オペラ座の怪人は再び姿を現す




「こんなガラクタなPCは邪魔になるだけだろうし所持は諦めるか」

コテージ内のブラウン管のPCはそのまま置いておく判断をする鯖木。
まずはこのコテージからの移動をしようと方針を経てる。
外に置き去りにされた死体のある場所にずっと留まれるわけがなかった。

「にしてもこの女見覚えがあるんだよな……」

襲われた際には恐怖が勝りパニック状態になっていたがよくよく考えればどこかで見た顔であったことを鯖木は引っかかりを覚える。
どこかで、実際に会ったことはない。
では『何で』見たと考えたとしたら?
その時、小説『双子探偵姉妹』とリンクさせた時ピンときた。

「このババアってもしかして3億円事件がどうたらって女じゃなかったか?」

目先だけで炎上することを目標にしていたが、既に炎上した人物であったと鯖木はインターネットのニュースの記事と一緒に思い出した。
『人気ミステリー小説家の過去、実は3億円事件の加害者!?』、そんな内容で共犯者の数人を殺害してその犯人って確か死亡したのではなかったか?
ではこの女はいったい?

鯖木が炎上させたわけではないが色々な人物が炎上にあったのを鯖木はネットを通して知識として持っている。
人気アイドル深森蛍の死亡、犯罪者怪盗紳士の名をかたって画家の殺害事件、墓場島での亡霊の仕業に見せ掛けた事件、吸血鬼の仕業だという事件など……。
こんなのではキリがないほど鯖木はPCの前で無造作に時間を使い事件という事件の記事やスレッドを読み込んだ人間であった。

「ちっ、まったくわけわかんねーよ」

舌打ちをしながらコテージを出ていく。
ネット環境を探す鯖木だが3日間という期間は絶対にそれに触れられないことを聞き逃した鯖木はまた歩きだす。

(『災厄の皇帝(エンペラー)』か、もしかしたらこのバトルロワイアルの参加者として身を隠しているんじゃないか?)

では誰なのか。
知るはずがない。
だが、堂々とした監視カメラが見つからないとなるとその『災厄の皇帝(エンペラー)』とやらはどうやって実験の結果を知ろうとする?
こういうゲームにありがちな首が爆発したり、発信機及びカメラ及び盗聴器などの機能付き首輪も付けられたわけではないのだ。
では、どうやって過程を知るのか?

「簡単だ、このゲーム参加者に『災厄の皇帝(エンペラー)』が紛れ込んでやがる」

これが鯖木の結論であった。



では、実際に紛れ込もう。
どういう奴がその黒幕であるかだ。

「性格がよくてリーダーシップを取ろうとするお人よし、絶対に信用できないし……」

「そんな奴消えちまえばいいのに」と付け加える。
そういう奴は殺されない自信のある奴だ。
紛れ込むならばこういう奴の方が1番可能性・危険性が高い。
このことに関しては襲ってくる奴の方がまだ信頼できる(信頼するとは言ってない)。

「殺されない自信のある奴……、理由なく襲う奴も黒に近いか」

動機のない殺人、それは某傀儡師の嫌うスタンスの人間である。
鯖木はこのタイプも参加者に紛れ込んだ『災厄の皇帝(エンペラー)』であると予想した。
人を殺してみたかったみたいなぶっ飛んだ思考の奴、だから60人もの人間を集めたと過程すれば無理はない。

「本当に紛れ込んでいる可能性は50パーセントと置いておくか」

当然鯖木の知らない技術で監視しているとも考えられる。
仮定は仮定でしかない。
悪意に満ちた人間側である自分だからこそこういう悪意に満ちたことを考えられる。
『災厄の皇帝(エンペラー)』も悪意の高い同族であると察して、それに吐き気がする。
つまり同族嫌悪である。

雪の降るステージを抜けた鯖木は一息付く。
信用できるのは己のみ。
誰の瞳にも映らない様にと気配を殺しながら鯖木は道を進んで行くのであった。



【一日目/黎明/電脳山荘を抜けたところ】


【鯖木海人@雪鬼伝説殺人事件】
[状態]怒り、一定の冷静
[装備] なし
[所持品]基本支給品一式、双子姉妹探偵@蝋人形城殺人事件、S・Kのイニシャルキーホルダー@悲恋湖伝説殺人事件
[思考・行動]
基本:『災厄の皇帝(エンペラー)』及び観月旅行者及び小説家多岐川かほるの炎上。
0:炎上させこのロワイアルを終わらせる。
1:ネット環境のある場所へ行く。
2:『災厄の皇帝(エンペラー)』は参加者に紛れ込んでいると疑っている為人は信用しない。
[備考]
※参戦時期は、雪鬼伝説殺人事件に巻き込まれる前。
※外部連絡が通じないということが頭から漏れています。
※金田一世界の事件をある程度一般人が調べられる範囲で知識があります。
※リーダーシップの持った人間及び動機のない殺人をする者に『災厄の皇帝(エンペラー)』が紛れ込んでいると推理しています。



鯖木の去ったコテージに広がる血と雪景色。
そこには村人13人を殺害した本物の殺人鬼(ジェイソン)が見下ろしていた。
彼『刀丸猛人』にとっては自分が映画やドラマの世界の登場人物だ。
現にいまはバトルロワイアルという作品の登場人物として呼び出されたのだと解釈している。
彼にとって妄想と日常には境目がない。
デイパックにはその醜い顔を隠せといわんばかりにファントムの仮面とその武器のロープが支給されていた。
どうやら今日の彼(わたし)にキャスティングされたのはファントムというオペラ座の怪人の主人公役であるらしい。

歪んだ顔、歪んだ思考。
ファントムの仮面を身に着けた瞬間それは収まった。
だって彼(わたし)は怪人ファントムなのだから。
ファントムにとって歪んであること自体が正常なのだから。

女の既に息絶えた死体を手に取る。
手が朱に染まることに何も感じなかった。
だってそういう役なのだから。
彼(わたし)は参加者をこうしていけばいいのかと役になりきろうとする。

地獄の業火に思考を焼かれながら彼(わたし)はファントムへと姿を変えていく。
遺体を無碍に投げ捨てたと同時に刀丸猛人はファントムになっていた。


【一日目/黎明/電脳山荘<僧正>のコテージ@電脳山荘殺人事件】


【刀丸猛人@悲恋湖伝説殺人事件】
[状態]ファントム
[装備] オペラ座の怪人『ファントム』の仮面@オペラ座館殺人事件、コンビニチェーン店でしか売られていない特殊なロープ@首吊り学園殺人時間
[所持品]基本支給品一式
[思考・行動]
基本:ファントムになりきる。
0:この手で参加者を消していく。
[備考]
※参戦時期は、逮捕された後。
※クリスティーン役(ヒロイン)がいれば浄化するかもしれません。
※妄想と現実の境目がありません。
※ファントムになりきっているので自分の名前が刀丸猛人という名前だということも役になりきっている間は理解していません。
※そもそも人と接することが出来ない人間らしい。




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003:同じ海人なのに白神はイケメン、怖い顔で犯人の陸は大差ない 鯖木海人 031:斧寺空美の溜息
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最終更新:2016年08月25日 19:58