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首刈られ女子with壁




藤枝つばきは混乱していた。

「……一体どういうことなの……?」

五月祭前日、パスケースを忘れて部室に戻った彼女は、背後から襲われ気を失った。
そして目覚めてみるといきなりバトルロワイアルを行う宣言をされ、再び目覚めた時には田舎の立派な屋敷の前にいた。

「……あたし、夢でも見てるの?」

現在の状況は全く信じがたいものだ。
いや、信じがたい状況は部室に戻った時から始まっていた。

「……なんで……霧島くんが……?」

首を絞められ、食い込む縄にもがきながら振り向いた先に立っていたのは───明るくてちょっとお調子者の、部活の後輩……霧島純平だった。
ただ、その表情はひどく歪んだおぞましいもので、つばきの知る霧島とは到底似ても似つかなかったが───

(あれも夢………?)

しかし、震える手を見つめたとき、つばきはそれが現実のものであったことを知る。

「っ!」

自分の指先、爪にこびり付いた血の跡。
あの時無我夢中で霧島を引っ掻いた、その証だった。

(そんな……)

震えは全身に回り、つばきは自分をきつく抱きしめてしゃがみ込んだ。

「───覚めて……これは夢よ、早く覚めて……!」

その時。


「───ねえ、あなた……大丈夫?」
「!」

はっとして顔を上げると、そこには黒いパンツスーツに身を包んだ女性が立っていた。色素の薄い髪が顔の片側を隠しているが、なかなかの美人だ。

「……あ、あなたは……」
「ああ、怖がらないで。あなたを傷つけるつもりはないの」

彼女は両手を広げ、武器のないことをアピールした。

「あたしは幽月来夢。挿絵画家をやっているわ。あなたは?」
「あ、あたしは……秀央高校2年の、藤枝つばきって言います」
「つばきさんね」

柔らかな幽月の微笑みに、ほんの少しつばきの警戒が緩んだ。

「……あの、幽月さん……もいきなりここに?」
「ええ」

そう言うと彼女はつばきの首に手を触れた。

「あなた……この痕は?」
「!?」

首を押さえると幽月はバッグの中から手鏡を出し、彼女に見せる。
ぐるり、とその白い皮膚を取り巻くのは、赤い索条痕だった。

「……これは……」
「あたしもなの」

答えに窮していると、幽月はチョーカーを外した。

「!幽月さんも、首を……」
「あたしは、北海道のとある館で遺産相続レースの最中に首を絞められて───死んだと思ったら、ここにいたの」

奇妙な共通点に、つばきは驚愕する。
まさか首を絞められた者が集められている?いや、彼女は北海道にいたと言っていた。自分がいたのは東京の秀央高校だ。

「幽月さん……一体誰がこんなことを、どうやって、なんのために?」
「さあね」

ただ───と、幽月の目が厳しくなった。

「ただ、あたしに分かるのは、このバトルロワイアルとやらを勝ち抜けば5000万が手に入る、ってことだけ」
「え?」
「───さっき遺産相続レースにいたって言ったでしょ?あたし、お金が要るのよ。弟が植物状態でね」

さあっと血の気が引いた。
この人はこの状況において、まだお金のことなどを考えているのか。
そうであるとするならば、やはりつばきを───

「ああ、だからそんなに怯えないで。別にお金のために他の人を皆殺しにしようって言うわけじゃないの。ただ、最後まで生き残ればその5000万円を手にするチャンスはゼロではなくなるってことでしょ?でもひとりじゃとても無理そうじゃない。だから、生き抜くために仲間を探してるの」
「仲間………」
「すでにひとり見つけてあるのよ。ご紹介するわ───」

