続ける

(略:痛がる妻)

破水する。看護婦さんを呼ぶ。
まだ、産道が開いてないから、我慢しろと言われる
我慢しろって言ったって、どうすりゃいいんだ!
「お父さん、ここ押してください」
「はい!」
僕が押すと、手になにかあたった!
子供の頭だ、子供の頭があるんだ。
手の真ん中に髪の毛があたる。

(略:目に涙をため「オレの子がここにいる」「世界がどんどん変っていく」と震える夫)

「くぅ〜〜〜!痛いよぉ〜〜」
マッサージする、頭を押し戻す
もう、朝の5時だ。

(略:夫「(出産が)早く終わってほしい」「チクショウ!×3」「早くでてこい!」)

「よし、分娩室に!」
病室から、分娩室まで歩かないといけない
なんだよ、なんなんだよ、これ。
歩くの大変じゃねぇか。
なんで、一緒にしとかねぇんだよ。

(略:担ごうとする夫を気遣い、「大丈夫、一人で歩ける」と言う妻。代わりに手を貸す夫。)

分娩室に入るとさらに壮絶だった。
出産ってこんなに壮絶なんだって初めて知った。
オレなんか、なんにもできない。
なんか、してやりてぇけど、手をさするくらいしかできない。

(略:痛がる妻。夫「チクショウ!」「なんにもできねぇ!」看護婦「頑張ってるママを見てあげて」)

僕は、ようちゃんを見た。
必死に頑張ってる! 精一杯やってる! 命を産もうとしてる!
自然と涙がぽろぽろ落ちて、止まらねぇ。
なんでこんなにスゲェんだ。なんでこんなに頑張れるんだ。

(略:「よし、イキんで!」「楽にして…」「もっと!」「頑張れ!」と妻に声をかける夫)

「おぎゃあおぎゃあおぎゃあ!」
生まれた!生まれた!生まれた!
オレの子だ!信じらんねぇ!オレの子だ!
胸の中がギュウって締まる。
生きててよかったって、死ぬほど思う!
コイツは、オレの命だ、コイツはオレの宝だ!
コイツをオレは、幸せにしてぇ!

(略:夫「サルみてぇに赤い子」「死ぬほど可愛い」「小さな手で僕の指をにぎる」)

天にも昇るくらい幸せだった。
「パパですよ〜」って言われた時に、
なにか自分の中で、覚悟ができた。

病室に帰ると、もう朝の8時40分。
テレビをつけて見ると、
「おかあさんといっしょ」をやっていて、
「おしりフリフリ」が流れていた!
そうか! 今日から、放送開始だった!(※2)

さらにビックリしたのが、その次の曲だ!
「きたかぜ〜〜〜〜こぞうのかんたろ〜〜〜〜かんたろ〜〜〜〜う!」
「北風小僧の寒太郎!」

もう、疲れ果てて、すぐにでも寝たかったけど、二人で笑った。


注釈・検証

※2:「おしりフリフリ」は2005年1月の「おかあさんといっしょの今月の歌」だった模様 参考:Wikipedia

※1:長男の正しい誕生年は「2005年」 参照:のぶみの日記コーナー
自伝には「出産に立ち会って『パパですよ〜』と言われた時点で覚悟ができた」との記載があるが、
日記では「出産6日後に退院・帰宅した長男を見てもまだ実感がわかず少し時間がかかりそう」とのこと。
また、日記では「愛・地球博(2005年3〜9月開催)に個展として参加。長男と一緒に回る」との記載も。

2005年1月12日の日記より転載
今日勘太郎が!(nobmi@nobmi.com) [01/12 22:23]
今日勘太郎が、家にはじめてきました!なんだか夢みたいだよ。
まだ実感がわくまで、すこしかかりそうだね。
ぼくも個展で参加する愛地球博は、こおりずけのマンモスとか、トトロのめいちゃんの家がたったり、ロボットがたくさんきたり、リニアモーターカーが、はしったりしますよ!
いまからたのしみだね。ぼくは、4・5・6日に、勘太郎といっしょにまわります。みんなにあえるといいなあ。

2004年11月10日の日記より転載
おおかみかめんときつねどん(nobmi@msc.biglobe.ne.jp) [11/10 23:27]
2005年2月に「おおかみかめんときつねどん」(教育画劇)が発売されます!
これははじめてののぶみのおおきな絵本で、ひさしぶりに赤ちゃん絵本じゃない、3歳から老年までたのしめる、絵本になりました。
すごくおもしろくってすごくかっこいいです。原画は2005年四月から始まる愛地球博ののぶみ展でもかざられますよ

※愛・地球博は2005年3月25日〜9月25日に渡り開催された。 参考:愛・地球博公式サイト
  • 愛・地球博は「長久手会場」と「瀬戸会場」で開催されたが、「のぶみ展が開催された形跡が見当らない」という声もある。
  • なお、のぶみは、2006年10月に瀬戸市のゆるキャラ「せとちゃん」のデザインを担当。 参考:瀬戸市観光情報公式サイト「せとちゃん」
  • 瀬戸市は、2006年以降、数年に渡ってのぶみのワークショップ・講演会を開催。

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最終更新:2018年03月27日 07:50