そう幽月が示した先を見て、つばきはすうっと頭の芯が冷えるのを感じた。
あまりにも信じがたい状況、理不尽なものに出会うと、時として人間は恐ろしく冷静になる。

「奴利 壁さんです」

…………。

「その───奴利さんは、どういう経緯でここに」

目からハイライトが消えたつばきが問うと、分厚い鉄板のようなもの───
いや、奴利 壁(29)は無駄なイケメンボイスで答えた。

「……俺は、とある女性を救うために人を殺した。だが、その女性のためにも捕まるわけにはいかない。クレーンで連行されながらそう考えていた時、突如雷が落ちて……気がつくとここにいた」
「ここを出たら奴利さんを匿うという条件で、協力関係を結んだの」

いろいろあって犯罪者を匿うことには慣れているから、と微笑む幽月に、つばきはもう何も言わなかった。

「……あたしは、お金も何もいりません。ただここから出たい。その為なら、協力します」
「ありがとう、つばきさん」

夢でも幻でも現実でも、もうやるしかない。
ここを出て───どうしてこうなったのかを調べるのも、霧島のことを確かめるのも、その後でいい。

「あ、ところであなたには何が支給されているのかしら?」
「え?」
「デイパックの中身だ。ちなみに俺はこの刀だった」

奴利が取り出したのは、七色に輝く不思議な日本刀───の、脇差だった。

「あたしはこれね。バトルロワイアルとしてはなかなかいいものが当たったみたい」

幽月が笑顔で抱えているのは猟銃。

「……えっと……」

つばきはデイパックを探り、何やら箱を見つけた。

「これ、でしょうか」
「……これは……」

その木箱に入っていたのは、魔神遺跡の魔神具レプリカ(矛欠品)だった。

「これ……銅鐸ですよね、よく歴史に出てくる」
「あとは鏡と宝玉……まるで三種の神器みたいね。でもあんまり役に立ちそうには……」
「いや、そうとも言えない。こういう霊験あらたかなものには何か力があるかも───」

そう奴利が鏡を取り上げたとき、その鏡が屋敷の篝火を映し、奴利の鉄板……じゃない、身体に反射して───

「auch!」
「?!」

突如屋敷の庭の茂みから聞こえてきた英語に、3人は慌てて振り向いた。

【一日目/深夜/巽家の屋敷前@飛騨からくり屋敷殺人事件】


【幽月来夢@露西亜人形殺人事件】
[状態]健康
[装備]大広間に並べられていた猟銃@秘宝島
[所持品]基本支給品一式、
[思考・行動]
基本:生き残りあわよくばお金を手に入れたい。
1:奴利とつばきを味方につけ生存確率を上げる。
2:他に協力的な人物を見つけたら仲間に引き入れたいが、敵対するものは射殺も止むなし。
[備考]
※参戦時期は想子さんに首絞められ意識を失ったとき
※高遠を匿うくらいの人なので大抵のことでは動揺しなさそう。

【奴利壁@金田一少年の怪奇事件簿】
[状態]健康
[装備]妖刀毒蜂の脇差
[所持品]基本支給品一式
[思考・行動]
基本:生き残り脱出する。
1:脱出後幽月に匿ってもらうことを条件に協力。
[備考]
※参戦時期は話後逮捕されクレーンで連行される最中
※どうやら五里押重蔵を殺したのは「愛する女性」のためらしい。

【藤枝つばき@高遠少年の事件簿】
[状態]健康
[装備]魔神具レプリカ(矛欠品)@魔神遺跡
[所持品]基本支給品一式
[思考・行動]
基本:生き残り脱出したい。
1:なんかもうよくわからないけどとりあえず幽月たちと協力して生き残る道を探す。
2:霧島に出会ったらなぜ自分を殺そうとしたのか聞きたい。
[備考]
※参戦時期は霧島に首絞められた直後
※佐伯航一郎の伯父に狙われている。





009:ジョンベネ 時系列 014:『!?』
009:ジョンベネ 投下順 011:月と星が瞬く夜に咲く花
009:ジョンベネ 藤枝つばき 022:鏡よ鏡
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